【元セントラルライナー】313系8000番台が静岡へ回送〜静岡車両区転属か

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JR東海では2022年3月5日に中央西線にて新型315系の営業運転を開始しており、これにより神領車両区を拠点に活躍していた313系にも転属の動きが続いています。

ダイヤ改正前日となった3月11日には、「セントラルライナー」用の車両として製造され、同列車運転終了後も普通・快速列車のほか「ホームライナー瑞浪」(みずなみ)で使用されていた313系8000番台に転属とみられる動きが発生しています。

利用が伸び悩んだ不運の車両

東海道本線を東に向かうB206編成+B204編成

「セントラルライナー」は1999年のダイヤ改正で新設された優等列車で、中央西線の名古屋〜中津川間を快速列車と比較して停車駅を絞り、着席整理制の列車として運転を開始した列車です。

この列車の使用車両として、同時期に製造されていた同線向けの313系1500番台と同等の機器構成としつつ、車体ラッピングや内装の仕様を大きく変更した8000番台が3両編成4本新造されました。

運転開始当初は利用を伸ばし、特急「しなの」用の383系や特急「伊那路」などの373系が応援をしていたものの、8000番台が追加で2編成投入されたことで解消しています。

中央西線の快速列車のうち中津川発着の列車を代替する毎時2本のうちの片方を置き換える格好で運転されており、同区間を乗り換えなく移動出来る列車が減少し不便を強いられるデメリットがありました。車両設備としてもシートピッチ拡大等はされているものの、普通・快速で使用されている313系と同様に転換クロスシートとされていました。

運転されていた当時は一部で“銭取られるライナー”などの蔑称も聞かれるほどで、2013年3月のダイヤ改正で運転を終了しています。

車両自体はその設備を活用して2008年から「ホームライナー」の運用にも進出しており、2022年3月改正まで普通・快速運用をこなしつつ「ホームライナー瑞浪」でも使用される設計通りの使途で活躍を続けてきました。

2022年3月5日の315系投入では、記事公開時点での211系の代替は国鉄時代製造の0番台2編成のみとなっており、一方で神領車両区に在籍していた313系のうち3両編成の1600番台が大垣車両区に転出・J160番台を名乗り2編成繋げた6両編成としてダイヤ改正を待たずに営業運転を開始しています。飯田線用として製造された1700番台についてもJ170番台として編成番号と所属が改められました。

8000番台については彼らの転出分を代走する形で関西本線や愛知環状鉄道直通列車にも充当されるなどイレギュラーな動きとなっていましたが、11日午後には「ホームライナー瑞浪」使用分4編成を残し、B204,B206編成の2本が神領車両区から中央西線〜名古屋〜東海道本線経由で静岡車両区に回送されています。

これにより、313系8000番台は静岡車両区へ転属することが確実視できるようになりました。この区分は前年に静岡車両区へ貸し出されていたほか、機器追加のために日本車輌製造へ入場するなどの動きがあり、この答え合わせが出来た格好となります。

211系の一部車両は神領出身のため、再会する格好に

3/12加筆;「ホームライナー瑞浪3号」で使用されたB202編成+B205編成も深夜帯に静岡車両区へ回送・ダイヤ改正の日跨ぎ時点で残されたB201編成+B204編成は「ホームライナー瑞浪5号」使用車両で、こちらも12日に浜松まで回送されました。

有料列車での活用は期待しにくい?

現時点で静岡車両区所属車両の運用される線区としては、東海道本線の熱海〜豊橋間・御殿場線・身延線です。

単純に考えればこれらの線区で活躍が期待されますが、ロングシートの在来編成とは運用が分離される可能性が高いと考えられます。従来も211系と313系は運用が分離されており、313系の中でもロングシート車とボックスシート車は別運用とされていました。

6編成全てが転入した場合、5運用程度の固定運用が組まれる展開が想像されます。また、この他にも転換クロスシート車両が転入する場合は、彼らとの共通運用となるかもしれません。

これらの事情と6編成という小所帯であることを考えると、顔を出す路線は限定的となりそうです。営業運転開始後のお楽しみでしょうか。

このほか、一部ファンからは373系の運用の一部を代替するのでは?という推測も聞かれます。

373系は14編成配置・13運用となっており、かつての「ムーンライトながら」定期列車運用時に比べると走行距離こそ縮んでいますが、それでも運用数については余裕が多いとは言えない体制でした。

一方で、2022年3月ダイヤ改正にて土休日のライナー運用が終了するほか、以前から373系には間合い運用として普通列車の定期運用が存在します。

373系と313系8000番台の経年差はそこまで大きくないこと、有料列車の快適性を落としてまで変更するメリットが多くないこと、315系の新造数と廃車対象車両の数を考えると、373系の代替には至らないという見方が有力でしょうか。

一方で、イベント列車での活用には期待が持てそうです。特にJR東日本長野支社には313系の運転経験を持つ乗務員も多く在籍していることから、飯田線や身延線からJR東日本管内への直通列車などの実現に期待したいところです。

鮮やかなオレンジ色が印象的な8000番台。車種のバリエーションが多くない静岡エリアではかなりの人気者となることは間違いありません。特徴的な車体装飾や車内設備は検査時などに改造されることも否定は出来ず、今後の活躍にも注目です。

2022年3月のダイヤ改正は“出会い”より“別れ”が目立つ寂しい内容となっており、313系8000番台も中央西線ユーザーにとっては賛否あれど印象的な車両であったことは間違いなく、別れを惜しむ声が多く聞かれます。また、ダイヤ改正前後に関西本線にも顔を出すなど、6編成の小所帯ながら最後まで話題が尽きない車両でした。

そして、特段話題が少なかった静岡エリアでは新たな顔が見られるようになり、嬉しい話題にもなっています。どのような運用体系となるかは明らかになっていませんが、富士山や茶畑、山岳線区など新たな景色を行く8000番台の活躍も今から楽しみです。

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記事内掲載写真は、フォロワーの殿堂入り金欠高校生M(/・ω・)/ 様(@super_nozomi)・

わっきぃ様(@mei_wky)より掲載許諾をいただいています。

コメント

  1. おっさんディーゼル より:

    こんにちは、
    転換クロスシート車がこのまま運用してくれればよいのですが、静岡支社は秋田支社や和歌山支社、大分支社と並んで通勤形電車を好む傾向があるので、あまり期待しないほうが良いかもしれません。