関西圏では初めての通勤冷房車として登場した京阪2400系がデビューして50周年を迎えました。
これに合わせて京阪電気鉄道は2019年11月23日~12月22日まで2400系全編成に50周年記念ヘッドマークを掲出しました。
今回は2400系の解説と記念ヘッドマークを取り上げます。
京阪2400系とは?
京阪2400系は1969年(昭和44年)に誕生した通勤型電車です。2400系の特徴は関西初の通勤冷房車であることです。
国内において、特別料金を徴収しない車両で初めて冷房装置を装備した車両は1959年(昭和34年)製造の名鉄5500系です。
5500系登場から遅れること10年、関西私鉄でも本格的な通勤冷房車が登場しました。
冷房装置の設置に伴う機器の大型化を除くと、主要機器は1964年(昭和39年)登場の2200系をベースにしています。
外観では京阪初となる前照灯のシールドビーム化、尾灯・標識灯の小型化が特徴です。また、2400系は2200系冷房改造車よりも約10センチも全高が高いため、重量感がある車両に。
2次車では京阪初の下枠交差型パンタグラフを採用しました。
登場時には朝ラッシュ時の三条発淀屋橋行き急行3列車を担当。多忙期には非冷房の2200系に代わり、鳩マークと「臨」標識2枚を掲げた2400系が臨時特急に起用されました。
同車は京阪線では初めて1500V昇圧を視野に入れた設計になっており、1983年(昭和58年)の昇圧の際にも大きな改造はありませんでした。
大きな転機が訪れたのは1988年(昭和63年)~1991年(平成3年)に行われた車体改修工事です工事内容は前面表示幕設置に伴う前面デザインの変更、添加励磁制御化、車内化粧板の変更など多岐にわたりました。
1991年、2456編成の改造をもって、京阪線から運行標識を恒常的に用いる車両が消滅しました。ちなみに同編成は最後の旧塗装車でもありました。
2019年にデビュー50周年を迎えましたが、現在も計6編成42両が元気に活躍しています。
大阪方と京都方で異なるヘッドマークのデザイン
筆者は50周年記念ヘッドマークを撮影するために、2400系を待ち続けました。先述したとおり、2400系は6編成42両しかないため、想定以上に待ち時間が長かったです。
ようやく萱島駅で2400系2461編成に乗車できました。香里園駅で急行待ち合わせの合間に撮影しました。新塗装の効果も相まって、50年の車齢を感じさせません。前照灯はLED化されています。
大阪方は旧塗装の2400系が描かれたヘッドマークが掲載されていました。とても芸が細かく、特徴である前照灯のシールドビームも描かれていました。
京都方のヘッドマークは新塗装の2400系です。前面デザインと塗装の違いの影響もあり、大阪方のヘッドマークと比べると別車両のようです。京阪電鉄は趣味人が喜ぶ仕掛け作りがうまい会社だなあ、と思いました。
樟葉駅で待っていると、2400系のベースとなった2200系が入線しました。前面デザインを除くと2400系とよく似ています。
しかし、改めて2400系を見ると全高が高く卵型のボディーのため、2200系と比べると「太って」見えます。このあたり、同じ卵型ボディーを持つ2600系と比べてみると興味深いかもしれません。
2400系の特徴である冷房装置です。冷房改造車の冷房装置と比べると、背が高いのが特徴です。2200系や2600系と区別するには冷房装置をチェックするといいでしょう。
運転台は登場時からそれほど変わっていないように思います。京阪線では8連の編成が主流のため、間違いを防ぐために「7連」と書かれたステッカーが貼られていました。なお、7連であっても急行や快速急行を担当することもあります。
2400系の車内では座面と背ずりの間に隙間がある京阪独特の座席が目立ちます。2600系にあるような丸型の冷房吹き出し回転グリルはありません。ドアを見ると同車が卵型の車体であることがよくわかります。2400系も他車と同じように車内自動放送が導入されていますが、一部の駅で扉開閉前に開扉予告放送が流れます。私が乗車した2461編成では甲高い女性の旧型タイプでした。
今後の2400系は?
2019年現在、2400系は普通、準急を中心に活躍しています。運がよければ急行、快速急行で複々線を通過する姿が見られるかもしれません。萱島折り返しの普通を考慮すると、写真撮影は京橋~萱島間で行うことをおすすめします。
京阪電鉄では13000系の導入にあたり、2200系や2600系の廃車を進めてきました。車齢50年超の2400系がいつ廃車されてもおかしくないように思えます。
ところが、京橋駅のホームドア設置に伴い、5扉車5000系の淘汰を優先しています。5000系は2020年には消滅することが予想されます。
5000系全廃後に2400系に何かしらの動きがあるのではないでしょうか。
50周年記念ヘッドマークが掲載されたことから、全廃時にはイベントが行われることが期待されますね。しばらくは普段着の2400系が見られそうです。
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