【京阪】2021年1月末デビュー!3000系プレミアムカー試運転開始

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京阪電気鉄道では、2021年1月31日より、8000系に続き3000系6編成についても“PREMIUM CAR”(プレミアムカー)の連結を行うことを明らかにしており、沿線利用者やファンから期待の声が寄せられています。

2020年11月末より製造元の川崎重工業兵庫工場から陸路での輸送が行われていましたが、早くも12月より編成に組み込んでの試運転が始まりました。

京阪3000系の登場とプレミアムカーの変化

京阪3000系は、中之島線開業の看板車両として登場しました。デビュー時の車両愛称としてはコンフォート・サルーン(COMFORT SALOON)とされていますが、現在はあまりこの名称は使われていない印象です。

3扉8両編成という一般車両同様の基本設計ながら、転換クロスシートを装備。中之島線からの快速急行を主な活躍の場としていました。

しかしながら、開業間もない中之島線は事前予測を大幅に下回る利用動向で推移しました。

中之島線の看板列車だった快速特急は僅か2年半で日中運行を取りやめ、それ以降は8000系の名脇役として本線系統の特急列車を中心とした活躍が続けられています。それ以降も朝晩などに中之島線での運用自体は続けられていますが、年々本数が削減されて現在は区間急行・普通運用のみとなってしまいました。

関東圏の鉄道ファンの方なら、デビューから早々に本来の目的から外された東武30000系のような、事実上“失敗”となってしまった不運な存在となっていました。

さて、以前より関東圏ではJR東日本以外の大手私鉄でも着席サービスの導入が相次ぎましたが、同時期の関西圏ではこれらの動きには消極的でした。

JRと大手私鉄が競合する京阪神エリアでは、以前よりより安く・より速く……という会社間競争が熾烈であり、JR西日本も私鉄各社も速達種別は快適な転換クロスシート車両が主力であったこと、ラッシュ時の混雑が関東圏に比べると比較的穏やかであること、大阪を中心とした“県民性”を挙げる声などもありました。

これらの流れを打破する格好で、京阪ではフラッグシップの8000系の中間車(6号車)を改造することで、快適な着席サービス“PREMIUM CAR”(プレミアムカー)を2017年夏より運行しています。

既存車両との差別化を図るためにリクライニングシートを導入したことはもちろんですが、鉄道会社子会社ではなく航空系のANAソリューションズに車内サービスを委託するなど、本気度の高さと初の試みへの不安などデビュー前から話題性の高いサービスとなっていました。

このほかにもラッシュ時には一般座席区画も着席整理とした“ライナー”列車も登場しています。

結果としては両者とも成功を収め、デビューから1年が経過した2018年夏には早くも3000系へのPREMIUM CARの連結が報道されています。

新造されたプレミアムカーと編成構成

8000系では従来車両の改造とされた一方で、今回の3000系では新造車を採用。最近の公式発表によりデビューは2021年1月31日とされています

新造とされた経緯は詳しく発表されてはいませんが、8000系では窓割の不一致があって“ハズレ席”が出来たこと、車内レイアウトが最適化出来なかったこと。そして、アルミ構体で鋼鉄車に比べて改造が煩雑であること、同世代設計の13000系が新造途中であり抜き取られた車両の転用が可能なことなどが考えられます。

着席サービス車両を新造・在来車両は同世代の他形式へ転用をした例は、東急電鉄Q-SEAT用の6020系→2020系転用・6000系→3000系or5080系(未出場)転用などが挙げられます(関連記事)が、こちらは外観は同様のものとなっています。構体の改造が必要な京阪の事例が新造車とされたのも納得がいくところです。

さて、今回登場した3000系増備車両は3851〜3856の6両。8000系同様に6号車へ連結されています。

従来編成では6号車には補助電源装置を搭載した3550形が連結されていましたが、こちらは7号車に組成変更。7号車に連結されていた、簡易運転台付き・主要機器がない3750形が編成から外されています。

運用面の変化はどうなる?

さて、京阪3000系には間合い運用として、デビュー当初からの快速急行が辛うじて1列車残されているほか、区間急行・普通といった間合い運用がありました。PREMIUM CARの連結により、今後はこういった列車での活躍は少なくなることと予想できます。

PREMIUM CARが新造車となったことで、これまでは8000系の名脇役だった3000系の更なる活躍に期待できます。既に実績の多いノンストップ快速特急「洛楽」を含め、デビュー以来の脚光を浴びることとなりそうです。

13000系の増備段階(2014年)で既に連結器を変更して4+4の固定編成状態となっており、今回の組み替えで中間運転台を脱車したことで完全に4+4の分割以外は行わない組成となりました。

交野線直通の臨時列車として組成された4両編成・中之島線1番列車を飾るために組成された7両編成での運用については、当面は実施されることはなさそうです。

8000系と3000系の運用共通化も出来そうですが、8000系では窓口販売時に窓割りの合う・合わないを発売時に案内しています。また、ドア数の違いなどを考えると完全な共通化は難しそうです。

ただし、今回改正で8両編成のPREMIUM CAR連結編成が両形式で予備車を持つこととなりそうです。運用効率向上のため、一部運用はどちらも充当される……といったものが出てきても不思議ではありません。

また、3000系運用の一部であった他形式(一般車)代走がある運用がなくなることで、編成組み替えで時折運行されてきた13000系の8両編成運用の頻度など、2021年1月改正は車両運用に大きな変化が起きそうです。

脱車された7号車の今後

先述のように、従来編成の7号車に組み込まれていた中間車・3750形が編成から外されており、今後の展開が注目されています。

京阪3000系はデビューから12年半と車齢が若く、廃車・解体とは考えにくいところです。

ファンからの推測として最有力なのは36両の製造が明らかにされている13000系への編入です。

完全新規設計の3000系とは異なり、13000系は3000系の基本設計と類似している点が多く挙げられます。特に外観については色違いのような構成です。

このため、内装面を中心とした転用改造(ロングシート化改造・塗色変更など)を施すことで、新造の13000系に編入されるのではないかという見方が以前よりありました。

2020年度の13000系の製造数が36両という中途半端な両数であること(初期に4両編成を増備して以降は7両編成の製造が中心)、一部駅で6両編成の停車目標が出来たことでかつての8000系改造時のような暫定編成が組成されるなどの動きもあり、この説が補強される格好となっています。

一方で、京阪13000系は従来車同様に、検査などを柔軟にすべく中間運転台を多く設定しています。

今回転用が考えられる3750形についても3号車(13720)または6号車(13770)として編入するのが妥当なところです。捻出されるのは6両ですので、2両ずつ3編成に組み込むか、1両ずつ6編成に組み込むかといった動きとなりそうです。

ただし、このうち3号車はワンマン4両編成として組み換えた際に使用される号車。13000系と3000系の構体で異なる妻面窓の有無を考えると、ワンマン運転時の車内貫通確認を考えると6号車のみとなるのでは?という見方も出来そうです。

今後の動向はまだまだ様々な推測が飛び交うところですので、今後の展開を見守りたいところです。

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今回のお写真は、フォロワーの洛さま(@Rakuraku__K)より許可を頂いて掲載しています。

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