【ありがとうMax】上越新幹線E4系淘汰〜E2系も置き換え本格化へ・今後の動向考察

スポンサーリンク

JR東日本では、2021年10月2日より、上越新幹線のE4系“Max”置き換え完遂により、運用車両をE2系とE7系に整理されます。

しかし、年度後半以降もE7系の投入が予定されており、2022年3月改正では更に置き換えが進むこととなりそうです。

E4系の置き換えと長野幹セ水没

上越新幹線では、E4系“Max”とE2系を使用して運行されていました。いずれも経年15年〜20年と、新幹線車両としては経年車です。

特にE4系は2階建て16両の圧倒的な輸送能力により、新幹線通勤を支える強力な車両でした。その巨大な車体に魅了されたファンも多い車両です。

上越新幹線の置き換えは、2018年度より北陸新幹線用のE7系を上越新幹線にも投入することで、現行形式の置き換えを進めることとされました。

2017年4月の発表(外部PDF)では、2018年度から2020年度までに11編成を投入・先にE4系を2020年度までに置き換えることが示されています。

上越新幹線では最高時速を240km/hとされていた大宮〜新潟間について、275km/hへの向上をすべく改良工事が行われていました(外部PDF)。

この際、2022年度末に上越新幹線へのE7系投入完了により、上越・北陸新幹線の使用車両が全てE7系・W7系による運用に統一されることが示されています。

2019年の長野新幹線車両センター台風被害により、E7系8編成・JR西日本所有のW7系2編成が使用不能となりました。これにより上越新幹線向けに製造されていたE7系を北陸新幹線へ充当するとともに、上越新幹線のE4系の一部を延命することとなりました(過去記事)。

当初計画より半年程度遅れる格好となったものの、2021年10月1日を以てE4系“Max”の運用を終了することが発表されており、最後まで残された7編成には車体装飾もされて各種イベントが実施されています。

2021年10月の運用整理

2021年10月の運用変更では、E4系の運用を単純に置き換えるのではなく、E4系からE7系の直接代替のほか、E4系からE2系・E2系からE7系といった玉突き代替も行われています。例外的にとき302号がE7系からE2系に逆戻りとなっています。

プレスリリースでも「新潟・東京間を運転する「とき」は定期列車26往復中、16往復が「E7系」による運転」と記述しているように、E7系新潟発着の「とき」へ優先的に投入する意向が伺えます

E7系の投入初期にも同様の傾向がありましたが、グランクラスの収益性や僅かに勝る収容能力などが背景に想像できます。

2021年度後半の車両投入

記事公開日現在は2021年度投入分のうちF32,F33編成とF40〜F43編成が登場しており、ダイヤ改正後のE7系の運用は9運用前後と3〜4運用程度増加しています(現行の運用数は北陸新幹線扱いのたにがわ号を除くと5運用)。

E4系の運用がなくなる以外にも、E2系の運用も1運用削減出来ているように思えます。E4系7編成の廃車のほか、E2系にも1編成程度の廃車が発生するかもしれません。

想像される今後の動向

2021年度の動き

2021年度に投入されるE7系は10編成とされており、E4系の代替以降も5編成が年度内に姿を見せることとなります。2022年3月のダイヤ改正でE2系の運用の一部を置き換えることとなりそうです。

また、過去の労組資料では2021年度にE4系全車のほか、E2系40両も年度内に廃車とすることが示されています

このほか、2021年度には1編成だけE5系も増備されることとなっており、このU46編成は記事公開日現在、製造元の川崎重工業兵庫工場から輸送中です。

3往復のみ残されているE2系単独運転のやまびこ208号〜207号・やまびこ218号〜221号などをE5系に持ち替え、E3系併結列車以外をE5系に持ち替えることが狙いとなりそうです。これにより1〜2編成の廃車が可能となりそうです。

そして、残りの2〜3編成相当が新潟新幹線車両センター所属のE2系廃車と考えられます。除籍となるのが次年度となるだけで、2022年3月改正時点でそれ以上の代替が行われるものと見られます。

2022年度の動き

次の2022年度に当初から発注されていた編成・残りの水没代替編成が出揃えば、E2系の淘汰予定とされていた2023年3月改正で上越新幹線のE7系統一という当初の計画に合わせる狙いが伺えます。

これまでのいずれかのタイミングで、新青森延伸で増備された経年の浅いJ70〜J75編成(フルカラーLED・コンセント設置の編成)を再度仙台へ転用する動きが自然です。八戸延伸に向けて製造されたJ69編成以前は2023年3月改正以降は5編成程度を除いて淘汰されることとなりそうです。

単純に考えればJ65〜J69の2004年〜2005年製造のグループが残存でしょうか。

2022年度下半期には山形新幹線向けの新形式・E8系の登場が予定されています。デビューは2024年春とされており、しばらくは試験が行われることとなりそうです。

2023年度以降の動き

そののちの2023年度は、年度末にデビューとなるであろう山形新幹線向けのE8系の投入とともに、相方となるE5系の増備が再び進行することが想像できます。

2023年度末にはE3系のうち1000番台のL53〜L55編成も姿を消しそうです。

ここまでの時系列は概ね納得がいくものの、既存の東北新幹線のE2系と山形新幹線のE3系は分割・併結の度にペアが変わる運用体系です。

移行期間となる2024年3月・2025年3月改正ではE2系かE3系の運用を修正してE2系+E3系とE5系+E8系のペアで揃えるのか、E5系+E3系2000番台やE2系+E8系のような過渡期限定の組み合わせが見られるのかがファンにとっての関心ごととなりそうです。

関連記事

コメント