
新京成電鉄は2025年4月1日に京成電鉄に吸収合併され、新京成線は「京成松戸線」となりました。
使用車両や運転体系はこれまでのところ大きな変化がなかったものの、遂に元・新京成車に京成カラーとなった車両が登場しました。
独自路線を貫いた新京成

新京成電鉄線は、旧日本陸軍鉄道連隊の演習線をルーツとしており、度重なる改軌がされた一方で、線形は演習線時代の名残で曲線が多用された特異な路線となっています。
開業時から京成電鉄の子会社として「新京成電鉄」として経営されており、路線名も「新京成電鉄線」となっていました。
2023年10月の京成電鉄株主総会にて、京成電鉄に吸収合併されることが決議され、その後は合併後の路線名を「京成松戸線」とすることが公表されました。演習線時代は松戸線と呼ばれていたことから、“開業前の路線名に変更”という珍しい変更となっています。

京成電鉄との合併が公表されて以降、8800形2編成とN800形1編成がマルーンのカラーリングに戻され、ファンの間で注目される存在となっていました。
一方で、その他の編成については、新京成電鉄のロゴマークこそ削除されたものの、合併後もこれまで新京成カラーのまま運用が続いていました。
塗色変更された8800形を見る

今回、京成通勤型車両用のカラーリングに変更された編成は、くぬぎ山車両基地に所属する京成電鉄8800形8807編成の6両です。
この編成は8800形において走行機器・内装のリニューアル工事を最初に実施した編成で、しばらくは京成電鉄の一員としての活躍が約束された車両と言えそうです。

車体の地色は京成電鉄標準の「アクティブシルバー」、帯色も同じ「フューチャーブルー」「ヒューマンレッド」の帯色です。
京成電鉄では比較的古くからステンレス車両に移行しており、「アクティブシルバー」の地色を纏う鋼製車は、3400形を残すのみとなっていました。
全廃寸前でタイミングで新たな仲間が加わった形となり、1編成のみとなった3400形と京成津田沼駅などで離合する姿が見られる日もそう遠くなさそうです。
一方で、車体帯の太さについては3000形に準拠した細いものとなっており、従来の京成生え抜き各形式と比較すると印象が異なります。

そして、ファンの間で賛否の声が飛び交った前面については、ライトケース周囲を青と赤の帯で塗り分けるものとなりました。
京成の在来車両についても赤帯が側面まで回る塗り分けとなっており、8800形自体が登場時から細帯が側面まで回る塗り分けで、あらゆるファンの予想を覆すものとなりました。
窓ガラスの形状を考えても、8800形の塗り分けラインを活かす・京成在来車と同様の塗り分けにする……といったデザインの方がまとまりが良かった印象も否めず、見慣れるまで時間を要しそうです。

前面のみをピックアップすると評価が難しいところですが、全体としてのバランス感は悪くない印象です。
京成鋼製車の帯幅だとそれはそれで違和感がありそうでしたので、3000形の細帯にした点はいいカスタマイズに感じました。

今後は京成津田沼駅と新鎌ヶ谷駅で京成生え抜き車両と並ぶこととなります。
まだまだ「リアル“ウソ電”」ですが、このカラーリングが見飽きるくらいまで末長く活躍してほしいものです。
残り各形式の外観・今後はどうなる?

新京成電鉄の吸収合併とともに京成電鉄の一員となった車両はこのほかにも3形式あり、それぞれの外観や、運用体系の変化についても気になるところです。
8800形
8800形は8両編成12本が新製されたのち、6両編成16本へ組み換え。2017年度から比較的経年が浅い編成を対象に、機器更新工事が9編成・内装のリニューアル工事が10編成に施工されて京成電鉄に譲渡されています。
一方で、新京成時代から経年車の廃車が始まっており、3編成は京成電鉄へ合併前に除籍済みで13編成が在籍しています。
京成電鉄では3200形の大規模な投入を明らかにしており、リニューアル工事を受けていない車両は京成生え抜きの老朽車とともに置き換えが進められるものとみられます。
現在はジェントルピンクの新京成塗装に加え、登場時の原色を纏った8813編成・千葉線直通対応色のリバイバルとなった8808編成も見られます。
いずれも定期検査・塗色変更がされたばかりで、向こう数年は見かけることが出来そうです。
8900形
京成電鉄では3700形に相当する車両で、6両編成3本が在籍しています。
新京成末期にも登場時のリバイバルカラーとならなかった車両で、譲渡後の塗り分けは新京成の新製時に近い大きなSマークが入ったデザインに期待が集まります。
むしろ、そうなることが決まっているから、あえてリバイバルカラーを新京成のうちに実施しなかった……といった予想をする声も聞かれます。史実としても、2024年度の最後に実施された検査は8900形であり、新京成電鉄がやろうと思えば出来る環境だったとも言えます。
塗色変更が一番楽しみな車両である一方で、8900形の機器更新は8000形に搭載していたものの流用もあり、8800形の機器更新車と比較するとひと世代前の装置と今後が明るいとは言いにくい状態です。
特に、京成千葉線直通には対応していないままで、将来的にくぬぎ山の検査機能を宗吾参道へ移転すると仮定した場合に足枷となってしまう点・そもそもの運用制約がある点などのマイナス要素も挙げられます。
床下機器ベースで考える場合、8800形の未更新車両の次に置き換え……といったシナリオも想像されます。
N800形
京成電鉄では3000形に相当する車両で、6両編成5本が在籍しています。
単純に考えれば、3000形に準じた塗り分けとなることが予想されます。
ナンバーなどの位置がオリジナルなため塗色変更後も外観に細かな差異が残ることが想像されるほか、新京成電鉄が三菱電機製の走行機器類を好んでいたこともあり、完全な共通化は将来的な機器更新工事まで難しそうです。
このほか、8800形代替時に投入される3200形がくぬぎ山車両基地所属とならず、3000形が転用されてN800形の仲間が増えることもあり得そうです。
80000形
京成電鉄では3100形に相当する車両で、N818編成〜N858編成の6両編成5本が在籍しています。
単純に考えれば、3100形に準じた塗り分けとなることが予想されます。
京成電鉄3100形は成田スカイアクセス線用の7編成が在籍していますが、付番からも一般色・本線用の0番台の新造も想定されていながら、3200形に移行したため現状では3100形の京成通勤形カラーは見られない形態です。
幻に終わった3100形の“本来の形態”は80000形が纏うこととなりそうです。
外観は比較的想像しやすい一方で、N800形と同様に三菱電機製の走行機器となっているなど、3100形と仕様が異なります。
また、松戸線での運行は引き続き、新京成電鉄用の切り替えスイッチを搭載した、デジタル無線を搭載したくぬぎ山所属車両に限定されている状態です。
80000形の京成線直通は、準備工事がされている千葉線乗り入れ解禁や、宗吾車両基地拡張後の検査体制変更後に共通化されることはありそうですが、しばらくは松戸線の主力車両としての活躍が続きそうです。
関連;FreedomTrain 8800形の前面デザイン









コメント
「8900形の機器更新は8500形に搭載していたものの流用もあり、」
8500形→8000形の誤りですね。中間電動車が8000番台、先頭車だけ8500番台の番号を付与していました。
さい3さま
コメントありがとうございます。
仰る通りで誤植です……自身も現役末期を知る世代なのに、お恥ずかしい限りです……
今後もご愛読のほどよろしくお願い申し上げます。
鉄道ファンの待合室
ワンマン運転対応改造も実施する
N800形:京成電鉄では3100形に相当する車両
3000形の誤植ですかね?3100形に相当してるのは80000形ですし。
ひつじのショーンさま
コメントありがとうございます。
おっしゃる通りの誤植です。修正させていただきました。
(80000形の説明をコピペしたままになっていました……)
今後もご愛読のほどよろしくお願い申し上げます。
鉄道ファンの待合室