【山形新幹線】新型E8系投入!既存+2編成の増配置・2022年秋に落成

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以前より各メディア報道で話題となっていた山形新幹線新型車両の概要が発表されて話題となっています。

当サイトでは報道発表の時点で背景考察を行っており、無事ほぼ合致していましたので、今回のプレスリリースの行間を読む考察をしていきます。

“鼻”の長さは9m!座席はやはり減少

今回発表されたE8系最大のポイントは、時速300km/hまでという中途半端な営業運転速度と、それに対応するためにノーズ部分の長さが9mに延長された点でしょうか。

E3系では6mのノーズで275km/h運転・E6系では13mのノーズで320km/h運転でしたので、座席数の確保と走行性能向上のバランスから、新たな速度帯の設定に至ったものと考えられます。

こまち号の世代交代では、E3系6両編成をE6系7両編成とすることで同等の輸送力を確保したものの、山形新幹線は編成長をこれ以上延ばせないという制約がありました。

そのため、ノーズ延長分はそのまま座席定員減少となっています。

グリーン車については、車掌室・多目的室といったバリアフリー設備を12号車に移しているからか、現行E3系23席・E6系22席より1列増の4列シート×7列の26席構成となりました(車椅子対応区画の2席化は他路線同様のため、E3系比での増加数は3)。

その一方で座席数が大きく減らされた普通車では、371席から329席と42席減少となります。

自由席の収容力が高い1000番台に比べると50席の減少となります。

1編成目は量産先行車?S14編成登場?

第一編成の登場は2022年9月以降としているものの、営業運転開始は2024年3月からとなっています。

1年半ものブランクがありますので、試運転期間を多めに取っているものと思われます。

JR東日本の非営業車両では、歴代の試験車などを通算してS1〜から順番に編成番号を付与しています。

前回の量産先行車E6系ではS12編成、その後“ALFA-X”がS13編成となっており、今回のE8系第一編成についても量産先行車とされる場合は、S14編成として製造されることとなります。

E7系では高速化などの大きな変化がない堅実な車両だったためにいきなり量産となりました。

E6系より性能控えめのE8系で走り込みがどれだけ必要かは不明ですが、9mノーズで300km/h運転という点の騒音問題懸念があるのでしょうか。

座席配置・速度帯が違う……“スーパーつばさ”登場?

E3系とE6系では、それぞれ日ごとの計画代走は臨時列車でありましたが、定期列車では“スーパー”の名前を冠してダイヤを差別化・置き換え完了前に高速化ダイヤとなりました。

E8系についても、40席以上の座席数減少もありますので、別ダイヤ・別運用として稼働させる方が合理的でしょう。

秋田新幹線の世代交代同様に、山形新幹線でも一時的に別名称を付与する可能性もありそうですね。

2編成の増配置でE3系“こまちタイプ”もピンチ?

今回のプレスリリース発表での新たな判明点のその他ポイントとしては、置き換え対象となるE3系1000番台3編成・2000番台12編成に対し、17編成の製造が明らかにされた点が目立ちます。

これについて、こまち色で2編成残存しているE3系0番台2編成の置き換えをする目的なのではないか?という推測があります。

現在やまびこ号・なすの号の増結車として活躍する彼らですが、こまち号E6系投入完了時点で車齢の若さを買われて残存しています。

余剰となる2000番台と比べると経年車である0番台2編成ですが、置き換え車が存在しないために今日も活用されています。

このE8系が山形新幹線の配置より2編成多いということで、彼らの今後を危惧する声も聞かれました。

しかしながら、E8系は先述のように座席数が減らされており、それと福島駅アプローチ線の増設(アプローチ線完成の方が一年遅い)を合わせた増発体制が組まれることは想像ができます。

編成定員がE3系の約9割となりますので、2編成増えても座席定員換算では従来の102%程度の輸送力です。

現状と同等の輸送力を確保した……という面が強そうですね。

また、山形新幹線向け車両と大々的にアピールしていること、福島駅以北の営業運転投入には一切触れられていないこと、誤乗対策が欲しいこと……などを考えると、可能性はそこまで高くなさそうです。

ただし、0番台が残存するかは微妙なところです。

E3系では、2000番台の車齢が0番台より3〜5年若いほか、コンセント設備・フルカラーLEDなど利用客にも嬉しい車両となっています。

とれいゆつばさ・現美新幹線などのイベント列車用途で残存している車両も含め、E3系同士での世代交代も十分に考えられますね。

次の新形式はE10系?北海道新幹線向け新形式か

JR東日本では、E5系・E6系・E7系体制=形式数整理を目標としてきたこともあり、新車自体の製造は続いていたものの、新形式の投入は久々になりました。

次の新形式登場は、新幹線札幌延伸となる2030年ごろまでに、試験車“ALFA-X”の成果を反映した新形式となりそうです。

鉄道車両では“9”=試験車という原則がありますので、飛ばしてE10系にでもなるのでしょうか。

また、E5系とE6系が同世代なように、この頃にはE6系代替車が登場することとなるでしょう。

ALFA-Xが目指す高速運転には付属編成にもなるこまち号の速達化が必須となりますので、北海道新幹線札幌延伸より前に更なるミニ新幹線の新形式=E11系?も登場するかもしれません。

また、先代の試験車FASTECH360シリーズでは、ミニ新幹線サイズのFASTECH360 Zの騒音対応などの成果からE5,E6系の320km/h運転に落ち着いた経緯があります。

ALFA-Xのミニ新幹線版の試験車が登場する可能性もまだまだありますので、今後の展開にも期待したいところです。

今後は東北・秋田系統(速達性を重視)⇔上越・北陸・山形系統の交互15年〜20年サイクルに落ち着きそうですね。

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写真:JR東日本プレスリリース引用

コメント

  1. まりまり より:

    400系とE3系がつばさで混在していた頃は、座席数が違うのに共通運用だったからなぁ…
    移行段階であってもE8系が独立運用のみになるとは思えない…

  2. RYU より:

    ちょっと気になったのは、「E5系と併結した上で300km/hで運転する」という点ですかね。
    これは「併結相手となるやまびこも300km/hで運転する」ということです。
    このため、仙台までの所要時間も全体的に短縮されると思われます(仙台以北まで速度を上げるかは微妙)。

    編成増については、1編成当たりの座席数減少をカバーするためでしょうね。
    一時的には厳しいでしょうが、2026年度に完成予定の福島駅改良工事が終われば、全体の座席数が減っても今以上の運用効率化が出来るでしょう。