【JR東】難工事の伊東線・全線開業80周年!伊東線の歴史と未来

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2018年12月15日、伊東線は80周年を迎えました。

1938年(昭和13年)12月15日に網代駅〜伊東駅間が延伸・全線開業してから明日でちょうど80周年となります。

1961年(昭和36年)開業の伊豆急行線とともに、伊豆観光のメインルートとして、地域の足として、今後の活躍に期待が高まる同線の歴史と未来をまとめました。

伊東線の歴史〜難工事の末に開業

伊東線は1935年(昭和10年)に熱海駅~網代駅が先行開業となっています。

現在でこそ伊東線は熱海駅1番線発着ですが、開業当初は現在の4,5番線の島の4番線よりの細いホームから運行される形がしばらくとられていました。

伊豆観光需要増加に合わせて現在の1番線の建設・新東海道線用のトンネル掘削が行われ、従来の複線トンネルを伊東線が活用する形となっています。

これが現在も熱海駅~来宮駅間が東海道線・伊東線の複線並列という線形につながりました。

現在でも、熱海駅のホームをまっすぐ進めば伊東線側のトンネルにつながるところを大きく北側に反れる線形となっていて当時の名残を垣間見れます。

網代駅以南の延伸には網代駅~宇佐美駅間の峠を貫通するトンネルの建設が必要でした。

しかし、伊豆半島はご存知の通り温泉地域ですので、地盤も温泉余土という軟弱・湧き水も出てきてしまうトンネル工事に不向きな地盤でした。

このトンネル工事は東海道線の丹那トンネルに匹敵するほどの難工事であり、12名もの尊い犠牲もありながら、6年9か月もの期間を経て完成しています。

踊り子号の右手が旧宇佐美トンネル

伊豆観光がにぎわっていた昭和40年代~50年代には、伊東線の輸送力向上のために伊東線の全線複線化が計画され、難工事となるであろう新宇佐美トンネルが先行して掘削されました。

その後の顛末はおなじみの国鉄の財政悪化によるとん挫ですが、下り線になる予定であった新宇佐美トンネルを活用する形となり、1986年(昭和61年)より現在まで使用されています。

現在でも網代駅から複線化を検討していたころのままの姿の旧トンネルが見られるほか、地図上で大きく迂回している国道135号線と新宇佐美トンネルの対比が特徴的な区間です。

伊東線の起点は熱海駅?来宮駅?

来宮駅ホームから見えるところにゼロキロポストが設置されています。

しかしながら、熱海駅~来宮駅間は東海道線と伊東線の重複区間として扱われています。

これにより、伊東線は電車の運行形態と同じ熱海駅~伊東駅の16.9kmが正解です。

多彩な車両が毎日行き来する伊東線の現在と未来

特急踊り子号の運転開始以来、スーパービュー踊り子号・リゾート21などが看板列車でしたが、近年では成田エクスプレス用E259系を使用したマリンエクスプレス踊り子号、そして伊豆クレイルやTHE ROYAL EXPRESSといった観光列車も登場してきました。

また、従来より団体臨時列車の入線もあり、お座敷列車の入線はもちろん、下田・須崎の御用邸があるために天皇陛下お召し列車・御乗用列車なども多数運転されてきました。

現在でも251系・185系各1編成に防弾ガラス編成が用意されており、毎年夏、運行されています(2018年は運転なし?)。

また、4年に1回程度お召し列車編成にて御乗用列車もあり、こちらは特に注目が集まります。

踊り子号系統は2020年度末ごろにE257系と、E261系「サフィール踊り子号」(正式発表ではない)に置き換えが予定されています。

また、リゾート21の老朽化も心配で、今年の夏には稼ぎ時にもかかわらず、冷房の効きが悪いために朝ラッシュの1往復以外は8000系での代走が行われていました。

今後数年で走行列車も様変わりしていくことでしょう。

現在定期で乗り入れる車両

【普通】E231系小山車・国府津車

【普通】E233系小山車・国府津車

【普通】伊豆急8000系

【普通】伊豆急2100系 キンメトレイン・黒船電車

【特急】185系「踊り子号」

【特急】251系「スーパービュー踊り子号」

現在臨時で乗り入れる車両

【快速】651系「伊豆クレイル号」

【特急】E259系「マリンエクスプレス踊り子号」

【団体臨時】伊豆急2100系「THE ROYAL EXPRESS」

【団体臨時】185系波動用編成・485系波動用車・E655系 ほか

【工事用臨時・臨時貨物】EF65型電気機関車 ほか貨車

今後の乗り入れ予定車両

【特急】E257系「踊り子号」

【特急】E261系「サフィール踊り子号」(正式名称未発表)

動画資料集

YouTubeチャンネル【鉄道ファンの待合室資料館】にて伊東線についての動画を公開しています。チャンネル登録・コメント・評価もお願いします。

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コメント

  1. 371系あさぎり より:

    伊東線とは関係ないですが、東海道線の熱海以西乗り入れ廃止して欲しいです。
    沼津から熱海に帰るとき終電が早過ぎて自治体からも苦情が出るレベルです。
    静岡県に10両は輸送力過剰なので、沼津に来ないで国府津にお帰り願いたいのですが。

    もうすぐ相鉄・JR直通線や踊り子関連でダイヤが改正されると思いますが、てこ入れされるでしょうか?
    基本的にJRは会社を跨ぐ直通は縮小傾向ですよね。

    • ときぱて より:

      371系あさぎり様

      閲覧・コメントありがとうございます。
      JR東・JR東海間の直通需要がそれなりにあることと、JR東的には夜間停泊の費用を払ってでも沼津停泊をしないといけない状況にあることが原因かと思います。
      あとは、しなの号や塩尻~松本の普通列車乗り入れ分の清算も絡んでいるとかいないとか、いずれにせよしぶとく残ってますね。

      JR東海さんが沼津直通を置き換えたとしても熱海~沼津の短区間列車が増えるだけというオチもありそうです(両数を減らしても乗務員は減らない・輸送力のための10両編成ではない)。
      何らかのテコ入れはほしいところですが、残念ながら当面は現状が維持されるのではないかとも思います。

  2. 371系あさぎり より:

    >JR東的には夜間停泊の費用を払ってでも沼津停泊をしないといけない状況
    上野東京ラインの開業で余裕が無くなってしまったんでしょうか。上野東京ライン開業時にも整理されませんでした。

    深夜は直通列車の影響で熱海方面の終電が早いわりに、早朝は逆にわざわざ列車を熱海に送り込んでいるんですよね。夜も沼津に入庫するなら夕方ごろすればいいのにとは思います。

    >しなの号や塩尻~松本の普通列車乗り入れ分の清算も絡んでいる
    そこらへんの尻拭いを長野で清算とは行かないんですかね。まあ長野に全てを押し付けるのも気が引けますが。

    >JR東海さんが沼津直通を置き換えたとしても熱海~沼津の短区間列車が増えるだけというオチもありそうです
    短区間でも非常に有り難いです。沼津~三島間の1駅運用もあるくらいですかね。沼津~熱海間で完結した需要がしっかりあるんですよ。