JR東日本では2021年12月14日、年末年始期間の臨時列車について発売状況を踏まえた増発を発表しました。
このなかで、しばらく設定されていなかった上野〜新青森・東京〜盛岡間の臨時「はやて号」の設定が示されており、このうちの一部には元祖「はやて」E2系の運用も確認できます。
八戸延伸の新愛称として登場
東北・北海道新幹線「はやて」は、2002年12月1日の東北新幹線八戸延伸により運転を開始した列車です。この時点では八戸駅を発着する列車の愛称として設定され、大宮駅以北では仙台・盛岡のみを途中停車駅とする速達列車と、仙台〜八戸間で停車駅が増える列車に大別されていました。
これとともに、「こまち」の併結列車も「やまびこ」から「はやて」に変更され、「はやて」「こまち」は全車指定席とされています。
その後は「やまびこ」の速達タイプが「はやて」となって盛岡以南完結列車が登場したり、仙台駅以南で運行される列車が新設されたりと徐々に運行本数が増やされ、2010年の新青森延伸で全盛期を迎えました。
しかし、東北新幹線の看板列車の座は短く、2011年改正で新型E5系による最高時速320km/h運転(初年度のみ300km/h)を行う「はやぶさ」が運転を開始したことで運転本数は減少傾向となります。
E2系・併結相手のE3系の車両代替進行とともに「はやて」は徐々に「はやぶさ」に代替されて速度向上が進められました。
2016年には北海道新幹線の新青森〜新函館北斗間が開業し、「はやて」の運転区間が増加しました。320km/h運転区間は盛岡以南ですので、「はやぶさ」化の対象とはなっていません。
2019年改正では東京駅発着の「はやて」代替が完了したため、現在の定期列車は盛岡駅以北で早朝・深夜に2往復のみ運転される、日本の新幹線で一番運転本数が少ない列車愛称となっています。
臨時列車で稀に運転
2019年改正で東京駅発着の定期「はやて」は全廃されましたが、その後も臨時列車では時折設定されています。
臨時列車についても原則「はやぶさ」化されており、「はやて」として設定される列車は、E2系を充当出来るダイヤとして設定された列車・E3系R編成(こまちタイプ:経年の浅い車両が増結車として一部残存)を併結した列車といった、「はやぶさ」の定義である320km/h運転が不可能な車両が充当される(可能性がある)列車に限定されています。
また、年末年始・ゴールデンウィーク・お盆・シルバーウィークなど、設定機会も非常に少ないものとなっていました。
2021年末〜2022年始に設定されている「はやて号」
JR東日本では2021年12月14日、発売状況を踏まえて臨時列車の増発を多く発表しています(外部リンク)。追加で運転する列車の中で、「はやて号」も下り6本・上り2本が設定されています。
このうちはやて375号は、翌15日の発売開始後のシートマップによりE2系での運転であることが判明しています。同列車は2019年3月にE2系の定期はやて号が消滅した後も、臨時列車ながらE2系充当で設定される機会があった列車です。E2系は置き換えの過程で「はやて号」の定期列車だけでなく、盛岡発着の「やまびこ号」の定期運用も無くなっており、この区間ではE2系の走行機会が貴重なものとなっています。
それ以外のはやて337号・はやて358号はE5系10両での運転となっています。この両列車はこれまでE5系+E3系R編成の運用となっていた列車です。
これまでE3系R編成は2編成配置・2運用となっており、この間合い運用として臨時はやて337号・はやて358号(かつては338号)が組み入れられていました。既に報じられているように、E3系R21,R22編成は昨今の利用者減で運用を終了しています。
320km/h運転を行わないため、「はやぶさ料金」相当分安く乗車可能です。ファン目線ではE2系充当列車が人気ですが、一般利用者視点でも若干安く乗車出来る列車という魅力があります。
E3系R編成の廃車が決定したことで320km/h運転が可能となるため、少なくともE5系使用の2列車については、次回のダイヤ改正から「はやぶさ」とされることが想像できます。E2系充当のはやて375号についても、現在E5系・E7系増備で置き換えが進められている形式ですので、いつ消滅しても不思議ではありません。
ひっそりと見納めとなることが予想できますので、今回のチャンスをしっかりと抑えたいところです。
12/29-31 はやて375号 上野→新青森 E2系10両
2375B | 発着時刻 | 備考 |
上野 | 9:18 | |
大宮 | 9:36-38 | |
仙台 | 10:51-52 | |
盛岡 | 11:35-36 | |
二戸 | 11:57-58 | |
八戸 | 12:09-15 | はやぶさ13号通過待ち |
七戸十和田 | 12:27-28 | |
新青森 | 12:44 |
2019年改正でE2系「はやて」が淘汰された後も時折運行される臨時列車です。
かつてはH5系が充当された実績(2016年夏)もあるなど、最繁忙期の東北新幹線で注目されがちな列車です。分単位で発着時刻変更が確認できますが従来同様の構成となっており、八戸駅で後続はやぶさ13号に追い抜かれるダイヤも健在です。
12/29-31 はやて337号 東京→盛岡 E5系10両
4337B | 発着時刻 | 備考 |
東京 | 12:28 | なすの272号の折り返し |
上野 | 12:33-34 | |
大宮 | 12:51-52 | |
仙台 | 14:08-09 | |
古川 | 14:22-22 | |
一ノ関 | 14:36-40 | はやぶさ/こまち57号通過待ち |
北上 | 14:54-55 | |
盛岡 | 15:12 | 折返東京まで回送(はやて358号ダイヤ) |
1/2,3運転 はやて358号 盛岡→東京 E5系10両
4358B | 発着時刻 | 備考 |
盛岡 | 15:24 | 東京から回送(はやて337号ダイヤ) |
仙台 | 16:09-11 | |
大宮 | 17:31-32 | |
上野 | 17:50-51 | |
東京 | 17:56 | 折り返しなすの265号 |
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