こまち号から撤退した初代秋田新幹線・E3系ですが、R21,R22の2編成がひっそりと東北新幹線の増結車両として余生を過ごしています。
2020年3月ダイヤ以降も従来の運用体系を維持するほか、追加改造施工も明らかになっています。
E3系の今後を考えるとともに、撮影・乗車に欠かせない車両運用表を作成していますので併せてどうぞ。
E3系こまちタイプの近況・2020年度の予定
初代秋田新幹線として登場したE3系ですが、ほとんどの運用を後釜であるE6系に譲りました。
初期車は廃車・解体となったものの、経年の若かったR18編成以降については再活用されることとなりました。
E6系の投入完了となった2014年3月改正以降、R21,R22の2編成が“こまち”ロゴを剥がしてやまびこ号・なすの号で余生を過ごしています。
2編成で2運用が組まれていたため、余剰となっていたR20編成についてもこの運用に充当されるかと思われましたが、2016年1月に解体されてしまいました。
そのため、2編成2運用・予備車は両数の多いE6系……という独特の体制が今日まで続いています。
運用は毎年少しずつ手が加えられているものの、最ピーク期には列車名自体が貴重となっている“はやて”に登板しています。
古巣である秋田から仙台に所属を移す動きがあり、現在は保安装置の都合で秋田新幹線区間を走ることは出来なくなってしまいましたが、自慢の銀色のピンク帯というスタイルを維持して東北新幹線を走行しています。
2編成という配置数の少なさ・新幹線車両としては経年車となっていることから、その去就が心配されています。
2020年度には、清掃・緊急時にドアを手動にするドアコック周りの改造工事がこの2編成に施工されることが明らかにされています。
改造が施されることや、置き換え車両がないことから、2020年度だけではなく当面は安泰と考えることも出来そうです。
ただし、ダイヤについては来年度以降変更される可能性は十分考えられ、特に臨時はやて運用・やまびこ号の仙台以北運用については速達化(はやぶさ号へ格上げ)による収益増加を考えれば置き換えられてもおかしくありません。
車両自体はもう少し活躍しそうですが、はやて運用などの貴重なシーンは早めに記録しておいた方が良さそうですね。
参考;E6系投入後のE3系増備車の転用
R18編成 | とれいゆつばさ号に改造 |
R19編成 | 現美新幹線に改造 |
R20編成 | 余剰廃車 |
R21,R22編成 | やまびこ号増結車両として残存(固定運用) |
R23-R26編成 | L54,L55編成(L51,L52編成代替・余剰車解体) |
L53編成 | 現在もつばさ号運用で運用 |
置き換えはE6系?それともE8系の登場待ち?
2020年度の活躍は約束されたE3系R21編成・R22編成の12両ですが、中長期で見ればいつ置き換えられてもおかしくない状勢です。
新幹線の世代交代は15年程度で行われることも多く、同世代車両にも多くの廃車が発生しています。
E3系の直接的な代替車両としては秋田新幹線向けのE6系を2編成製造するのが本来は妥当です。
現在も2編成2運用体制となっているため、予備車はE6系とされています。
車両の共通化の観点からは非効率な体制を採っていますが、E3系の車齢にばらつきがあったために先送りされています。
E6系を製造する……という単純な置き換えがされていない点については、E6系も製造からそれなりに年数が経過しているほか、E5系・E6系世代の置き換え時期として2030年ごろの北海道新幹線札幌延伸が想定できます。
現在試験中のALFA-Xでは、営業運転で360km/h・試運転では400km/hまで出しているようです。
連結相手となるE6系が足枷となるほか、E5系と経年差が少ないE6系についてもまとめて置き換えてしまうことは容易に想像ができます。
最近のJR東日本は車両製造数を絞る傾向にあるほか、新幹線で優先的に置き換えたい車両はE2系・E4系となるかと思います。
以上の今後の動向を踏まえると、短命になる可能性の高いE6系を今更製造する……という選択肢が先送りにされることも頷けます。
一方で、現在は山形新幹線に向け、最高時速300km/h程度を想定した新型車両報道が大きな注目を集めています(関連記事参照)。
これにより、山形新幹線で活躍するE3系1000番台・2000番台が置き換えられることとなります。
E3系0番台・1000番台に比べてサービスレベル・経年差が大きい2000番台にも余剰が発生することとなりますので、彼らでE3系R21,22編成の代替がされる可能性は高くなるでしょう。
E3系2000番台を増結用編成としてもう数年活躍させ、E6系代替車の投入時にまとめて置き換える……といった対応も選択肢にありそうですね。
もしくは、E8系を既存の山形新幹線使用分より多く製造することで、福島駅以北〜盛岡駅までの増結運用が設定される可能性も考えられます。
誤乗対策の観点を克服する必要はあるほか、E5系の320km/hには劣りますが、やまびこ号・なすの号のような停車駅の多い列車であれば性能も十分でしょう。
いずれにせよ、車齢・今後の車両導入の展開を考えれば、向こう数年の運命となることは明白ですので、早めに乗車・撮影しておきたい車両です。
E3系こまちタイプ運用表
全ての運用がE5系との併結運用となっているため、E2系との併結・単独走行はありません。
ファンとしては往年の組み合わせとなるE2系併結復活に期待したいところですが、以前はごく稀に設定されていたものがなくなっているという経歴を考えると、期待は出来ないでしょう。
とはいえ、車両性能上は問題がないので、夏臨以降に設定される可能性もゼロではありません。
2運用・2編成配置となっているため、検査などの一部日程ではE6系が代走します。
1泊2日の運用を代走する体系となるため、両日程とも代走の可能性があります。
(①運用を代走→翌日は②運用が代走)
最新の運転予定は時刻表などをご参照ください。
①運用
やまびこ202号 | 202B | ~仙台⑬ | 6:06 | 東京㉒ | 8:16 |
なすの253号 | 253B | 東京㉒ | 8:28 | 郡山⑪ | 10:01 (10:00) |
なすの272号 | 272B | 郡山⑪ | 10:37 | 東京㉒ | 12:16 |
回送 | ? | 東京㉒ | 12:28 | 小山 | ? |
回送 | ? | 小山 | ? | 東京㉒ | 17:56 |
なすの265号 | 265B | 東京㉒ | 18:08 | 那須塩原~ | 19:20 |
253Bの郡山着は2301B(はやぶさ301号)設定日に時刻変更が発生しています。
回送は2019年度実績に基づく推測となります。
やまびこ202号の到着番線が今回の改正で変更され、東京駅の23番線入線が見納めとなります。
変①-1運用
やまびこ202号 | 202B | ~仙台⑬ | 6:06 | 東京㉒ | 8:16 |
なすの253号 | 253B | 東京㉒ | 8:28 | 郡山⑪ | 10:01 (10:00) |
なすの272号 | 272B | 郡山⑪ | 10:37 | 東京㉒ | 12:16 |
回送 | ? | 東京㉒ | 12:28 | 郡山 | ? |
なすの292号 | 9292B | 郡山 | 16:11 | 東京㉒ | 17:56 |
なすの265号 | 265B | 東京㉒ | 18:08 | 那須塩原~ | 19:20 |
ダイヤ改正以前のなすの290号を継承した臨時列車パターンで、設定日の多さが嬉しいところです。
往路の客扱いはありませんが、需要がある時間帯でもないので妥当なところでしょう。
変①-2運用
やまびこ202号 | 202B | ~仙台⑬ | 6:06 | 東京㉒ | 8:16 |
なすの253号 | 253B | 東京㉒ | 8:28 | 郡山⑪ | 10:01 |
なすの272号 | 272B | 郡山⑪ | 10:37 | 東京㉒ | 12:16 |
はやて337号 | 4337B | 東京㉒ | 12:28 | 盛岡⑭ | 15:11 |
はやて358号 | 4358B | 盛岡⑭ | 15:25 | 東京㉒ | 17:56 |
なすの265号 | 265B | 東京㉒ | 18:08 | 那須塩原~ | 19:20 |
臨時の4337B/4358Bは片道客扱・片道回送で同時設定はありません(おそらく清掃都合)が、臨時列車ながら希少なはやて号に充当されて往年の全席指定席で運転されます。
ダイヤ改正前と全く同一の設定となっていますが、上りの列車番号が変更されています。
②運用
なすの268号 | 268B | ~那須塩原⑤ | 8:17 | 東京㉑ | 9:28 |
やまびこ55号 | 55B | 東京㉑ | 9:40 | 盛岡⑫ | 12:54 (12:55) |
やまびこ60号 | 60B | 盛岡⑫ | 14:07 | 東京㉒ | 17:24 |
やまびこ215号 | 215B | 東京㉒ | 17:36 | 仙台⑫~ | 20:09 |
臨時はやて号同様に、やまびこ号も列車番号付番が変更となっていますが、運転時刻は継承しています。
やまびこ55号について、5054B,5054M(はやぶさ+こまち54号)設定日に盛岡駅到着時刻に時刻変更があるようですが、因果・詳細は不明です。
コメント
この運用表、何を見て作成しましたか?
おそらく現時点でJTB時刻表しかないものと思われますが(JR時刻表やJR東日本が公表する時刻表には2月21日時点で表示がないため)、JTB時刻表は雑誌のため最新号の引用は1ページまでしか許されていません。
この運用表を作るには、少なくともJTB時刻表の特集ページ2ページが必要になりますので、著作権法および関連政令により明確な著作権侵害にあたります。何千万円もの損害賠償を請求される可能性もあります。
直ちに削除しない場合、JTB時刻表を発行するJTBパブリッシングに通報させていただきますので、悪しからず。
以前にも類似のコメントがありましたが、すぐに同一人物と判別できないため、念のためご指摘の件につきまして回答します。
時刻表のデータ=運行計画を作るのは鉄道会社です。
時刻表を販売する各社はその運行計画を見やすいレイアウトにして出版することにより「編集著作物」を発行しています。
「事実」については著作権が発生しないという判例に基づき、時刻表についても「事実」に当たる部分については著作権保護の対象にならないという解釈が一般的です。
反対にページレイアウトなどは各出版社の「編集著作物」ですので、そのままの利用は著作権保護の対象です。
(記事公開日現在、時刻表を巡る判例はありません)
以上を差し引いても、著作権法が定める非親告罪化された問題がないことは明らかです。
鉄道事業者・出版社などからの要請等があれば掲載取り下げ・内容修正をする可能性はありますが、それを判断するのは貴殿ではありません。
また、ダイヤ改正以降の使用車両ですが、ダイヤ改正まで1ヶ月を切っており、指定席券売機・えきねっと等の座席発売区画・両数などからも判別が可能なものとなります。
明確な著作権侵害……とコメントをされていますが、事実に反する内容です。
当方への威力業務妨害行為に当たる可能性があります。
小手先の法律知識でコメントをされる前に、ご自身の行動を見直されてはいかがでしょうか。