2020年(令和2年)の常磐線全線復旧を前に、明るいニュースで盛り上がっています。
全線復旧に合わせて特急列車の運行が行われることとなり、しかも都心からの乗り入れ復活となり、大きな話題となっています。
今回のニュースの見どころをまとめました。
常磐線全線復旧・復興の架け橋として復活
2011年(平成23年)3月11日に発生した東日本大震災では、海沿いを走る常磐線大きな被害を与えました。
追い打ちをかけるように、東京電力福島第一原子力発電所の問題が発生、それ以来常磐線はバス代行輸送を行いながら、少しずつ復旧・運行範囲を伸ばしています。
一部の普通列車では651系付属編成が運用されており、地元民や鉄道ファンに愛されていた車両での運行となり大きな注目を集めています。
今回は、2019年度末に原発事故での帰宅困難区域のうち、特定復興再生拠点区域の一部が避難指示解除となることにあわせ、沿線・JRの悲願であった常磐線の全線復旧が行われることとなりました。
震災・原発事故によって今も爪痕が多く残っている沿線自治体からは、全線復旧の際には都心直通特急復活の声が上がっており、JR東日本側もこれに応える形で運行実現となります。
なお、名称・料金・運行本数等については今後発表となります。
震災前はいわき駅~仙台駅の特急として計画
常磐線特急では、従来から速達タイプのスーパーひたち号の一部が仙台直通となっていましたが、E657系では従来の7両編成と4両編成を組み合わせた運用体系から、10両固定編成に統一することとなりました。
輸送量の少ないいわき駅以北への乗り入れ運用については、従来のE653系を使用して、2012年度末より新しい特急列車が計画されており、愛称の募集まで行われていました。
東日本大震災での長期間運行休止とともに、使用予定だったE653系の4両付属編成はすべて特急しらゆき号新設に使用されることとなり、震災復旧後の特急運転についてはさまざまな憶測がありました。
使用車両はE657系
今回の特急列車運行にあわせて、E657系・10両2編成の増備が報道されています。
E657系では、将来的に4両付属編成を製造しての運用も想定されており、そのため、仙台側の先頭車では電気連結器を設置できるようスカートに切り欠きがあるのが特徴となっていました。
今回の運行の当初報道を聞いた利用者からは、4両編成製造による混雑便増強を兼ねる形への期待もありましたが、10両編成での直通という形に落ち着いたようですね。
電気連結器の準備工事を生かす機会を失ってしまいましたので、今後も当面はそのまま運用されるものと思われます。
(さらに初期車では一体型だったスカートは、翌年度からは破損対策で分割構造となっており、合計4種類の形状が存在します。サムネイル画像に使用した画像は分割式の上野側、記事内の画像は一体型の仙台側です。)
新しい特急の見どころは?
今回の発表では、やはり復興促進という面から沿線自治体から大きな要望としてあった都心からの直通という形式に拘った点が特徴的でしょう。
震災前の計画では、E657系の投入により、いわき駅での分断・運用効率化も目的の1つでした。
そのE657系が仙台駅直通に充てられることになったので、まさに事実は小説より奇なりといったところですね。
また、スーパーひたち号時代は4両編成(原ノ町駅発着のみ7両・11両)が定期運用でしたので、10両編成という長編成で仙台駅への定期運用が生まれる点は大きな特徴と言えるでしょう。
なお、震災前から貨物列車以外の長編成は久しく運用されていなかったため、新地駅などでホーム延伸工事が行われていることがプレスリリース発表前から話題となっていました。
品川駅~仙台駅の直通運転が実施された場合、上野発時代に6.8kmが加わった373.9kmとなり、「本州の」「電車」在来線特急で最長距離の列車となります。
長距離特急は縮小・削減が続いてきたこの時代に、長距離運転復活は乗り鉄の方を中心に大きなイベントとなりそうです。
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写真紹介
今回の画像はTwitterフォロワー様おふたりからご提供いただきました。
末筆ながらお礼申し上げます。
サムネイル写真:ご注文はEF81ですね?様(@209keikeyo34)
記事内写真:伊達巻き様(@NnT46SB)
コメント
大阪発着「しなの」廃止後の在来線最長特急は、博多~宮崎空港間の「にちりんシーガイア」が413.1kmで最長なんですけど…。
2位が札幌~稚内間の「宗谷」の396.2km、3位が鳥取~新山口間の「スーパーおき」の378.1kmです。
なので、在来線最長どころかTOP3にすら入れないわけで、タイトルが完全に破綻しているわけです。
タイトル書き換えないと、冗談抜きで嘘の記事になりますよ。
R10様
閲覧・コメントありがとうございます。
同様のご指摘を多数頂きました。ありがとうございます。
記事に訂正を入れさせて頂きました。