【15年ぶり】京成電鉄が新型車両“3100形”を導入・既存車の動きは?

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4月11日、京成電鉄から新型車両を導入する旨発表がありました。

3100形の仕様や経緯をまとめつつ、既存車両の動きも考察してみたいと思います。

3100形の仕様

外観

『受け継ぐ伝統と新たな価値の創造』をコンセプトに、質実さ・実用本位という京成の基本思想を大切にしつつ、空港アクセスを担う車両としてより便利で快適な移動空間を提供するために、京成初となるデザインや設備を採用します。

外観はオレンジを基調とした斬新なデザインで、都営5500形にも若干似ているように思えます。

これは成田スカイアクセス線の列車であることをわかりやすくし、誤乗防止を図るとのことです。

さらにアクセントとして、成田山やスカイツリー、千葉から見た富士山が入ります。

車内

目を引くものを挙げていくと、

・座席を折り畳み式とし、スーツケース置き場としても使えるようにする
・京成初の2画面LCD
・フリーWi-Fi
・空気清浄機の設置

でしょうか。

また、他の鉄道会社で採用例を聞かないシステムとして、同時発表の新京成80000形では、カーブの多い都営浅草線の走行音を考慮し、走行音にあわせて放送ボリュームを自動調整する機構が組み込まれるものの、この京成3100形での採用の有無は現時点では不明です。(4/14訂正)

主要機器

今まで3000形の3003編成で試験を行ってきたSiCインバーターを本格的に採用します。

特筆すべき点として、新京成電鉄で同時発表された80000形では3000系列比で19%の電力消費量削減となっていることに対して、この3100形では15%と発表されています。

採用された機器のメーカーの違いによるものという可能性が高そうですが、3003編成で以前試験採用していたものと同一かどうかは現時点では不明です。(4/14加筆)

投入路線

前述の通り、成田スカイアクセス線に投入される予定です。

車体の色がオレンジであることからも、大幅なダイヤ乱れなどの特別な事情がない限り、上野駅~高砂駅の入出庫運用などの最小限の列車を除いて京成本線(高砂駅以東)では営業運転しないのでしょう。

3050形の動向

そもそもスカイアクセス線では現在3050形が活躍しています。

今年度に2本、来年度以降もスカイアクセス線に導入となると3050形の処遇が気になるところです。

3050形は現在6本が所属し、基本的に成田スカイアクセス線“アクセス特急”として活躍しています。

しかしながら、3100形が導入されるとなると、秋の改正に合わせてスカイアクセスのダイヤに大幅なテコ入れをしない限りは3050形に余剰が生まれるのは必至です(尤も、運用に対し既に車両が多い故に6編成配置・6運用ですが、時折本線運用に充当されています)。

最も考えられるのは、玉突きで3050形をスカイアクセスから追い出し、2020年(令和2年)開催の東京五輪までに京成本線にはびこる旧型車両の置換えを済ませてしまうという説でしょうか。

これは、既存の3050形の空色のデザインでも誤乗が発生しており、3100形の50番台となるプレスリリース画像の3151編成~ではスカイアクセス線の路線カラー・アクセス特急・エアポート快特の種別色でもあるオレンジ色を全面に取り入れていること、プレスリリースでも記されていることからも想像しやすいでしょう。

本線特急や快速などの優等運用に充当される車両の中には車内案内用のLEDすら装備しない3600形、車内LEDこそ装備してはいても足回りは初代AE形という3400形(3700形や3000形で進んでいるLCD設置の対象外でもあります)、現在は代走こそほとんどありませんが、朝晩で成田空港に入線することもある3500形など、外国人に限らずサービス面で3000形・3050形や3700形には及ばない車両が多いのも事実です。

またスカイアクセス開業の前後数年間は旧車の置き換えがストップしていたこともあり、京成としてはさっさと旧車を追い出して本線特急のサービスを向上させたいという面もあるのでしょう。

もちろん、既存の3050形のデザインに手を加える説や、単なる増車=アクセス特急の増便という可能性もまだまだ捨てきれませんので、今後の続報に注目が集まります。

いずれにせよ、3100形の投入は2019年(令和元年)秋とのことですから、早ければ3050形や3600形、あるいは3400形に動きが出るのも遠くない話でしょう。

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(画像:京成電鉄プレスリリースより引用)

コメント

  1. しつ より:

    …運用に対し既に車両が多い故に時折本線運用に充当されている…

    この話ですが編成数が過剰というわけではなく、本線系統の8連が不足時に救援として運用についたり、逆に編成不足でアク特運用に3000形や3700形が充てられる事もあります。
    そもそも6編成に対して運用数が同数なので、過剰というのは語弊がありますが…

    話は変わりますが、新京成でも3100形と共同設計の80000形を導入するようですね。

  2. ラン より:

    そういえば、浅草線の新型も成田SA線で走れるんだとか
    ってことは、アク特を増やすってことでしょうかね
    W杯も五輪もやるし、増えるのはいいことです
    これで少しは便利になる

  3. かんた より:

    >上野駅~高砂駅の入出庫運用などの最小限の列車を除いて京成本線では運転しないのでしょう。
    上野発、上野着のアクセス特急も普通にあるんですが・・・

  4. ときぱて より:

    しつ様・かんた様からのコメントを受けた運用数・運転区間についての表現を修正しました。

    (最近はあまりみなさまにコメント返しできずで申し訳ないです……)

  5. ふるおれ より:

    京成側のプレスリリースに自動放送の音量調節機能についての記述が見当たりません。また同様に3003Fで試験中の機器を用いるという記述もないです(ちなみに3003のがSiCだという根拠も見たことがないので提示して頂きたいです)。
    もちろん見落としているだけの可能性もあるのでそうでしたら申し訳ないです。

    • ときぱて より:

      ふるおれさま

      閲覧・コメントありがとうございます。
      音量調整機能については新京成80000形と内容を混同しておりましたので、訂正させていただきました(サイト管理をしている私=ときぱてのミスです)。

      3003編成で試験中の機器を用いるとの記述は京成電鉄からのプレスリリースにはありません。
      2年ほど3003-8,7号車のみがSiC素子のVVVFインバーター制御装置を試験搭載していることを鑑みても、新形式への何かしらの布石であるという推測に至った次第です(もちろん、3003の物が採用されるかどうかは明らかにされていません)。

      なお、ハイブリットSiC・東洋製のRG6040Aが2016年12月末から営業運転にて試験運用されているものの、京成電鉄側・メーカー側からの公式の文献では現在も発表されていません。
      東洋ハイブリットSiCの他社採用事例は広島電鉄3900形が唯一となりますが、路面電車向けゆえに形状・音は大きく異なりますのでこちらのメーカー発表も裏付けには出来ません(ご存知でしたらすみません)。

      (本コメントは原文執筆は著者のあるふぉ・加筆は管理人のときぱてです)