【阪急】8002Fも「Classic8000装飾」に・事故入場8000Fの代替

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11月23日、8000系デビュー時の姿を再現した「Classic8000装飾」の8000系8000Fが脱線事故に巻き込まれました。ピンチヒッターとして8002Fが11月27日から「Classic8000装飾」として運行を開始しています。

異色の8000系8002Fが「Classic8000装飾」に

8000系は1989年にデビューした神戸線、宝塚線専用車両です。阪急電鉄として初めて本格的にVVVFインバーター制御を採用。阪急電鉄創立80周年にふさわしい新時代の車両として華々しくデビューし、現在も特急を中心に主力級の活躍を続けています。

2019年、デビュー30周年を記念して8000F(神戸線)・8004F(宝塚線)が「Classic8000装飾」としてデビュー時の姿を再現され、前面窓下の飾り帯、側面上部のHマーク、旧社章の貼り付けが行われました。しかし、2020年11月に起きた脱線事故により長期離脱を余儀なくされ、ピンチヒッターとして8002Fが抜擢されました。

前面は韓国・ソウル地下鉄4号線車両をモデルとし、額縁スタイルとなりました。その際、正面にある窓ガラスの段差のバランスをとるために反射板を利用した飾り帯を設置。この飾り帯には地下線内や夜間時における車両識別の向上への期待もありました。個人的には好感を持っていましたが、どういうわけか阪急電鉄トップの感性と合わなかったようで、後に撤去されました。

「Hマーク」は阪急電鉄の頭文字「H」に由来し、1975年にデビューした2200系で初採用となりました。以降、6000系、6300系、7000系にも取り付けられています。当初、運転室横には側面窓がなく大きな「Hマーク」がありましたが、小窓が設置された後は小型なものに置き換わりました。8000系は当初から運転室横に小窓が設置されたので、小型「Hマーク」となっています。1992年に現在の社章になったあたりから「Hマーク」は見られなくなりました。

旧社章は京阪神急行電鉄の成立直後から1992年まで使われ、全車両の窓下に設置されていました。1992年以降はドア横に現行の社章が貼られましたが、現在は再び窓下に設置されています。

ところで「Classic8000装飾」になった8002Fは神戸三宮方2両が試験的にクロスシートが設置され、8000系の中でも特異な編成です。8000系のクロスシートは神戸線の乗客には歓迎されず、宝塚線も含めて後に製造された車両はオールロングシートに戻っています。

前面額縁デザインが美しい8002F「Classic8000装飾」

8002F「Classic8000装飾」を撮影するべく西宮北口駅を訪れました。反射板ではなくステッカーの貼り付けとはいえ、窓下装飾が前面の表情を引き締め、30年の疲れを感じさせません。阪急ファンとして述べるなら「神戸三宮」という方向幕が気になります。8000系デビュー時、「神戸三宮駅」は「三宮駅」だったので、窓下装飾と「神戸三宮」の方向幕という組み合わせは今回が初めて。こればかりは仕方がありません。

小窓の上には窮屈そうに「Hマーク」が貼り付けられています。改めて見ると強引に貼り付けた感があり、8000系デビュー時から「Hマーク」を外す検討をしていたように思えます。とはいえ、平成初期の阪急電鉄を知っている筆者からすると懐かしく思えます。

旧社章は京都市、大阪市、神戸市の各市章を組み合わせたもの。阪急電鉄以前の社名である京阪神急行電鉄をそのまま具現化した社章といえるでしょう。8000系がデビューしたのは1989年、現在の社章になったのは1992年ですから、8000系と旧社章の組み合わせは単純計算すると5年も満たなかったことになります。正直なところ、旧社章は5000系や3300系の方が似合うと思います。

車内には「Classic8000装飾」のプレートが設置されています。車番は「急遽」ということもあるのでしょうか、イラストは「8000F」でした。いずれにせよ、阪急らしいスッキリとしたデザインです。

先述したとおり、8002Fの神戸方2両はクロスシートが設置されていますが、微妙に一段下降式の窓と合っていません。また座り心地も京都線特急に就く9300系と比べると、お世辞にも「良い」とは思えません。神戸線は京都線よりも路線距離が短く、利用客も多いので、クロスシートの不採用は仕方がないと思います。

8002Fは神戸線を中心に活躍しており、特急から普通までオールマイティーに働いています。1編成しかありませんが、8000系が走る大阪梅田駅~新開地駅間約35キロという運行区間を考慮すると、それほど撮影には苦労しないと思います。

ところで岡本駅には未だに1995年設置の案内表示器「パタパタ」があります。全国的にも珍しくなっている「パタパタ」が岡本駅では現役です。「Classic8000装飾」に乗った合間に「パタパタ」の撮影もお忘れなく。

8002F「Classic8000装飾」はいつまで?

阪急電鉄によると8002F「Classic8000装飾」は次回の全般検査入場までと明記されています。全般検査は8年ごと。8002Fが最後に全般検査を受けたのは2018年9月ですから、単純に計算すると次回の全般検査は2026年です。いずれにせよ、当分は「Classic8000装飾」で運行することでしょう。

ところで阪急電鉄HPには「現行のC#8000×8Rの運行終了日等は未定で一切お答え出来ません」と書かれています。「Classic8000装飾」の運用に関して阪急電鉄に問い合わさないようにしましょう。

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