【スーパービュー】新型特急E261系投入で引退迫る251系・置き換え後の転用は?内部劣化が深刻?

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2020年に新型車両E261系が投入されることにより、251系については引退が確実視されています。

特殊な設計が自慢の車両ですが、引退後の転用はあるのでしょうか。

今回は251系電車の過去と未来をまとめました。

251系の歴史・登場当時

乗った時からそこは伊豆」をテーマコンセプトに開発され、1990年と1992年に2編成ずつ製造された観光特急「スーパービュー踊り子号」専用車両です。

伊豆急行が運転をはじめたリゾート21の影響・開発がバブル景気の終わりのころ・185系が特急としてはイマイチな出来栄えという背景から、随所にこだわり・工夫が凝らされた車両となっています。

登場当時はアジュールブルーフューチャーグレーの塗装で登場しました。

登場当初は臨時列車として伊豆以外にも各方面に使用されていました

ビュー日光号として藤沢~日光(復路は大船止)、ビュー草津号として上野~万座・鹿沢口、ビュー谷川号として上野~水上、デラックスビュー南房総号として新宿~千倉と各方面でも運転実績があり、この際には自由席が設定されたこともあります。

団体臨時列車では上越線・信越本線・白新線を経由して羽越本線村上駅まで、外房線安房鴨川駅まで入線したことがあります。

中央本線・武蔵野線・京葉線などにも入線した経歴があり、意外と様々な走行経歴を持っています。

リニューアルでイメージチェンジ

2002年からは車体の内外装どちらも大掛かりなリニューアルがされました

外装に関しては、飛雲ホワイトエメラルドグリーン・間にライトブルーの帯と改めて印象が大きく変わりました。

内装についても座席の交換が行われ、オーシャンブルーハイビスカスレッドのシートが号車ごとに交互となりました。

なお、このリニューアルまで9,10号車はグループ利用を目的としたボックスシートとなっていた関係で、現在も窓枠や荷棚の配置が座席とずれているほか、9号車の13A,B,C,D席や10号車の8C,D席など、異様に広い座席が設定されています(お子様連れの方にはおすすめです)。

展望席も1~4ABCDの計16席から1~3ABCDの12席と座席数が減らされ、広くなりました。

このコンパートメント廃止のリニューアルで湘南新宿ライナー、のちのホームライナー小田原おはようライナー新宿にも充当されるようになりました。

2007年からはグリーン車の内装リニューアルが施工され、展望席が1A,B,D・2A,B,D・3A,B,Dとあったものがこちらも減らされ、2列とすることでより広くなりました。

近年の動向

これ以降は大きな動きがありませんが、ダイヤ上としてはスーパービュー踊り子6,11号の臨時化(からのここ数年設定なし)、9,12号の設定頻度の低下など、踊り子号の減便とともに少しずつ運用が削られています

また、近年は251系の走行距離を抑えたいのか、スーパービュー踊り子6号のダイヤに185系をわざわざ下田まで送り込んで運転しています。

2013年の田町車両センター縮小で大宮総合車両センター東大宮支所に転属となり、車輪転削のために八高線の南古谷へ、上野東京ライン開通後は回送で上野駅地上ホームと上野東京ライン新設区間を走行する姿(SV5号送り込み)も見られるようになりました。

なお、我孫子発の踊り子号、大宮発上野東京ライン経由の踊り子号としては走行実績がありません

観光快速伊豆クレイル号運転開始でポスターなどで活躍する機会が減った一方で、根府川駅ではSV踊り子5号が伊豆クレイル下り列車を追い抜くというプライドを魅せてくれます

バリアフリーとハイデッカー

この列車では2階建て以外の号車も高床式=ハイデッカー車両として見晴らしを意識しています。

しかし近年では、車両のバリアフリー化推進から、法律上、新造・大規模な改造をする際にはバリアフリー法に則って製造する義務が出来ました。

小田急ロマンスカーでは、HiSEがハイデッカー構造が仇となり、先輩のLSEより先に引退となったことが有名ですね。

251系では、10号車お手洗いと9号車多目的室を車いす対応としていたことで、ぎりぎり乗り切れました

しかしながら、高齢社会の昨今、やはりご年配層からは批判も多いようです。

特殊な検札方式と車内サービス

スーパービュー踊り子号では、アテンダント5名が乗務しており、2,3,5,7,10号車の各乗車口にて検札が行われています

導入当初からつい最近まで東海道線では指定席・自由席問わずに全員検札をしていたので、車掌を通常の2人から1人とする代わりに、車掌業務を委託する形態がとられました。

観光列車で増えてきた方式ですが、肝心のJR東日本ではそこまで普及していません。

ビューアテンダントは当時、CAにも負けを取らない高収入の人気職種で、のちのアナウンサー・女子鉄として、伊豆急下田駅おもしろ駅長として活躍している小林佳華さんを輩出したことでも有名です。

現在でこそ通常の制服ですが、アテンダント用の制服もデビュー当時は専用のものを着用、のちに通常の制服となったものの、途中から採用がはじまった男性アテンダントではこの春までえんじ色の国鉄感のある専用の制服が使用されていました。

特筆すべき点として、現在もグリーン車サービスが継続されています。

これは上記の検札業務の都合上、アテンダント人数が減らせないことから維持されているものと思われますが、ドリンク・おしぼり・ブランケットといったサービスが現在も楽しめます

1号車1階にはグリーン車利用者専用のサロン室があり、2018年春まで車内調製のビーフカレーやしうまいなどもグリーン車限定で販売されていたほか、過去には前面展望の放映もされていたようです。

また、編成5号車には売店が、ワゴンが来れない10号車では現在ではアテンダントがたまに巡回して販売をしに来るようです(過去では全列車だったものの、春以降はあまり見かけません)。

現在でも樽生ビールの販売も行われていますが、2018年3月以降はグリーン車サロン室と5号車売店のみでの取り扱いとなっています。

2019年3月ダイヤ改正以降、車内販売メニュー削減対象となっています。

現在使用中のダイヤ

251運用【繁忙期特定土休日運転】~繁忙期は大宮発~

東大宮操ー回送-大宮ー9061M「SV踊り子1号」ー下田ー8004M「SV踊り子4号」ー東京ー回送ー東大宮操

251-1運用【その他土休日】~土日標準~

東大宮操ー回送ー新宿ー8061M「SV踊り子1号」ー下田ー8004M「SV踊り子4号」ー東京ー回送ー東大宮操

251-2運用【繁忙期特定土休日運転】~大宮発+9,12号~

東大宮操ー回送-大宮ー9061M「SV踊り子1号」ー下田ー8004M「SV踊り子4号」ー東京ー8009M「SV踊り子9号」ー下田ー9014M「SV踊り子12号」ー東京ー回送ー東大宮操

252運用【平日運転】

東大宮操ー回送ー上野ー回送ー尾久ー回送ー東京ー3005M「SV踊り子5号」ー下田ー3008M「SV踊り子8号」ー東京ー回送ー品川ー回送ー新鶴見信ー回送ー新宿ー3453M「ホームライナー小田原23号」ー小田原ー回送ー国府津

252-1運用【休日運転】

東大宮操ー回送ー上野ー回送ー尾久ー回送ー東京ー3005M「SV踊り子5号」ー下田ー3008M「SV踊り子8号」ー東京ー回送ー品川ー回送ー国府津

253運用【平日運転】

国府津ー回送ー小田原ー3456M「おはようライナー新宿26号」ー新宿ー3063M「SV踊り子3号」ー下田

253-1運用【休日運転】~土休日は池袋発~

国府津ー回送ー新宿ー回3163Mー池袋ー3063M「SV踊り子3号」ー下田

254運用

下田ー3002M「SV踊り子2号」ー東京ー3007M「SV踊り子7号」ー下田ー3060M「SV踊り子10号」ー池袋ー回3061Mー東大宮操

254-1運用【繁忙期特定土休日運転】~大宮行き~

下田ー3002M「SV踊り子2号」ー東京ー3007M「SV踊り子7号」ー下田ー9060M「SV踊り子10号」ー大宮ー回送ー東大宮操

251系の今後は?

251系は、スーパービュー踊り子号の廃止とともに引退となる公算が高いです。

特殊な構造ゆえに他線区での使用例も少ないだけでなく、編成の構造上、最短でも8両編成にしかできず、波動用としても期待が出来ません。

新造費用は相当かかっているでしょうから、もう少し使いたいところかと思いますが、問題はほかにもあります。

深刻な老朽化

特殊な車体・窓の構造が災いして、窓ガラスなどからの雨漏りが深刻なようです。

そして、夏場に賑わう路線としては致命的な冷房故障が近年頻発しています。

事前に発覚した車両故障時には185系が代走し、特急料金差額(A特急指定席料金ーB特急指定席料金)が返金されるなどの対応がとられています。

また、営業中に故障が発生した場合は、当該号車に着席していた旅客に特急料金全額払い戻しなどの対応がされています。

これが年に何回も発生しているのですから、JR東日本・伊豆急行にとっては痛手です。

また、踊り子号と異なり、車掌さんは原則1名乗務となっており、トラブル対応の遅れもあったり、代走時には予備番の車掌を手配する場合もあるようです(特急車掌1名化問題として別記事に掲載しています)。

直通列車ということで、会社間を跨いだトラブル・返金対応などの煩雑さを考えると、構造の単純さから派手な故障が起きない185系以上に扱いが面倒なのかもしれません

サフィール踊り子号などの新名称が出てきたり、E257系のためと思われる塗装試験が行われたりと、少しずつ動きが出てきました。

JR東日本管内では珍しい3列シートや、縮小されつつもなんとか維持されているグリーン車サービス、展望席、生ビールなど(2019年3月で廃止)魅力がたくさんある車両ですので、記録・乗車はお早めに!

動画資料集

YouTubeチャンネル【鉄道ファンの待合室資料館】にてこの列車についての動画を公開しています。

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コメント

  1. vamp46 より:

    老朽化というより、バリアフリーの影響なのか…?
    廃車にならなかっただけまだしも、HISEの二の舞にだけはなってほしくないんだけどな…。

    バリアフリー化法、正直鬱陶しい。
    いい電車が全部これのせいで泣きを見てる。
    これに影響されないで展望を楽しむ列車を作るには小田急ロマンスカーみたいな前面展望しかないのか…。
    しかし、あれだと座れる人の数も限られてくるしなー。