
伊豆急行では2021年にJR東日本209系2200番台2編成10両を譲受し、このうち8両が3000系として営業運転に向けた準備が進められています。
事前に発表されている「アロハ電車」の装飾を終え、4月1日に報道公開を兼ねた見学会が開催されています。
209系譲受とこれまで
伊豆急行では2021年度、JR東日本の千葉エリア各線で活躍していた209系2100番台を2編成10両譲受しており、このうち8両を3000系としてデビューに向けた整備が進められています。
譲受後はしばらく伊豆急下田駅で留置されたのち、これまで整備が続けられてきました。
房総カラーである菜の花と海をイメージしたカラーリングが剥がされて“無ラッピング”状態で撮影会や試運転などが進められていましたが、スカートが赤と青に塗装された状態で3月3日より試運転が行われ、翌4日に「アロハ電車」としてデザインが公表されました。
・伊豆急行3000系のこれまでの動きと今後の予定
7月6日 〜7月7日 | 元C609編成 6両 幕張→伊東 甲種輸送 |
7月7日 | 元C609編成 6両 伊東→伊豆高原 回送 |
7月25日 〜7月26日 | 元C609編成 6両 伊豆高原→伊豆急下田 回送 |
8月28日 〜8月29日 | 元C609編成 6両 伊豆急下田→伊豆高原 回送 |
9月8日 | 元C609編成 4,5号車 編成から外される |
11月23日 〜11月24日 | 元C601編成 4両 幕張→伊東 甲種輸送 |
11月24日 | 元C601編成 4両 伊東→伊豆高原 8000系牽引 |
12月11日 | 元C601編成 4両 ・元C609編成 4両 展示イベントで形式発表 |
1月28日 〜1月30日 | 元C609編成 4両 南伊東〜伊豆急下田 試運転 |
3月3日 〜3月4日 | 元C601編成 4両 ・元C609編成 4両 南伊東〜伊豆急下田 試運転 |
3月4日 | アロハ電車 デザイン発表 |
3月23日 | Y1+Y2編成 8両 伊豆高原〜伊豆急下田 試運転 |
4月1日 | Y1+Y2編成 8両 見学会(伊豆高原・伊豆急下田) 臨時回送 伊豆高原〜伊豆急下田 |
4月3日 | Y1+Y2編成 8両 撮影会(伊豆高原) |
4月29日 | Y1+Y2編成 8両 試乗会&撮影会 団臨 伊豆高原〜伊豆急下田 |
4月30日 | デビュー予定 |
ラッピングされた伊豆急3000系を見る

見学会は伊豆高原駅3番線・伊豆急下田駅1番線にて実施されています。通常は定期列車も使用するホームとなっており、実施時間中は定期列車の着発線変更も実施されていました。

見学会についても3000系2編成を併結した8両で実施されています。事前発表のイメージ画像の通り、下田側前面と海側(東側)側面が赤・熱海側前面と山側(西側)側面が青となっています。
ハワイ語でウミガメを表す「ホヌ」柄のラッピングで、なかなかインパクトのある仕上がりです。

内装については先頭車・中間車ともに209系時代のものを踏襲していますが、ドアにラッピングが施されているほか、車内掲示類が一新されています。

趣味的な目線では、これまでベールに包まれていた車号や編成番号が明らかになりました。
元C609編成がY1編成・元C601編成がY2編成となり、Y2編成が1〜4号車・Y1編成が5〜8号車とされています。単独運用も想定されているようですが、連結順序は基本的に変わらないことが予想されます。
車号としては熱海側からクハ3000-モハ3100-モハ3200-クハ3050となっており、編成向きが違うものの8000系登場時の4両編成に倣った規則となっています。

行先表示は最小限の収録内容です。これまでの動向からツーマン運転が前提であることは明らかでしたが、やはりワンマン表示の収録はありませんでした。
伊豆急3000系 編成表
5号車 | 6号車 | 7号車 | 8号車(熱海側) | ||
ウラ47 マリC609 →Y1 | クハ208-48 クハ208-2109 → クハ3051 | モハ208-96 モハ208-2118 → モハ3201 | モハ209-96 モハ209-2118 → モハ3101 | クハ209-48 クハ209-2109 → クハ3001 | 新津製 |
1号車(下田側) | 2号車 | 3号車 | 4号車 | ||
ウラ25 マリC601 →Y2 | クハ208-26 クハ208-2101 → クハ3052 | モハ208-52 モハ208-2102 → モハ3202 | モハ209-52 モハ209-2102 → モハ3102 | クハ209-26 クハ209-2101 → クハ3002 | 東急製 |
各形式概説
・クハ3050 (1,5号車)

下田側先頭車で、JR東日本時代はクハ208形でした。
・モハ3200 (2,6号車)

電動車ユニットのうちパンタグラフが無い側の中間車で、JR東日本時代はモハ208形でした。
京浜東北線から房総エリアへの転用時にトイレ設置改造を受けた車両です。
・モハ3100 (3,7号車)

電動車ユニットのうちパンタグラフ搭載側の中間車で、JR東日本時代はモハ209形でした。
・クハ3000 (4,8号車)

熱海側先頭車で、JR東日本時代はクハ209形でした。
本線上も走行!

今回の見学会は2駅で1日に実施されたため、伊豆高原駅での実施後すぐに伊豆急下田駅まで回送されています。
車体装飾後は本線上を初走行となっており、これまでの動きは試運転とされていたため回送表示での日中走行も初となりました。
伊豆急下田駅での展示後は再び伊豆高原へ回送されています。

コメント