今までJR東日本・長野総合車両センターと秋田総合車両センターにて中央線→東海道線転用改造が順次施工されて話題を集めているE257系。
尾久車両センターに疎開留置されていたM-108編成が逗子・総合車両製作所に回送されて話題となっています。
ここまでの動きをおさらいするとともに、入場経緯を探ります。
E257系転用工事の概要
過去記事でも既に触れていますが、中央線特急あずさ・かいじ号で使用されていたE257系0番台の基本編成を対象に、機器更新工事を施工の上で東海道線特急踊り子号をはじめとする優等列車(湘南ライナーについては特急化→特急おだわら号と見られています)にて運用するため、転用工事が順次施工されています。
完成後の改造メニューは下記の通りですが、執筆日現在、改造が完成している編成は存在しません。
外装関連
E261系に似たサファイアブルーと白の塗装
ヘッドライトのLED化・形状変更
荷物棚部分の窓埋め
床下機器更新
3号車にホロ設置(500番台が繋がる向きに変更)
内装関連
いわゆるスワローサービス用の座席ランプ取り付け
シートモケットの交換
サロハE257のサロ化(普通席部分24名→グリーン席20名で既存部分との合計定員48名)
各編成の動き
記事公開日現在の様子を纏めています。
しかし、M-109編成のように尾久と松本を行き来していながら運用に入っていない編成がある一方で、当初から貸し出しと見られていたM-105,107編成に加えてM-102,111編成が中央線臨時特急運用に充てられるなど、運用中かどうかの扱いは曖昧なところがあります。
最終的には3編成程度が波動用として残るとされており、現行塗装で直近に検査出場をしたM-105,107,111の3編成が対象と推測できます。
波動用運用中 | M-102 M-105 M-107 M-111 |
未改造で疎開中(疎開場所) | M-101(塩尻大門) M-106(長野駅) M-114(長野車両セ) M-115(長野車両セ) M-116(新潟車セ) |
改造施工中(入場場所と入場順序) | M-108(総車①)→NA-06 M-109(長野④)→NA-07? M-110(秋田②)→NA-08 |
出場配給後疎開 (出場直後の疎開場所) | M-103(秋田①)→NA-03(尾久) M-112(長野①)→NA-09(東大宮) M-113(長野②)→NA-10(尾久) M-104(長野③)→NA-04(津田沼) |
総合車両製作所入場は計画外!?
そもそも、この転用改造は当初から長野・秋田の2箇所での施工を想定していたと思われます。
組合資料から推測出来るものの、断定には至りません。
裏付けるとするならば、塗装試験を実施していたのが現在改造が進行している長野・秋田のみで目撃されていたことが挙げられるでしょうか。
NA-09編成登場間際の組合発表や、出場してきた2編成の改造未了からも分かるように、改造工期の設定が厳しかったために残作業が発生しているまま東大宮・尾久に配給輸送されています。
これについて、組合情報より(少なくともNA-09編成については)追い追い長野総合車両センターにて再改造をする・それまでは松本車両センター所属扱いのままとする旨が明らかになっています。
しかし、そもそもの改造工期がぎりぎりな中で再改造をする余力があるとは到底考えられません。
以上の経緯を踏まえると、今回のM-108編成の入場は改造遅延を補うために自身の工場での改造に踏み切ったと考えることが出来るでしょう。
今後もこういった編成が複数発生するのか、当初の1編成あたりの改造工期=60日分の余裕を使って既存編成の残作業を完遂させるのか、引き続き注目が集まります。
余談ですが、今回入場したM-108編成は近畿車輛製の編成です。
里帰りとなる東急車輛が製造した編成……という選定もされなかったところからも、本当にやむを得ない対応だったのかな、という邪推も出来ますね。
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動画資料集
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コメント
改造遅延というか、元々そういう計画です