【しなの鉄道】SR1系の一般色200番台!S201,S202編成が落成

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しなの鉄道では、旧 信越本線を継承した際に譲り受けた115系の代替として、JR東日本のE129系をベースに開発したSR1系の導入が進められています。

昨年度は青色のライナー用に100番台が付与された3編成が製造されていましたが、2020年度製造分として赤色の一般車が登場。200番台が付与された一般車が初めて姿を現しました。

(しなの鉄道公式で100番台・200番台という表現は現時点で公式には記されていませんが、記事内では便宜的に記しています。)

新幹線と歩むしなの鉄道

1998年に長野冬季オリンピックを開催するにあたり、1997年10月に北陸新幹線の高崎〜長野駅間を先行開業させて「長野行新幹線」のちに「長野新幹線」と呼ばれる新幹線が開業しました。

全国新幹線鉄道整備法に基づく初めての「整備新幹線」として開業した路線です。

オリンピック誘致の可否次第では山形・秋田同様にミニ新幹線方式となる可能性がありましたが、全線がフル規格での建設となったため、廃線となった「碓氷峠」区間を除いた軽井沢駅〜篠ノ井駅間が第三セクターへ移管されることとなりました。

これにより新たに発足したのがしなの鉄道です。

同路線で運行されていた115系3両編成のほか、169系3両編成を譲り受けてスタートしています。

しなの鉄道は稼ぎ頭となり得たはずの篠ノ井駅〜長野駅間を持たされず、この是非は度々議論されており、現在では整備新幹線の並行在来線第三セクター化ではターミナル駅までを移管して枝線からJRの列車が乗り入れる……という体制が主流となりました。

大きな変化があったのは、2015年3月の北陸新幹線の長野駅~金沢駅間延伸開業です。

長野駅〜妙高高原駅までを「北しなの線」として分離されることとなり、管轄路線の増加とともに115系の追加譲渡が行われています。

妙高高原駅〜直江津駅は新潟県の第三セクター、えちごトキめき鉄道に移管されていますが、こちらにはE127系新潟車が譲渡されています。

しなの鉄道にとっては115系の方が運用共通化が出来て合理的と判断されたことと推測できます。

169系代替を模索していたものの……

しなの鉄道では、169系を活用した「しなのサンライズ号」「しなのサンセット号」が着席整理制にて運行されています。

169系の経年から、2000年代以降にこの列車の代替を中古車両により進める動きがありましたが、いずれも実現していません。

中期経営計画では複数回にわたって中古車両導入を目指していたことがうかがえるほか、非公式な動きとしては、大宮総合車両センターで日光方面などへの波動用として活用されていた189系“彩野”が引退後、長野総合車両センターに長く留置されていたものがありました。

この動きでは、2011年1月に廃車回送をしたのち、「部品取り禁止」と貼り紙がされていました。同年7月1日には法令改修が出来なかった169系に代わり、両列車をJR東日本の189系での運行へ変更されて、いよいよ譲渡が実現するか……という期待がされるなか、貼り紙は撤去、その後解体されています。状況から、しなの鉄道が導入を検討していたと当時は噂されていました。

その後しばらく続けられていた189系での運行も、長野車が北陸新幹線開業で篠ノ井線ライナー用のN102編成を残して除籍されることとなり、先述の北しなの線への移管にあわせてしなの鉄道の115系での運行に変更され、整理券不要の列車としての運行を余儀なくされました。

昨年より世代交代開始

しなの鉄道の歴史を支えてきた115系ですが、経年から置き換えが進められることとなりました。

E129系をベースに開発・製造されたSR1系を8年間かけて毎年6~8両の導入をすることが発表されています。

2019年度には、先述の乗車整理券制の列車運行を再開すべく、SR1系3編成(S101〜S103編成)が導入され、2020年7月より営業運転を開始しました。青色フルラッピングとなっており、落成からデビューまで大きな話題となりました(過去記事)。

平日にはしなのサンライズ号・しなのサンセット号、土休日には軽井沢高原リゾート号を中心に運用され、所定で設定されている間合い運用を除き一般列車としての運用は限られたものとなっていました。

2021年3月改正より今回落成した一般車が本格投入されることとなり、更なる115系の淘汰が進められることとなります。

一方で、同社では昨今の利用者急減などを背景に導入予定本数の見直しも発表しており、当初計画で示されていた26編成52両から23編成46両に修正されています

製造数減少分をわざわざ115系で少数維持するとも考えにくく、減車・減便が検討されている可能性が高そうです。

落成した一般車の外観を見る

今回落成したのは、しなの鉄道SR1系のクモハSR111-201+クモハSR112-201・クモハSR111-202+クモハSR112-202の4両です。

前者がS201編成・後者がS202編成となっており、付番規則は100番台が付与されているL/C可変座席搭載車と同一です。

設計元となっているE129系から通算しても、E129系設計の車両が総合車両製作所(J-TREC)横浜事業所で製造された初の事例となります(在来車は全て新津にて製造)。

なお、このE129系設計については総合車両製作所のsustinaS23シリーズという名称があります。また、SR1系については現在まで100番台・200番台という呼称は使用されていませんので、今後のリリースなどでどう記されるかも気になるところです。

既にプレスリリースで明らかにされていたように、既存の115系のデザインを踏襲した赤色基調の外観となっています。

デザインはプレスリリースから大きな変更はありませんでしたが、イメージ画像に比べて赤色が鮮やかな印象を受けます。

一般車のデザインで印象的なのは、やはり洗面所部分に大きく描かれたロゴマークでしょうか。

今回出場した4両については、甲種輸送(貨物列車としての輸送)にて長野入りする予定です。

2020年度のSR1系導入予定は4編成8両とされています。

昨年度の新津からの甲種輸送に備えてしなの鉄道北しなの線・えちごトキめき鉄道妙高はねうまラインではJR貨物の乗務員訓練が実施されており、本年度も同様に乗務員訓練の動きが始まっています。

このため、残り4両については遠くないうちにJ-TREC新津事業所から出場するものと考えられます

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画像元投稿紹介

今回の写真は、通勤特快//なんぴょん様よりご承諾をいただき掲載しています。

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