【レール輸送】JR東“キヤE195系”量産車落成・電気機関車一部淘汰へ

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JR東日本では、レール輸送列車“工事用臨時列車”に使用する新型気動車“キヤE195系”の先行量産車による試運転が2017年の落成以来断続的に続けられてきました。

ファンから存在も忘れ去られた2020年4月21日、やっと量産車が登場し、郡山総合車両センターへ甲種輸送(貨物列車として輸送)されています。

ブルートレイン牽引以来、多くのファンを魅了してきたしてきたJR東日本の電気機関車にメスが入ることとなります。

最終的に110両の大量投入へ

JR東海がレール輸送用に投入したキヤ97系をベースに、耐寒耐雪性能を加えて開発されたのがキヤE195系です。

量産先行車としてロングレール輸送用1編成11両(LT-1編成)・25mの定尺レール輸送用1編成2両(ST-1編成)が2017年秋に製造されていましたが、今回登場した車両はこれらの量産車となります。

2021年夏までに集中的に導入し、東北地区から置き換えをすることとなっています。

最終的な投入数はロングレール輸送用44両(4編成?)・定尺レール輸送用が46両(23編成?)製造されることが明らかになっています。

そして、最近新たに発表された組合資料により、小牛田車両センターに投入されるキヤE195系は関東圏の置き換え分も含まれていることが読み取れます。

ロングレール輸送は従来から関東3+東北1の4編成体制でしたのでそのまま代替されそうですが、JR東日本の所有するレール輸送用貨車の台数をそのまま計算すると、両数不足感は否めません。

集中配置によってかなりの効率化をするものと思われます。

組合資料から断定できるのは水戸地区の投入が2020年度末ごろ・レール輸送の気動車化完了は2021年7月ごろと、まだ情報は断片的ですが、置き換えは着実に進行する模様です。

なお、今回も量産先行車同様、ベースとなったキヤ97形を開発・製造した日本車輛製造が行っています。

日本車輛製造は現在、JR東海の傘下となっており、同社とJR東日本の取引が実現したこともかなり異例の存在です。

JR東日本ではこの他にもEV-E801系をJR九州BEC819系べースで製造するなど、原則は自社発注としつつも柔軟な車両導入が近年のトレンドとなっています。

置き換え対象にはEF81形などの電気機関車も

業務用の車両という性質上、具体的な置き換え対象についての公式発表は現時点ではありません。

レール輸送用貨車=チキの同数~全車両が置き換えられることは推測できるほか、組合資料からは電気機関車・EF81形の一部廃車が読み取れます。

JR東日本の電気機関車ですが、蒸気機関車の相棒として客車列車の運用がたまにあるものの、ほとんどの活躍は配給輸送・工事用臨時列車(レール・バラスト)といった業務用列車です。

既に高崎地区ではイベント列車などでも活躍していたDD51形・EF60形が淘汰されており、それ以外のEF65形・ED75形・EF64形0番台など具体的な廃車が記されていない形式についても、廃車が発生する可能性は高そうです。

レール輸送は代替できるけれど……

既に電気機関車・ディーゼル機関車の完全淘汰を実施したJR東海では、キヤ97系のうちロングレール輸送用のR101編成を短縮することで牽引車代替として使用しています。

JR東日本の場合は、山岳線区・電化の違い・保安装置など路線ごとの走行条件が異なるため、機関車牽引の電車の配給列車が日常的に運行されており、この役割を彼らに担わせるのは素人目線でも難しそうです。

置き換え車両が登場するまでは、車齢が比較的若い(と言っても30~40年選手)双頭連結器装備のEF81形・EF64形1000番台を中心に残存させるかと思われますが、中長期的には何らかの事業用車が登場する可能性も考えられます。

高出力の電車の牽引車とするのか、はたまた懲りずにEF510形を再製造するのか。こちらの今後も気になるところです。

既にキヤE195の先行量産車が登場してから長く経過していましたので、機関車牽引列車を日ごろから撮影しているファンからはいよいよ……といったところでしょうか。

内燃車(ディーゼルカー)という都合から乗務員訓練は念入りに行われるかと思いますが、日ごろからの記録を大切にしていきたいですね。

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コメント

  1. しつ より:

    以前に労組資料でレール輸送用の他に、バラスト輸送用・配給輸送用の新形式車両についても触れられていたはずなので、この二つに関しても今後新たに開発される事になるんじゃないでしょうか。