【常磐新線】つくばエクスプレスが8両化を発表・止まらぬ利用者増

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つくばエクスプレスでは、開業以来利用者増が続いており、増発・編成数の増加を続けていました。

今までは列車本数増による対処が続いていましたが、ここにきてついに8両化という大規模投資に踏み切ることになり、話題となりました。

少子高齢化社会が叫ばれるなかでのつくばエクスプレスの快進撃に迫ります。

常磐新線建設の経緯

現在の首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス線は、計画当初は第二常磐線→常磐新線という名称で計画が立てられました。

その仮称の通り、常磐線の混雑緩和の為の通勤新線として計画され、現在の路線網から更に土浦駅までを結ぶ構想となっていました。

そのうち、鉄道空白地帯であったつくば市を終着として認可・着工しています。

常磐線が交流電化区間が多い要因として、石岡地磁気観測所が直流電化で影響を受けることを避けるという経緯がありましたが、この常磐新線についても守谷駅~つくば駅間は交流電化にて建設されています。

開業当初計画では13万5千人という利用予想で計画されています。

開業前の計画を裏切る利用者増

2005年(平成17年)に開業したつくばエクスプレスは、最高速度130km/h、関東では久々の完全な新会社での鉄道路線開業とあって、大きな注目を集めました。

他社線などとも独立した路線で、ホームドアの採用やATO=自動列車運転装置の使用など、当時の最新技術もたくさん採用されているほか、既に市街地として成熟している街を通る鉄道という特性上、地下や高架を採用・踏切ゼロとなっています。

通勤路線という当初の目的のほか、筑波山観光需要もあって開業以来乗客増が続いています。

初年度の利用者数は15万人超え、2009年度(平成21年度)では開業20年後の単年度黒字という当初計画をあっさり達成しました。

すぐに利用者が急増したため、開業以来毎年のように増発・運行区間延長といった明るいダイヤ改正が行われています。

増備車投入や、苦肉の改造も

当初の計画を大きく上回る需要に応えるため、増発が続けられてきたつくばエクスプレス。

使用編成数についても、直流電化区間の守谷駅以南専属のTX-1000系15編成・全線運行可能なTX-2000系16編成という布陣で運行を開始しましたが、2008年度(平成20年度)にTX-2000系を4編成、2012年度(平成24年度)にも3編成が追加投入されています。

開業初年度は15万700人だった利用者も、2017年度(平成29年度)には37万2百人と急増しており、東急田園都市線のような最優等列車をラッシュ時に運転しない平行ダイヤの投入・つくば駅まで直通できるTX-2000系で導入されていた、行楽需要や長時間乗車需要に応えるボックスシートのロングシート化などの改造が行われ、早くも設備側の当初設計を超える混雑となっています。

このロングシート化も、当初は23編成のうち7編成(=おそらく増備車7編成)については改修対象には入れられていなかったものの、翌年度計画では対象とされるなど、苦肉の策という感じが見て取れます。

特にこの増備車では天皇陛下がご乗車されたお召し列車が2回運転された実績もあったので、本当は様々な用途を考えて残したかったのではないでしょうか。

2020年(令和2年)3月には、運行開始後初のフルモデルチェンジ車両である交直流電車TX-3000系5編成の投入も発表され、朝ラッシュ時の運行本数も25本/hまで増やされるとしています。

12本もの増備車でも賄えない深刻な利用者増

以上のように、大規模な増発とそれに合わせた増備車を投入し続けていましたが、それでもまだまだ利用者数の増加が続く見通しとなっていることや、秋葉原駅の1面2線という構造上これ以上の増発が困難であることから、2019年(令和元年)5月末に8両編成化事業が正式に決定しました。

開業から3年目の2008年(平成20年)には既にホームの8両編成対応が始まっており、今回の発表はやっと……というのが沿線利用者の感想でしょうか。

日本中の鉄道会社が今後の人口減少時代を見据えた中長期計画を立てている中で、利用者増加が止まらないという計画を打ち出している鉄道会社はここくらいですので、かなり特異でしょう。

このほか、開業当初からの検討課題である東京駅延伸に加え、東京都中央区が提唱する都心部〜臨海地域地下鉄構想との相互直通計画が交通政策審議会答申に2016年(平成26年)から盛り込まれています。

北側については茨城県自身が消極的であるものの、地域住民からはつくば駅から土浦駅・茨城空港・水戸市への延伸の要望も。

つくばエクスプレスの快進撃はまだまだ止まりそうにありません。

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