中央線から東海道線への転用改造・機器更新工事が続けられてきたE257系0番台。
今回、比較的最近まで波動用輸送を続けてきたM-102編成がNA-02編成として長野総合車両センターを出場、新たな所属基地となる大宮総合車両センター東大宮センターへ向けて回送されています。
一方で、今後の動向が注目される0番台波動用3編成のうち、M-107編成が長野総合車両センターへ回送されています。
いよいよ大詰め!E257系2000番台
E257系の東海道線転用にあたっては、中央線特急「あずさ」「かいじ」などで活躍していた0番台の基本編成16編成のうち13編成が機器更新工事を同時施工で2019年冬ごろから進められてきました。
このほか、房総特急「わかしお」「さざなみ」「しおさい」などで活躍していた500番台4編成が加わっています。
最初の編成が登場したのは2019年3月・デビューは2020年3月ですが、現時点では251系代替分となる3編成を除いてまだ営業運転を行っていません。
2021年1月25日に松本車両センターM-102編成が大宮総合車両センター東大宮センターNA-02編成として転用工事を終え、長野総合車両センターから所属区へ向かっています。
これにより、残工事があった(初期に改造した車両は工期不足により中途半端な状態で出場)NA-09編成の追加改造を除き、基本編成13編成の転用工事が完了することとなりました。
雪国育ちの0番台ならではの連結器カバーですが、2000番台でも転用後しばらく取り付けられていたものの、デビューする前に全車外す動きがあり、その後改造を終えた編成は出場回送を最後に取り外されています。
このため、2000番台が連結器カバーを取り付けた姿は今回の出場回送を最後に見納めとなりそうです。
現在まで所属区のほか、尾久・新潟・国府津・幕張・長野などJR東日本管内各地の特急車の扱いに長けた拠点に疎開をする動きが続けられており、機能保全(旧来の月検査に相当)のため時折各線区を走る姿を見ることができます。
デビュー前ならではの光景で四季折々の景色とのコラボレーションを楽しませてくれましたが、この一連の回送列車も2021年3月改正に前後する格好で見納めとなりそうです。
このほか、付属編成2500番台の動きでは、静岡を拠点に運行されていたJR東海静岡支社の乗務員訓練ですが、新たに沼津を拠点に函南駅〜東田子の浦駅間の走行となっています。従来が静岡運輸区・最近が沼津運輸区の乗務員訓練とみられており、この訓練が終われば従来踊り子号の熱海駅〜三島駅間を担当している両区の乗務員訓練が終了することとなります。
改造途上のマリNB-13編成→オオNC-33編成が秋田総合車両センターでの構内試運転が行われており、あとはNB-14編成→NC-34編成の転用改造で付属編成も出揃うこととなります。
いよいよ波動用編成にも動き?
同日となる1月25日には東大宮センターから長野総合車両センターへ向けて、波動用編成の1つであるM-107編成が回送されています。
引き続き波動用編成としてM-105・M-107・M-111の3編成が登場時からの「武田菱」デザインで団体臨時列車・季節の臨時列車などで活躍していますが、こちらについても今後の動向が注目されています。
これまで長野総合車両センターでは機器更新と転用改造を同時に進める体制が組まれていたほか、秋田総合車両センターでも同様の動きとなっていました。過去の秋田総合車両センター内の掲示ではE257系の転用・機器更新については2021年上旬まで続けられるように取れる記載でした。
このことから、今後もしばらく使用する波動用の0番台・500番台については機器更新工事や外観の統一を図るのではないか?と推測する声がありました。
長野総合車両センターへの回送自体は疎開の動きという可能性を排除できず、現時点では今回の回送が入場を目的としているかどうかは断定できません。ただし、機能保全から2週間程度と、これまでの疎開にしては中途半端な日程となっていることから、何らかの動きが始まるかもしれません。
仮に入場・機器更新が実際に行われると仮定した場合のメニューを考えます。
まず、E257系はこれまでの付番で0番台から3500番台までを使用しており、慣例に基づいて4を飛ばして5000番台。5両編成は5500番台といったところでしょうか。
現在のNA編成が1~13・NC編成が31~34となっており、ぽっかり空けられている20番台の使途と辻褄が合います。
車号は原番号+5000・編成番号は若い方から詰める……という2000番台・2500番台の慣例に基づけば、モトM-105→オオNB-21・モトM-107→オオNB-22・モトM-111→オオNB-23辺りが付与されることとなりそうです。
車両の仕様については疑問点が多く挙げられます。2000番台のような機器更新とともに内装についてもモケットなどある程度は近い工事がされるかと思われますが、予想がしにくいのが特急代走を想定するのか、波動用に特化するのかという点です。
E257系0番台の特徴的な半室グリーン車はそのまま維持するのか、2000番台の代走に備えて全室グリーン車とするのか。はたまた波動用に特化してモノクラスとしてしまうのか。
波動用に特化する場合は、工事費用削減のためにコンセント設置・座席指定ランプ設置などを省略する可能性も。
外観塗装についても、2000番台とは変えてくるのか、かつてのNA-09編成のような白黒塗装となるのか。それとも現行塗装を維持するのか。
現時点ではどのようなメニューとなるのかはさっぱり想像がつきません。
そもそも今回の回送が入場を伴うものなのか、昨今の運休で疎開をする動きに留まるのかは定かではありませんので、今後の動向に引き続き注視したいですね。
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