【209系関連?】リゾート21が下田停泊に!伊豆急行で12月16日に運用変更

スポンサーリンク

伊豆急行では、2021年12月16日より、定期列車の運用体系の見直しが実施されます。

時期的にもJR東日本の209系を購入していることとの関連が注目されます。車両運用の変化・見どころを深掘りします。

ひそかに発表された行先変更

故障により9両編成で救援回送された8000系(2021年10月)

伊豆急行(外部リンク)では、11月1日に「一部列車の行先変更について」として、1列車の直通が乗り換えになることが発表されています。

時刻表上の変更内容としては、伊東駅7:51発・伊豆急下田駅8:51着の627列車が伊豆高原から別仕立となり、伊豆高原駅以南が327列車となった1点のみです。一見すると単なる直通列車が乗り換えになることが示されているのみですが、掘り下げていくとかなり特異な変更であることが伺えます。

まず、伊東線〜伊豆急行線の普通列車の基本構成として、朝晩を中心とする伊東駅以南を3両とする列車は同駅で乗り換え・日中などの伊豆高原駅以南を3両とする列車は直通で増解結(一部のみ乗り換え)という構成です。

熱海駅から伊豆急下田駅を乗り通す場合に2回の乗り換えが必要となるダイヤは通常では設定されておらず(突発的な車両交換を除く)これは伊豆高原駅以南で8000系6両編成が日常的に設定されていた10年以上前からの基本構成を崩す特異な列車となりました。

これに加え、同時に公開されるリゾート21の運用表を眺めてみると、従来の運用体系を大きく変更しています。従来は8000系のみが担当していた早朝・夜間の列車の一部がリゾート21の運用となり、伊豆急下田駅での停泊が新設されていることが分かります。

伊豆急下田駅での停泊運用の設定はリゾート21が5編成体制だった2006年3月10日改正以降は設定されておらず、R-1,R-2編成が置き換えられてから現在まで、ダイヤ乱れ時にも車両交換で極力伊豆高原に戻すよう対応していたことを考えるとこちらも異例です。

今回の伊豆高原駅の乗り換えの設定は、8000系の一部運用を2100系に持ち替えることが狙いであることが読み取れます。8000系投入以降は一貫して減車・減便が続いており、軽微な修正ながら常識を覆す特異な変更が加わっていること読み取れます。

時期としては209系の導入との関連が注目されますが、今回の運用変更が209系用の運用が作られたようにも見えず、背景や今後の展開が気になるところです。

伊豆急のファンはもちろんですが、直通先のJR東日本・東急8000系のファンの方にとってもかなり興味深い変更と言えるのではないでしょうか。

なお、この変更との関連は不明ですが、時刻表・運用表外では2100系による代走(624レ〜621レ)も目撃されています。

リゾート21の新旧運用比較

特定日に見られる伊豆高原駅の2100系3並びは運用修正後も継続

従来のリゾート21の運用は、伊豆急時刻表でA運用・B運用と記述されているもので、A運用は検査時期を除いてリゾート21固定(時刻表にも記載)・B運用は8000系6両とともに運用(運用表のみで掲載)とされていました。

今回の運用変更によりリゾート21の運用が1泊2日となるため、基本的には黒船電車とキンメ電車が交互に運用されつつ、検査のタイミングで8000系が両運用を1日ずつ代走する格好となります。

時刻表上は旧来のA運用相当の列車にのみリゾート21の運用であることが示されていますが、実態とは少し異なる表記が続く状態です。

〜12/15 A運用

列車番号始発駅時刻終着駅時刻
5630M●高原7:17熱海8:03
5631M熱海8:26下田9:58
5642M下田10:16熱海11:58
5643M熱海12:24下田13:56
5656M下田14:41熱海16:18
5657M熱海16:33高原▲17:24
リゾート21(検査期間の一部日程を除く)

〜12/15 B運用

列車番号始発駅時刻終着駅時刻
5636M●高原9:05熱海9:57
5637M熱海10:10下田11:42
5648M下田12:16熱海14:10
5649M熱海14:29高原▲15:23
8000系6両またはリゾート21

12/16〜 A運用

従来のA運用に、8000系3両が担っていた夜間単独運用3列車を追加したものとなっています。

列車番号始発駅時刻終着駅時刻
5630M●高原7:17熱海8:03
5631M熱海8:26下田9:58
5642M下田10:16熱海11:58
5643M熱海12:24下田13:56
5656M下田14:41熱海16:18
5657M熱海16:33高原17:24
(直通)657高原17:28下田18:14
708下田18:50伊東20:04
667伊東20:26下田△21:40
リゾート21または8000系6両

12/16〜 B運用

従来のB運用に、8000系3両が担っていた2列車を追加したものとなっています。なお、従来の8000系の運用とは伊豆急下田駅での運用の繋がりが変わっているため、8000系についても運用が変更されているものとみられます。

列車番号始発駅時刻終着駅時刻
702◯下田5:39伊東6:41
627伊東7:51高原8:11
5636M高原9:05熱海9:57
5637M熱海10:10下田11:42
5648M下田12:16熱海14:10
5649M熱海14:29高原▲15:23
リゾート21または8000系6両

やはり考えたくなる209系との関連

伊豆急下田駅に疎開していた元C609編成(2021年7月)

今回の運用変更の背景が気になるところですが、209系が2022年春のダイヤ改正を待たずに運用入りするため……としては、運用変更後も引き続きリゾート運用・8000系運用ともにJR直通が絡んだままであることを考えると、この可能性は低そうです。

これまでの動向を考えると、編成の長いリゾート21を伊豆高原車両区内に留置することを避ける狙いが最初に思い浮かびます。

近日中に209系がもう1編成到着する(秋までに導入の報道があった)ことから、単純に1編成分のスペースが塞がることとなります。

2021年7月以降、従来は伊豆高原車両区内で2編成が留置される運用だったリゾート21のうち、翌日のリゾートA運用で使用される車両を前日時点で本線に留置する体制に変更しています。

伊豆高原駅では従来から3両2編成が駅停泊編成となっているため、この2編成を“縦列駐車”させる対応もしており、スペース捻出に苦慮している印象がありました。

これに加え、JR東日本から購入した209系を伊豆急下田駅へ疎開する・黒船電車のロイヤルボックス(いわゆるグリーン車)を線路が繋がっていない場所に線路を仮設して移動するなどの対応も採られています。

リゾート21の停泊を伊豆高原駅3番線留置に加えて1運用を伊豆急下田駅の停泊とすることで、車両区内の留置車両が2021年6月までと比較して11両減らすことが出来ます(14両減るも8000系3両が車両区留置となる)。これにより相殺することで、購入する209系10両の留置・改造場所を確保する……といった算段でしょうか。

このほか、209系デビューに向けた(車両や車掌の)運用整理・8000系の走行距離抑制や運用削減なども考えられます

具体的な経緯はまだ見えてきませんが、少なくとも8000系の老朽化と209系購入に付随した動きであることは想像に難くありません。

東急電鉄でも8500系淘汰が進められていますが、伊豆急行でも検査順序となるTB-3編成が長期運用離脱・前面行先表示器や増設クーラーなどの一部の部品が外された状態となっています。

既存の209系のカラーリング変更や2編成目の甲種輸送が注目されますが、既存形式の変化も追いかけていきたいところです。

THE ROYAL EXPRESS 甲種回送牽引車(2021年10月) 前回の209系は自走だったが、次は……?

関連記事

コメント