【本線の旅 終了】東武9050型9152Fが秩父鉄道経由で返却回送

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シルバーウィークの東武本線を賑わせた東武9050型9152Fの深夜試運転。

9月23日終電後(24日)に滞在していた南栗橋車両管区を後にし、春日部駅経由で羽生駅まで回送。その後、秩父鉄道の臨時貨物列車として寄居駅まで輸送されています。

試運転の動きをおさらいするとともに、今回の試運転の目的を考えます。

本線で1週間!9152Fの動向

東武鉄道の各型式のうち、番台区分を除くと唯一東上線のみの配置となる9000系列。

このうち、有楽町新線(現在の副都心線小竹向原駅~池袋駅)開業による運用増加分の増備車として登場した9050型の9152Fが今回の試運転で動きました。

東武スカイツリーライン(東武伊勢崎線・日光線)のほか、東武佐野線にも初入線となっています。

9月16日深夜
(9月17日)
森林公園検修区→森林公園駅
森林公園駅→寄居駅
9月17日寄居駅→羽生駅
9月17日
(9月18日)
羽生駅→東武動物公園駅
東武動物公園駅→南栗橋駅→南栗橋車両管区
9月18日深夜
(9月19日)
南栗橋車両管区→南栗橋駅→曳舟駅
曳舟駅→南栗橋駅→南栗橋車両管区
9月20日深夜
(9月21日)
南栗橋車両管区→南栗橋駅→春日部駅
春日部駅→館林駅→渡瀬駅→北渡瀬荷役所(渡瀬北電留線)
北渡瀬荷役所(渡瀬北電留線)→渡瀬駅→東武動物公園駅
東武動物公園駅→南栗橋車両管区
9月23日深夜
(9月24日)
南栗橋車両管区→南栗橋駅→春日部駅
春日部駅→羽生駅
9月24日羽生駅→寄居駅

東武9050型は営業運転で東武東上線、東京メトロ有楽町線・副都心線、東急東横線、横浜高速鉄道みなとみらい線で活躍していますが、このほかにも定期回送や直通運転開始前の試運転にて東京メトロ南北線・東急目黒線を自走した経歴があります。

今回の試運転により、2編成20両という小所帯ながら、関東一円の幅広いエリアを走行した実績が出来ました。

今後は日中走行も実現なるか

今回の一連の深夜試運転・回送では、線路閉鎖をしての運行が行われていた模様です。

終電前倒しのニュース等でも話題になったように、線路閉鎖自体もなかなか手間が発生します。

今回の試験で問題がなければ、今後の本線との出入りは10000系列同様に日中時間帯の自走となりそうです。

今回の試運転の目的が南栗橋車両管区で定期検査を施工するためであるとすれば、出場試運転についても本線で済ませることとなります(関連記事)。

南栗橋で検査を施工した車両のうち、10両固定編成は南栗橋~北千住間で出場試運転を行うことが通例となっており、既に10000系列で実施された実績があります。

今後は中目黒駅などで顔を合わせる東京メトロ日比谷線13000系・東武70000系列と並走するシーンなども期待出来そうです。

なお、東上線ではATCが採用されていますが、東上線各型式に搭載されている保安装置は”統合型保安装置”という機器箱となっており、東上線のデジタルATC以外にも、乗り入れ先の保安装置についてもソフト側の変更で対応できる高機能なものとなっています。他形式では既に実績もあるほか、そもそも東武ATSからの移行期はこの保安装置が使用されていたため、保安装置上の都合で今後も深夜帯しか走れないとは考えにくいです。

このほか、渡瀬駅までの試運転も実施されていますが、これは遠い未来に廃車回送をすることに備えてでしょうか。こちらは東京メトロ03系が廃車前に走行試験をした経歴を持っています。

秩父鉄道側は今後も機関車牽引?

秩父鉄道線内は機関車牽引で実施されていますが、他形式の検査入場・転属同様にブレーキ方式の違いからブレーキ読み替え装置を9050型の車内に搭載していました。

ブレーキ読み替え装置の搭載や連結器交換、そして機関車手配の手間を考えると、あまり効率が良い輸送方法とは言えません。

しかしながら、今後も秩父鉄道線内は機関車牽引で運転される可能性が高いと言えそうです。

これは、秩父鉄道用の保安装置が搭載されているのは8000系のATS対応車両(現存は8506F)のみとなっており、日中の秩父鉄道線走行は現実的ではありません。

また、今回の試運転目的にもありそうな誘導障害の問題もあります(車両の発するノイズが踏切・信号の電気信号を妨げることがあり、新型車両導入時などの試験項目の1つ)。

8000系の後期製造車両の異なるMGでさえ未対応(ATS搭載編成から補助電源を供給)となっているところを、わざわざ9000系・10000系列・30000系・50000系列と複数実施するとは考えにくいところです。

秩父鉄道の貨物減少で機関車に余裕がありそうですが、近年は廃車が発生していないことからも、今後も当面はこの方式で運行されるものと考えられます。

あわよくば、この車両の出入りを活用してファン向けのツアーなども実現することを願って止みません。

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