【阪急電鉄】リニューアルした5000系 廃車開始!神戸線系統の今後は?

スポンサーリンク

阪急電鉄では、2020年3月に5000系のトップナンバーである5000Fが廃車となり、大規模リニューアルの先駆けとなった5000系に初の編成単位の除籍が発生しています。

この記事では5000系の活躍を振り返りつつ、神戸線系統の車両運用を考えてみたいと思います。

神戸線系統で活躍してきた5000系

5000系は3000系の改良型として1968年にデビューし、翌1969年までに計47両が製造されました。5000系は3000系をベースとしていますが、神戸線の電車線電圧の昇圧完了後に製造されたので、3000系にあった複電圧の機能はありません。抵抗制御、直流直巻電動機、発電プレーキといった走行機器は3000系と同じです。製造当初は冷房装置がなく、1973年~74年にかけて阪急独自の集約分散式冷房装置が設置されました。

製造当初は神戸線の運用に就き、山陽電鉄線へも乗り入れていました。1976年に6000系が登場すると、他形式の車両を5000系の編成に組み込むことに。結果、3000系と同じく4両編成を2本組んだ8両編成となりました。1984年~90年にかけて、行先方向幕が設置されています。

製造から30年で大改造

5000系が大きく変わったのは2001年~2007年にかけて行われたリニューアル工事です。

当時の阪急では新造車両数が抑えられていたこと、2000系・3000系などの車齢が高い車両が多く残存していたため、今後の活用を想定して製造から既に30年が経過している5000系に大規模なリニューアルを実施することとなりました。

当時の新造車両である8000系に近い意匠を採用したことが特徴で、前面貫通扉や側面ドアの窓ガラスが拡大し、前灯や標識灯が角灯に。塗装面では6300系のように屋根の肩の部分がアイボリーとなり、当時の阪急ファンを大いに驚かせました。

なお、最初にリニューアルされた5010Fだけ前面の車号の位置が異なります。

外観だけでなく内装も大きく変わり、座席の変更や案内情報装置の設置が行われました。

阪急電鉄特有の木目調の内装デザインを継承しつつ、ドア・妻面などの木目調パネルを濃い色としており、後輩形式の内装へ影響を与えています。

中間部は運転台が撤去された8両固定編成への改造となっていますが、初期に改造された編成では乗務員室の仕切りが残り、”個室”のようなレイアウトとなりました。

改造メニューが多岐に渡り時間もかけられましたが、2007年に全車のリニューアル工事が完了しました。

長年にわたり、神戸線の特急に就くことも多かった5000系ですが、日中の特急の最高時速が115km/hとなった2006年10月のダイヤ改正以降は普通運用が中心となりました。2016年以降は6両編成化した上で今津北線への移籍が進み、2020年3月に神戸線から撤退しました。また、同月に5000Fが廃車となり、編成単位では初の廃車となりました。

以後の新造・改造に影響を与えた大改造

個人的に2000年代に行われた5000系のリニューアル工事は驚きました。

それまでの在来車の扱いは方向幕設置など外観の変化が多く、車内のテコ入れはあまり行われなかったように思います。

原形からかけ離れた改造はファンからの好みは分かれるところですが、以後の車両リニューアルや新造車にも大きな影響を与えました。

その後、3300系や7000系、6300系などの各車両のリニューアルも行われています。

特に後輩の7000系・7300系一部編成に施されたリニューアルでは、新造車である9000系列に近づける5000系以来の大規模なメニューとなり、現在も特異な存在です。

この5000系が阪急のリニューアルに対する考え方を変えた車両といえるでしょう。

これからの神戸線系統の車両運用は?

現在、神戸線では2013年にデビューした1000系の増備が進んでいます。5000系の撤退後、神戸線で最も古い車両である7000系が編成を組み替えた上で今津北線をはじめとする支線への投入が進むでしょう。

7000系の今津北線への移籍により、押し出される形で5000系は順次廃車になることが予想されます。3000系1本が残る伊丹線にはすでに7000系がおり、今津南線や甲陽線は3両編成ワンマンのため、5000系の他線区への移籍は難しいでしょう。

一方、旧阪急系車両が活躍する能勢電鉄では7000系を改造した7200系が”新車”として活躍しています。今さら7000系よりも車齢が長い5000系を能勢電鉄が引き取るとは考えにくいところです。

リニューアルの効果で若く見える5000系も既に50歳超え。

他の中小私鉄への転籍がない限り、5000系は廃車となりそうです。

関連記事はこちら

コメント