以前より注目されていた相模線の新型車両E131系500番台は、本日11月18日の1677Fより営業運転を開始しました。
これまでの動向を振り返りつつ、今後の注目ポイントをお伝えします。
E131系の落成からこれまで
相模線では、1991年の電化に合わせる形で新製車となる205系500番台を4両13編成投入しており、2021年で電化30年を迎えました。これまでこの13編成は他路線への転出・転入もなく活躍を続けてきました。
これまでも多くの路線の205系の代替が進められていましたが、2021年6月17日には相模線で活躍していた205系500番台と宇都宮エリアで活躍していた205系600番台について、置き換えが実施されることが明らかにされています。
7月12日には早速1編成目のG-01編成が総合車両製作所(J-TREC)新津事業所を出場し、新潟エリアで試運転を実施・16日に国府津車両センターへ配給輸送されました。
26日より東海道貨物線 国府津〜茅ケ崎間を3往復するダイヤを中心に性能確認が目的とみられる試運転が実施されました。相模線乗務員が所属する茅ヶ崎運輸区の乗務範囲である、茅ケ崎〜国府津間のみを走行するダイヤが特徴的でした。
9月17日より茅ケ崎〜海老名間を1往復する行程を皮切りに相模線での試運転も開始されており、かなりの高頻度で設定されていました。
前日の11月17日には、運用番号上は欠番となっている69Fに相当する国府津→茅ケ崎の定期回送3122MにG-01編成が充当されており、定期列車での運用はこれが初の事例となっていました。
1番列車の様子
既に配給輸送や試運転でその姿を見かけたことがある方も多いかと思いますが、相模線向けの500番台では前面ドット柄を波に見立てたほか、前面FRP部分が青色塗装とされている点が特徴的です。
相模線の電車としては行き先表示器・車内案内表示器・自動放送などが一気に進化しており、ファン層以外の利用者から見ても大幅な進化を遂げていることが一目瞭然な車両です。
1番列車となった1677F列車に充当されたのは、国府津車両センター所属のE131系500番台 G-01編成4両です。
11月18日より営業運転を開始することが以前より示されており、1番列車がどの運用となるかが注目されていましたが、大方の予想通り日中に茅ケ崎留置となる運用の午後出庫からの充当となりました。
トップナンバーのG-01編成が運用されていますが、JR東日本以外の会社を含め、新聞やテレビなどの報道に多く露出する1番列車にはトップナンバー編成を充当する傾向です。
今後は国府津車両センターに入出庫する定期回送を中心に車両の入れ替えが進められることとなりそうです。
デビュー日なのに試運転継続中!?
18日にはこのほかにも、G-02編成を使用した乗務員訓練目的とみられる試運転が行われています。9月から実施されている試運転と時刻・経路は同様ですが、営業運転前日や当日まで試運転を行なっている事例は比較的珍しい印象です。
通常の乗務員訓練で設定される列車本数にしてはかなり数が多く、ほぼ毎日実施されている点が印象的です。特に茅ヶ崎運輸区は相模線列車と国府津車両センター入出庫のみを担当する比較的小さな乗務員区所となっており、乗務員数に対する設定回数の多さが目立ちます。
E131系500番台は中編成ワンマン運転を想定した安全確認カメラが搭載されており、ワンマン運転関連の訓練も併せて行われているのかもしれません。
過去の水戸線ワンマン化の乗務員訓練では、運転士1人につき水戸〜小山の1往復で養成していることが労組資料で示されていましたが、既存の試1091F〜試1190Fの1往復は距離が非常に短いため、1人あたり複数回数行なっていることが想像できます。
車両運用面でも、この1往復は平日・土休日ともに定期運用間合いで設定することが可能な構成となっており、E131系がデビューした後も継続して使用される可能性が高そうです。
相模線のワンマン化はデビュー時点で実施されないことのみが示されていますが、乗務員の異動も発生することから、2022年3月改正のタイミングで実施される可能性が高そうです。
このほか、ダイヤ改正までツーマン運転であっても先行的にドア扱いなどの車掌業務を運転士の担当に切り替える……といった対応を採ることも考えられます。これであれば205系の置き換えが済んだタイミング(1月以降)で開始可能で、より余裕を持ったスケジュールで実施可能です。
他路線の事例から行き先表示もワンマン運転用のものが用意されている可能性が高く、205系との離合シーンとともに、ツーマン運転をする姿・現行の行き先表示での記録もしておきたい車両です。
最後まで残りそうな205系R1,R2編成
現時点でE131系500番台は12編成中9編成の落成に留まっており、全編成が営業運転入りをしたとしても、ごく短期間ながら205系とE131系の共存が見られることとなります。
既にG-10編成は近日中の出場が見込まれる状態です。一方で、G-11編成・G-12編成についてはモニタリング装置搭載の580番台とされており、設計や機器配置が少し異なります。
東急電鉄向け2020系が先に製造されている姿が目撃されていることなどを加味すると、少しだけ期間が開くことが想像できる状態です。
相模線の205系のうち、R1編成とR2編成は2021年に定期検査を施工したばかりとなっており、単純に考えればこの両編成が最後まで活躍する車両となりそうです。特にR1編成は相模線100周年ヘッドマークを掲出しており、これまでも有料撮影会などのイベントで展示されていました。
置き換え自体は12月または1月に完遂出来そうな状態ですが、ダイヤ改正まで予備車を配置するのかも注目されます。相模線の旅客運用は平日・土休日ともに11運用ですが、運用番号として欠番となっている69Fに相当する国府津→茅ケ崎の定期回送が1運用分設定されており、事実上は12運用構成です。
運用上は支障がないものと考えられますが、新製車両では初期不良のようなトラブルは付きものですので、最長でダイヤ改正で運用が修正されるまで予備車として運用可能な状態が維持されるかもしれません。
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記事内掲載写真は、フォロワーの湘南ふぉと様(Twitter・Instagram)・Nabazu様(Twitter)より掲載許諾を頂いています。
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