2020年3月14日のダイヤ改正では新駅開業が相次ぎましたが、愛媛県ではこの時代に珍しい、貨物駅の開業がありました。
これを記念して、定期貨物列車へヘッドマーク掲出が行われています。
松山駅と予讃線貨物列車
予讃線には貨物列車が設定されており、伊予三島駅止まりのほか1往復のみ松山駅発着でコンテナ貨物列車が運行されています。
愛媛県のJRの拠点駅・松山駅では特急列車・普通列車の始終着駅に加えて車両基地の機能がありますが、少数ながら貨物列車の運行も実施されていました。
貨物駅併設のターミナル駅という体系は貨物列車削減・大規模拠点化などを背景に少なくなっていますが、歴史を遡れば国鉄のターミナル駅では多く見られた光景です。
松山駅の南西側にはEF65形が佇んでいる光景がよく見られましたが、このエリアがコンテナの積み下ろしをするエリアとなっていました。
現在、松山駅では連続立体交差事業・土地区画整理事業が進められており、松山駅を高架化・伊予鉄市内電車の延伸などが行われる計画です。
1日1往復という小所帯の貨物列車の存続が注目されていましたが、車両基地とともに宇和島駅方面に機能を移転・北伊予駅〜伊代横田駅へ貨物駅を建設することとなっていました。
本線から仕業線・留置線など13線を挟む用地のさらに横へ、コンテナホームと機回し線の2線が建設されています。
最終的な松山駅の高架化は2023年度末となる計画ですが、貨物列車は4年早い“お引っ越し”となりました。
スーパーライナーいよ・名前の由来は?
2020年3月のダイヤ改正において、松山貨物駅としてリニューアルオープンしました。
2月には完成式典なども実施され、盛り上がりを見せはじめています。
貨物列車では久々の新駅開業となり、松山貨物駅発着を中心とした四国直通の貨物列車の一部ではこれを記念したヘッドマークを掲出して運行されています。
ヘッドマークは往年のコンテナ貨物列車“スーパーライナー”をモチーフに、愛媛県ならではのオレンジ色のデザインで作成されています。
機関車の両側に“スーパーライナーいよ”・“スーパーライナー 松山貨物駅開業 祝”の2種類が掲出されています。
JR貨物では高速列車に“種別”が設定されており、最高速度によってA・B・Cの3種に分類されています。
“スーパーライナー”の愛称はこのうち高速貨物列車Aに付与された愛称ですが、民営化直後にはEF66形がこのヘッドマークを掲げて最高速度110km/hで走行しており、ダイヤも優先的に編成されていました。
今回のヘッドマークについても、この当時EF66形が掲げていたものをモチーフとしています。
撮影地では
3月25日には貨物更新色の2090号機が、28日には国鉄特急色となっているEF65 2067号機にヘッドマークが取り付けられ、75列車を含めた新鶴見機関区A23仕業へ登板しました。
特に関西圏の75列車では夕方の撮影しやすい時間帯に走行します。
沿線の撮影地には、珍しいヘッドマークの姿を収めようと多くのファンが訪れていました。
いわゆる“四国ループ”運用で一巡する間掲出されており、ヘッドマークを掲げたまま四国発着便の運用に充当されています。
当面は安泰だが……
貨物列車自体は新駅開業で向こう数年は安泰と言えそうです。
松山駅付近の高架化工事が完了すると、駅周辺を含めて大きな変化となる予定です。
往年の国鉄ターミナル駅の風情を色濃く残す現在の駅舎を見ることができるのも今のうちです。
また、今回のヘッドマークについても掲出期間などは一切予告されていないサプライズでしたので、いつまで実施されるかは気になるところですね。
新鶴見機関区A23-A26 通称“四国ループ”運用表 (準備中)
A23仕業(1日目)
単1487レ | 吹田タ | → | 大阪タ | |
75レ | 大阪タ | → | 吹田貨物 | |
75レ | 吹田貨物 | → | 高松タ | |
入替 | 高松タ | → |
A24仕業(2日目)
3073レ | 高松タ | → | 松山貨物 |
A25仕業(2日目〜3日目)
3072レ | 松山貨物 | → | 高松タ | 翌 |
A26仕業(3日目)
3072レ | 高松タ | → | 伊予三島 | |
入替 | 伊予三島 | |||
3078レ | 伊予三島 | → | 高松タ |
A26仕業(4日目)
74レ | 高松タ | → | 吹田タ |
到着後、同日のA23運用充当機へ付け替え
コメント