【関空特急はるか】JR西271系運用開始~ハローキティRP・一旦見納め

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JR西日本は3月14日のダイヤ改正で、関空特急「はるか」増結用271系の運用を開始しました。運用開始にあたり、271系は281系と同じく「ハローキティ」のラッピングになりました。

271系の概要とデビュー当日の模様をお伝えするとともに、昨今の状勢を踏まえた動きを併せてお伝えします。

271系と「はるか」の概要

271系は新大阪、京都方面と関西空港を結ぶ特急列車「はるか」に使われる特急型車両です。3月14日のダイヤ改正によりデビューしました。271系の外観は福知山線の特急「こうのとり」に使用される287系をベースにしていますが、車両塗装などのデザイン面は「はるか」の先輩にあたる281系を踏襲しています。

最高速度は281系と同じ130km/hです。車内は2列+2列の回転リクライニングシートを基本とし、全座席にはコンセントが設置されました。また4カ国語対応(日本語、英語、中国語、韓国語)の大型ディスプレイもあり、訪日観光客に対応した車両となっています。281系にも設置されている大型荷物スペースは客室内に移設され、セキュリティ面も向上した車両となっています。

2020年3月14日のダイヤ改正まで「はるか」はすべて281系で運行され、6両編成と9両編成が混在していました。今回のダイヤ改正では9両編成に統一され、不足分の増結車を補う目的で271系が製造されました。

製造両数は18両(3両×6編成)です。281系自体は中長期計画で置き換えが示唆されているものの、当面は281系6両編成に連結する形で活躍することとなります。

「ハローキティ」のラッピングになった271系

271系のデビューを見るために天王寺駅に行きました。当日はあいにくの天気ながら、271系のデビューを見守るために多数の鉄道ファンが集まっていました。15番線に京都から来た「はるか」25号が入線。関西空港方の前方3両が271系、後方6両が281系でした。

1月の試運転時にはなかった「ハローキティ」のラッピングが貼られていました。前面は281系よりも車高感があり、旧国鉄型特急485系を連想させます。

前面は貫通路を備えているため、271系同士の連結であれば地下線内の走行も可能です(281系と併結すると貫通不可)。

側面の行先表示機は大型化されており、くっきり見やすい表示になっていました。LED式ながら「はるか」の独特の字体もうまく表現されています。デザインは281系を踏襲しているため、「はるか」のロゴマークもあります。「完全な新車」というよりは「281系をグレードアップした車両」という感じですね。

271系の「ハローキティ」ラッピングは281系のものとは別デザインになっています。271系のラッピングのテーマは「Ougi(扇)」です。四つ葉のクローバーと花びらを散りばめており、やさしい色使いが特徴です。また、ところどころにポイントとして扇が描かれています。

281系に施されているラッピングと比べると、落ち着いた印象を持ちました。

外観だけでなく車内にもハローキティが描かれています。ぜひ、271系を撮影、乗車する際は新しい「ハローキティ」のデザインも楽しんでください。

「はるか」9両編成化の効果が見えるのはいつ?

このように華々しくデビューした271系ですが、実に残念な光景も目の当たりにしました。せっかく「はるか」9両編成化を実現したにも関わらず、その必要がないほどに車内は空いていました。

筆者が観察したところ、「はるか」25号関西空港行きの天王寺駅発車時点で271系の各車両に5人程度しか乗っていませんでした。原因は昨今の感染症による海外旅行客の大幅な減少です。

日中時間帯の「はるか」は並走する南海「ラピート」と異なり、天王寺~関西空港間はノンストップです。そのため、この時間帯に走る「はるか」の乗客は関西空港利用客に限られると思います。当分は閑古鳥が鳴く状態が続くのではないでしょうか。

一方、朝と夕方~夜間時間帯にかけては阪和線の和泉府中と日根野に停車します。9両編成化に伴い、座席数も従来の1.5倍となったので、各車両の人口密度は低くなると思います。空いた「はるか」で、より快適に通勤、通学ができることでしょう。

271系はすべての「はるか」に連結されているわけではない

271系は281系6両編成に連結されます。3月14日のダイヤ改正では281系に廃車が発生しなかったので、281系は基本編成の6両編成9本、付属編成の3両編成3本が在籍しています。そのため、281系のみで構成される9両編成も運行されるため、すべての「はるか」に271系が連結されるとは限りません。時刻表にも「はるか・・・全列車281系または271系+281系」と記載されています。

単純に考えると281系基本編成9本のうち6本が271系と連結するため、高確率で271系に出会えます。

なお、関空特急「はるか」の7~9号車は自由席となりますので、一般利用者のとって当たりの271系を狙った座席指定はできません。

始発駅から乗る場合などは関西空港方3両に乗車する方が“当たり車両”となります。割安な自由席の方が高品質……という列車も珍しいですね。

「はるか」の乗車にはJR西日本が販売しているトクトクきっぷ「はるか早得往復きっぷ」も便利です。

昨今の状勢で急遽6両化へ……

既に報じられているように、関西国際空港ならびに関空特急利用者が大幅に減少していることを受け、JR西日本では4月1日より関空特急“はるか”の全列車6両化を行うこととなりました。

新形式の開発・製造、そして入念な試運転を重ねてきたJR西日本。

今回のダイヤ改正の象徴的な列車ですが、記事公開日までのわずか18日の活躍でいつまでか分からぬ長期増結中止となります。

昨今の状勢を考えればやむを得ないところですが、JR西日本にとってはかなりの痛手であったことと推測できますね。

271系の真価が試されるその日まで、しばらくの辛抱が続きそうです。

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コメント

  1. おーは より:

    初日の25号て俺の乗ってたやつで草