【1000番台】横須賀線・総武線快速向けE235系が落成!グリーン車が甲種輸送

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横須賀線・総武線快速電車では、既存のE217系の老朽化に伴う新型車両として、山手線で既に活躍しているE235系を投入することが発表されています。

このうち、4,5号車に連結されるグリーン車2両だけが一足早く落成し、甲種輸送(貨物列車としての輸送)が行われています。

横須賀線・総武線快速電車の世代交代

横須賀線・総武快速線で現在活躍しているE217系。

この2路線のほか、外房線・内房線・総武本線・成田線・鹿島線と千葉県近郊で幅広く活躍しています。

1994年(平成6年)からせいぞうが始まったこの形式は、世代としては209系と同世代の新系列電車となります。

製造当初は地下鉄同様に前面貫通扉を設けるため、従来車にはない独自デザインとなっています(この基準は緩和されたため、後期車の前面ドアはダミー)。

当時のJR東日本特急車のトレンドであったヘッドライトを1か所に集中させた前面デザインで、大量生産が行われている新系列電車では独自色が強い車両となっています。

走行機器類については最近機器更新をしていますが、様々な故障が発生。

経年としても25年が経過し、置き換えペースが早い首都圏では一般利用者としても少し古さが目立つ車両となってきました。

このE217系の代替車両として、山手線に投入した新形式・E235系の2番目の投入先に選定され、E217系同数の基本51編成・付属46編成が順次投入・置き換えを進めることとなりました。

基本的には直接代替となるようですが、205系などに続いてジャカルタ譲渡を検討する動きが見られています(関連記事)。実現となればJR東日本から正式な発表があるかと思いますので、今後の動向に期待したいところです。

なお、過去の複数組合資料を総合すると、東海道線・高崎線・宇都宮線向けの投入が計画となっていましたが、何らかの事情で延期となっていることが読み取れます。

別の組合資料からはE217系の深刻な故障頻度がしばしば取り上げられていたほか、同線区のE231系では中間付随車を外した短編成化を見越した機器更新もされていましたが、後に全車施工に変更されています。

グリーン車だけが別製造の理由は?

ご存じのファンの方も多いですが、JR東日本近郊線区向けの車両製造では、長年に渡りグリーン車と普通車の製造工場が分けられる体制が続けられています。

これは、JR東日本が新潟県新津市に自社車両工場を設立した際、同一形式の大量生産を前提に作られたことが背景に挙げられます。

当初は4扉車両のみでしたが、後年に6扉車両に着手。209系以降のJR東日本管内の大多数の車両を自社で大量製造しています。

しかしながら、基本設計が大きく異なるE231系・E233系のグリーン車(宇都宮線・高崎線・東海道線)・E531系のグリーン車(常磐線)については東急車輌製造・川崎重工業で製造したものを使用しています。

東急車輌製造がJR東日本に事業譲渡・現在の総合車両製作所となってからもこの体制が継承されており、今回のE235系についてもグリーン車は横浜・普通車は新津という分業が採られたものと考えられます。

なお、全く同じ形式しか製造出来ない……というわけでもなく、他社向けの車両で基本設計が類似している車両は手掛けた例があります。

最近だと東急電鉄2020系・しなの鉄道SR1系、新津車両製作所時代には相鉄10000系・同11000系・小田急4000形・東京都交通局10-300形も製造されています。

出場したグリーン車を見る

全体として、従来のE217系と比べると帯の幅が変更されている印象です。

プレスリリース画像でも明らかになっているように、山手線向けのE235系と異なり、1000番台では従来車同様に横向きの帯デザイン・更にE231系までのドアに帯が入らないデザインとなっています。

グリーン車の外観としてはE217系から変化が少ないですが、半自動ドアスイッチ・フルカラーLEDとなっているほか、E233系で採用されたグリーン車1階部分の黒色も継承されています。

ファン目線では、従来までのE233系まで平屋・車端部側に設置されていた半自動ドアスイッチがドアの右側に揃えられた点がこの形式初の特徴となります。

外観からは見えないものの、普通列車グリーン車としては初めてのコンセント・Wi-Fi設置となっており、これを待ち望んでいたという利用者の方も多いのではないでしょうか。

4号車 サロE234-1001

久里浜側となる4号車です。

4号車がサロE234・5号車がサロE235と覚えやすいですね。

主要な構成はE217系に準じており、目立つ変更は少ない印象です。

5号車 サロE235-1001

千葉側となる5号車です。

気になる編成外観・内装はもう少し先のお楽しみ

今回落成した2両のグリーン車ですが、配置先となる路線をいったん貨物列車として通過、更に首都圏を北上して総合車両製作所新津事業所へ搬入されます。

その後、従来通りであれば新潟地区で公式試運転を実施したのち入籍、新潟車両センターへ入区後にJR東日本の列車として再度配置先に帰ってくる動きとなります(公式試運転=メーカーから鉄道事業者へ引き渡しのため、メーカー社員添乗で行う試運転)。

“電子レンジ”などと呼ばれる独特の前面形状がどういった雰囲気となるのか、試運転・営業運転開始はいつなのか気になるところですが、もう少し先の動きとなりそうです。

なお、以前報道では5月ごろ落成と言われていたものの、今回出場したグリーン車2両の新製表記≒編成での“納車”が2020年6月となっていることから、完成は6月までのお楽しみでしょうか。

新津についても工場内の撮影は出来ないものの、既に普通車が新津事業所内に居る姿を見ることが出来ます。

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