E5系の後継となる次世代型新幹線開発のために製造された試験車E956形「ALFA-X」。
長過ぎる先頭車や個性的なデザインなど、鉄道ファンだけでなく、国内外からかなり注目を集めています。
今回は、ALFA-Xの特徴とともに、実は公開されている運転予定日、そして気になるダイヤについてお伝えします。
最高400km/hの試験も
このALFA-Xですが『Advanced Labs for Frontline Activity in rail eXperimentation』=最先端の実験を⾏うための先進的な試験室という由来となっています。
公式に示されている主な研究内容は下記の4つです。
さらなる安全性・安定性の追求
快適性の向上
環境性能の向上
メンテナンスの⾰新
先代の試験車で、E5系・E6系の開発に貢献した「FASTECH360」では、名前にも入れられたように 360km/hでの走行を視野に入れたさまざまな試験が行われていました。
試験の結果、現在のはやぶさ号の最高時速320km/hでの運転に落ち着いたのがE5系・E6系です。
今回の試験車では、試験での最高時速400km/h・次世代量産車での営業最高時速360km/hを念頭に置いた試験が繰り返し行われており、E5系世代では見送られた360km/hでの運転の夢をまだ捨てていなかったことは少し意外ですね。
なお、JR東日本系統の新幹線では試験車・事業用車・量産先行車はS1~の通し番号となっており、この編成はS13編成を名乗ります。
先人の功績を讃えているようでとても素敵な附番方法ですね。
「4時間の壁」を意識?
現在、はやぶさ号の一部列車が東京〜新函館北斗駅間をギリギリ3時間台で走行しています。
これは青函トンネル内でのすれ違い問題を克服して解決したものです。
この4時間の壁ですが、飛行機とのシェア争いで勝てるかどうかの一つの目安になっています。
東京〜岡山駅間では圧倒的に東海道・山陽新幹線の利用が多い一方で、東京〜広島駅間では互角の戦いとなっています。
東京駅から頻繁に発車していく博多発着ののぞみ号も、東京〜博多駅間を乗り通すユーザーは多くありません。
そして、越後湯沢乗り換え時代に比べてシェアを逆転させた北陸新幹線の快進撃はこの象徴的事例と言えるでしょう。
これらの過去の傾向を考えると、このALFA-Xについても札幌からの4時間圏内をどこまで広げられるかを強く意識していることでしょう。
気になる各車両の特徴は?
斬新な形状の先頭車
これはSTAR21やFASTECH360でも同様でしたが、両先頭車の設計を異なるものとしたことで新幹線の速度向上に欠かせないトンネル突入時の圧力波を測定して比較しています。
なお、サムネイルは長すぎる顔で話題となった10号車、東京側は「X」の文字が見えるとファンから話題の形状です。
(画像後日追加予定)
異様に窓が小さい3号車
この号車については、E2系からE5系で小さくされた客席窓を更に小さくしています。
飛行機発祥ですが、窓の小窓化が軽量化に寄与するという流れはJR東海でもN700系以降やリニアモーターカー開発で実績がありますので、ご存知の方も多いでしょうか。
やはり大きなネガティブポイントとして、沿線の景色を楽しむという鉄道旅ならではの魅力が削がれてしまう点が挙げられます。
軽量化の効果と、利用者視点での快適性のバランスを検討するためのこの車両。
乗り鉄の皆さまからは歓迎されにくいトレンドですね……。
そもそも窓がない5号車
この号車には側面に大きくロゴマークがあしらわれていますが、客室用の窓がありません。
これは一般旅客に供すことのない試験車ならではの構造ですね。
グランクラスが8号車に移動!?
E5系では、10号車の短い客室部に席を設けているグランクラス。
このALFA-Xではなんと8号車に設定されています。
これは10号車の客室部が長い先頭部でスペースが狭くなってしまったためでしょう。
しかし、その8号車は中間部に仕切りがあり、これが通り抜け防止用なのか、はたまた試験的に色々作ってみたのか。
利用者視点だと通り抜けができない少しややこしい扱いですので、今後が気になります。
運転日は事前告知されている!
深夜の走行となるため、沿線住民への説明として運転日は事前に告知されています。
ただし、突発的な事情で運休した例も存在しますので、「ほぼ確実」といったところでしょうか。
在来線の業務列車と異なってライト層が多いためか、JR東日本関係者も割と優しい対応です。
(運転日一覧準備中)
今後の運行スケジュール(記事公開日現在)
7月:27日(土)・30日(火)
8月:24日(土)・27日(火)・31日(火)
9月:3日(火)・7日(土)・10日(火)・14日(土)・17日(火)・21日(土)・24日(火)・28日(土)
10月:1日(火)・5日(土)・8日(火)・15日(土)
赤太字:複数回往復で運転
青色:八戸以南のみ運転(八戸〜新青森運転なし)
運転時刻はほぼワンパターン!?
現時点では深夜の往復のみとなっていることから、仙台駅以北にお住まいの東北のファンなら容易に捉えることが出来ます。
夏場でしたら辛うじて日の出時刻後に上りますので、まだ撮影できていない撮り鉄の方は夏の撮影がおすすめです。
ゆっくり見学したい方には最初の仙台駅入線~発車がおすすめですね。
こちらは唯一終電前の駅構内で気軽に見学が出来ます(深夜となりますので、特にお子様連れの方はお気をつけて……)。
なお、先述の複数回往復パターンなど、異なるダイヤでの運転もたまに存在していますので、参考程度にどうぞ。
(時刻表準備中)
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