JR東日本では長期不通が続く東北新幹線について、郡山〜福島間を4月2日・仙台〜一ノ関間を4日より運転再開すると公表しました。
引き続き福島〜仙台駅間には臨時快速列車が運行される計画も示されているほか、新たなE653系が送り込まれています。
福島〜仙台間で9往復の臨時快速
JR東日本では2022年3月16日の福島県沖を震源とする地震により、南東北エリアを中心に被害が発生しており、東北新幹線を中心に大きな被害が発生しています。
東北新幹線では「やまびこ223号」が脱線したほか、架線柱・軌道・土木構造物や駅構内に損傷が発生するなど長期化が避けられない状態です。
3月22日より東北新幹線の不通区間のうち那須塩原駅〜郡山駅間と一ノ関駅〜盛岡駅間の運転が再開され、22日からは郡山駅〜仙台駅間がE653系新潟車・勝田車により6往復・仙台駅〜一ノ関駅間で701系盛岡車・キハ110系小牛田車により3.5往復の体制で運転されています。
24日には常磐線の不通区間が徐行運転で再開し、仙台駅発着の「ひたち」3往復が原ノ町駅以南特急・以北は臨時快速の臨時ダイヤで運転されています。同区間ではいわき駅発着の「ひたち」1往復もいわき駅以北臨時快速として加わっており、4往復が乗り換えなく東京と仙台を行き来できるようになっています。
4月2日には東北新幹線の郡山駅〜福島駅間が、4日から仙台駅〜一ノ関駅間がそれぞれ再開する計画で、これにより残される不通区間は福島駅〜仙台駅間のみとなります。
2日以降のダイヤは30日に公開され(外部PDF)、運転本数増加が見て取れます。山形新幹線が通しで運転されるようになり、本来の使いやすさに戻ることとなります。
福島駅〜仙台駅間では引き続き臨時快速列車が設定されており、9往復体制が組まれています。これまで運転されていた東北本線・常磐線ルートは週末を中心にかなり混雑していたため、改善が期待されます。
参考:仙台以南臨時快速 過去事例との比較
・下り列車
2022年 4/2〜 | 2022年 4/2〜 | 2022年 4/2〜 | 2022年 4/2〜 | 2022年 4/2〜 | 2022年 4/2〜 | 2022年 4/2〜 | 2022年 4/2〜 | 2022年 4/2〜 | 2022年 3/23 -4/1 | 2022年 3/23 -4/1 | 2022年 3/23 -4/1 | 2022年 3/23 -4/1 | 2022年 3/23 -4/1 | 2022年 3/23 -4/1 | 2022年 3/19-21 | 2022年 3/19-21 | 2021年 2月 | 2021年 2月 | |
那須塩原 発 | 10:20 | 19:28 | 11:00 | 18:47 | |||||||||||||||
新白河 発 | 11:02 | 19:58 | 11:25 | 19:13 | |||||||||||||||
郡山 発 | 8:13 | 8:56 | 14:17 | 16:53 | 19:02 | 21:11 | 11:37 | 20:40 | 11:56 | 19:45 | |||||||||
福島 発 | 8:26 | 10:08 | 11:37 | 13:21 | 15:10 | 17:23 | 18:32 | 20:22 | 22:22 | 8:56 | 9:33 | 14:52 | 17:30 | 19:40 | 21:51 | 12:13 | 21:23 | 12:32 | 20:21 |
白石 発 | 8:55 | 10:36 | 12:06 | 13:50 | 15:39 | 17:54 | 19:06 | 20:52 | 22:53 | 9:26 | 10:04 | 15:19 | 17:57 | 20:10 | 22:18 | 12:40 | 21:51 | 12:59 | 20:48 |
仙台 着 | 9:32 | 11:18 | 12:48 | 14:29 | 16:25 | 18:38 | 19:52 | 21:32 | 23:31 | 10:03 | 10:41 | 15:59 | 18:38 | 20:47 | 22:51 | 13:18 | 22:24 | 13:32 | 21:25 |
・上り列車
2022年 4/2〜 | 2022年 4/2〜 | 2022年 4/2〜 | 2022年 4/2〜 | 2022年 4/2〜 | 2022年 4/2〜 | 2022年 4/2〜 | 2022年 4/2〜 | 2022年 4/2〜 | 2022年 3/23 -4/1 | 2022年 3/23 -4/1 | 2022年 3/23 -4/1 | 2022年 3/23 -4/1 | 2022年 3/23 -4/1 | 2022年 3/23 -4/1 | 2022年 3/19-21 | 2022年 3/19-21 | 2021年 2月 | 2021年 2月 | |
仙台 発 | 5:56 | 6:57 | 9:53 | 11:57 | 13:46 | 14:57 | 16:45 | 18:53 | 20:26 | 5:52 | 6:57 | 11:56 | 14:56 | 16:55 | 18:54 | 6:57 | 14:56 | 6:58 | 14:36 |
白石 発 | 6:37 | 7:40 | 10:39 | 12:34 | 14:28 | 15:34 | 17:25 | 19:35 | 21:06 | 6:29 | 7:38 | 12:35 | 15:53 | 17:34 | 19:34 | 7:39 | 15:33 | 7:39 | 15:18 |
福島 着 発 | 7:07 = | 8:11 = | 11:07 = | 13:04 = | 14:56 = | 16:04 = | 17:52 = | 20:05 = | 21:35 = | 7:00 | 8:06 | 13:04 | 16:05 | 18:06 | 20:04 | 8:07 | 16:05 | 8:08 | 15:47 |
郡山 着 発 | 7:39 = | 8:41 = | 13:40 = | 16:41 = | 18:41 = | 20:46 = | 8:45 | 16:55 | 8:45 | 16:24 | |||||||||
新白河 発 | 9:15 | 17:36 | 9:17 | 16:54 | |||||||||||||||
那須塩原 着 | 9:41 | 18:04 | 9:42 | 17:19 |
「高田お花見号」代走で決着か
2022年3月のダイヤ改正では、新潟車両センター所属のE653系の運用数は7両編成が4運用・4両編成が3運用とされているものとみられますが、今回の「いなほ5号」「いなほ10号」の延長は「いなほ3号」「いなほ10号」に「しらゆき」用4両編成充当から7両編成への増強がセットで実施される体系です。
そのため、東北新幹線全線復旧を示しているとみられる「当面の間」は新潟エリアでの所要数は7両編成5運用・4両編成2運用状態がしばらく続いています。
これまで2編成体制で運転されているE653系使用の臨時快速列車ですが、これに加えて4月以降は週末にE653系を使用する臨時運用が設けられており、対処が注目されていました。
30日発表の新しい時刻表では、臨時快速列車についても引き続き2編成が必要なダイヤとされています。
4月2日・3日・9日は新潟車・勝田車それぞれに1運用の臨時列車が計画されており、これまで同様に臨時列車を福島〜仙台間で運用するには8編成の7両編成が全車稼働しても数が不足する状態でした。
以前から発売保留となっていた4月9日運転予定だった特急「宮城・福島花めぐり号」に加え、3月29日には4月2日・3日運転予定の快速「高田お花見号」について編成変更が発表されています(外部PDF)。
両日の臨時快速「高田お花見号」の1号車グリーン車と3,4号車の指定席が新たに発売保留となっていることが券売機やえきねっと等のオンライン予約システムからも確認できます。
一方で、9日,10日の同列車については同様に1号車のグリーン車と3,4号車の普通車の発売保留がされているものの、記事公開時点では7両編成のままです。
31日には新潟車両センターからU-101編成が新たに仙台へ向かっており、2日・3日の特急「いわき」は計画通り勝田車での運行・少なくとも両日は新潟車2編成体制で臨時快速列車が運転されることとなりそうです。
単純に新潟車を特急いわき号に充てれば臨時回送も最小限に抑えられそうでしたが、そのような処置とはなりませんでした。観光需要創出目的の臨時列車では販促品・横断幕・ポスターなどに力を入れている列車も多く、国鉄色編成を充てたい意向がありそうです。
現時点での発売状況から考えると、来週末までには勝田車が仙台に再び向かって新潟車が帰還、再来週末までには再度新潟車が仙台に向かって勝田車が帰還……と、毎週車両の入れ替えを行うハードスケジュールが予想されます。
運転日 | 列車名 | 区間 | 車両 | 対処 |
4月2日 4月3日 | 特急 いわき | 八王子〜いわき | 勝田車 7両 | |
4月2日 4月3日 4月9日 4月10日 | 快速 高田お花見号 | 新潟〜高田 | 新潟車 7両 | 4/2,3 4両編成に 4/9,10 →未定か |
4月9日 | 特急 宮城・福島花めぐり号 | 水戸〜福島 岩沼経由 | 勝田車 7両 | 発売保留 →運休か |
4月16日 4月17日 | 特急 青の絶景ネモフィラ号 | 大宮〜勝田 | 勝田車 7両 |
9日と10日については未定と読み取れる状態で、苦労が垣間見られます。
復旧工事の進行とともに変わる運転状況に対処しつつ、打てる手が限られるなか最大限の輸送力を確保している姿には感銘を受けます。
前年に続き“借り物競走”状態で凌いでいますが、仙台・福島エリアでは以前から701系・E721系に余裕が極めて少ない状態が続いていることが背景に挙げられます。
今回は水戸支社・新潟支社がお花見シーズンの臨時列車を縮小して捻出している状態で、多少なりとも他エリアの利用者へ影響を与える格好です。また、近い将来には485系が置き換えられた際には更に自由度が下がることとなりそうです。
中長期的には仙台支社の一般形を増強する・波動用車を再配置する・E657系の入線可能区間を増やすなど、何らかの改善に期待したいところです。
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・2021年地震に関連した動き
・E653系の運用変化
コメント
新幹線もいいが、在来線快速列車すごくイイね。旅という時空間に癒やされる。