【ダイヤ改正2024】北陸新幹線敦賀駅延伸 定期列車ダイヤが公表

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JR東日本・JR西日本は2023年12月15日、翌2024年3月16日に実施するダイヤ改正の概要を公表しました。

最も大きな話題とも言える北陸新幹線の金沢駅〜敦賀駅間の延伸について、全定期列車の時刻が示されました。

いよいよ開業!2024年3月16日ダイヤ改正

北陸新幹線敦賀駅延伸が来春に迫り、2023年12月15日には開業後のダイヤが公開されました。

車両・設備の整備も順調に進んでいるようで、すでに現地では試験走行を行う列車の姿も見られます。

JR東日本から「2024年3月ダイヤ改正について」(外部リンク)として、JR西日本から「2024年春のダイヤ改正について」(外部リンク)として公表されたリリースでは、2015年3月の長野駅〜金沢駅延伸開業時と同様に全定期列車の運転時刻が別表で掲載されています。

JR東日本・JR西日本とも「かがやき」「はくたか」と「つるぎ」「サンダーバード」「しらさぎ」「能登かがり火」が別表とされていますので、1枚の時刻表形式にまとめてダイヤ構成を読み解いていきます。

北陸新幹線と北陸本線は現状「上り」「下り」が逆となっています。

北陸新幹線は「下り」が東京駅から敦賀駅へ向かう方向・「上り」が敦賀駅から東京駅へ向かう方向、

北陸本線(在来線特急)は「下り」が大阪駅から敦賀駅へ向かう方向・「上り」が敦賀駅から大阪駅へ向かう方向です。

公開された時刻表を眺める

今回の延伸では、東京方面で東京駅〜大宮駅間で東北新幹線・東京駅〜高崎駅間で上越新幹線と線路を共用していること、名古屋方面で「しらさぎ」が東海道新幹線「ひかり」と接続を前提としていること、大阪方面の「サンダーバード」もJR京都線内で新快速・貨物列車等と線路を共用していること……などダイヤ構成の制約が極めて大きい点が特筆されます。

これらの課題をどのように克服したのか、公表された時刻表を基に考察します。

これらの制約については過去記事で詳しく触れていますので、併せてお読みいただくとダイヤの実態がより見やすくなるかと思います。

・北陸新幹線下り(東京→金沢→敦賀方面)

画像を押すと拡大します・PDFでも閲覧できます

・北陸新幹線上り(敦賀→金沢→東京方面)

画像を押すと拡大します・PDFでも閲覧できます

かがやき

東京発着の最速達種別「かがやき」は金沢駅延伸が実施された2015年から10往復の定期運行が基本構成となっています(うち2往復は2022年度以降は臨時列車扱いとなっており、需要が回復してきた現在は毎日運転の臨時列車となっています)。

今回公表されたダイヤでも、大方の予想通り現行の「かがやき」のダイヤをベースに設定されています。

2023年8月に公表された運行計画概要(外部PDF)では、敦賀駅発着の「かがやき」9往復・金沢駅発着の「かがやき」1往復とされていました。

騒音対策で0時〜6時に運転する列車を原則設けない方針からも想像出来ましたが、金沢駅6時過ぎに発車する上り「かがやき500号」・金沢駅に23時半ごろ到着する「かがやき519号」の1往復が金沢駅始終着・それ以外の9往復が敦賀駅発着とされています。

・下り「かがやき」

・上り「かがやき」

概ね現行ダイヤをベースとされていますが、定期「かがやき505号」が現行の臨時「かがやき521号」ダイヤに・定期「かがやき517号」ダイヤが現行の臨時「かがやき539号」ダイヤとされています。

臨時列車の運転時刻が未公表のため推測も含みますが、「かがやき505号」(現行;金沢駅11:04着)を現行時刻で設定すると「つるぎ19号」(金沢駅11:05発・各停タイプ)と干渉してしまうこととダイヤ間隔が等間隔とならないこと、「かがやき517号」(現行;金沢駅21:51着)は金沢駅以遠への最終下り列車としては早過ぎる設定となることから変更されているものと推定されます。

当サイトでもダイヤ予想記事を公開していましたが、上記の理由により入れ替えると予想していたため至極納得のいく設定です。

意外だった点を挙げるとすれば、下り最速達列車を「かがやき503号」(東京駅7:20発)で設けた点でしょうか。需要が大きく臨時列車も行き交う時間帯に上野駅通過便を挿入する構成はJR東日本の傾向からはあまり想像しにくい設定でした。

加賀温泉駅,芦原温泉駅停車タイプの需要が見込まれる日中時間帯下り列車を最速達とするのを避ける狙いがあったことが想像されますが、都心部では「かがやき509号」が上野駅を通過することを前提にパターンが組まれていた余波からか発車時刻4分00秒間隔での発着が基本となっている東京駅の発着を後続「はくたか559号」辺りまで微調整した苦労の跡が時刻に残っています。

敦賀発着9往復のうち4往復が小松駅,加賀温泉駅,芦原温泉駅,越前たけふ駅の一部に停車するとされており、こちらは2往復が加賀温泉駅,芦原温泉駅停車便・もう2往復が小松駅,越前たけふ駅停車便となっています。

JR西日本としては公表していなかったものの、8月時点で福井県選出の滝波参議院議員がXのポスト(Twitterのツイート)で引用リツイートにより示されており、この通りとなりました。

列車選定としては小松駅,越前たけふ駅停車便は上下とも敦賀駅発着「かがやき」1本目と最後の1本で滞在時間拡大狙い、加賀温泉駅,芦原温泉駅停車列車はお昼どきに観光地に到着する下り2本・早めのチェックアウトで乗れそうな上り1本・観光をしたのちに帰るのにちょうど良い昼下がりの上り1本……と妥当な選定と言えそうです。

強いて挙げるならば朝の温泉駅停車はより宿のチェックアウト時刻に近い「かがやき508号」(敦賀駅9:21発)の方が好ましいですが、両駅に停車するため敦賀駅の出発を早めると先行する「つるぎ6号」(敦賀駅9:11発)と干渉してしまうことから「かがやき506号」が選定されたものと考えられます。

このほか、朝の上り列車で実施されていた長野駅での「かがやき」「はくたか」の緩急接続がなくなり、他の時間帯同様に続行運転とされています。

これにより長野駅でこれを行うのは定期列車同士だと夜間下りの「かがやき515号」と「はくたか573号」のみとなりました。現行「かがやき517号」のダイヤは臨時「かがやき539号」で使用されるものと見られますので、臨時列車を含むと同列車と「はくたか575号」でも実施されそうです。

はくたか

・はくたか下り

・はくたか上り

8月に公表された停車駅パターンから、現行ダイヤから大きな変更がない限り金沢駅以西まで運転される「はくたか」は、全て「かがやき」定期列車が設定されていない日中時間帯に運転されている列車であることも読み取れました。こちらもこれに倣って設定されています。

下り列車の選定は「はくたか561号」からの5列車となりました。

当サイトでは希望的観測も込めて敦賀駅発着「はくたか」と下り臨時「はくたか」や上り「つるぎ」との接続を取る予想記事を出しましたが、単純に不接続で先行するダイヤとなっています。

接続が可能となっていると遅延時に不接続となってなってしまった場合の対応が煩雑となってしまうので至極妥当な反面、運行本数が多いとは言えない区間で“ギリギリ乗り継げない”列車が多数発生している点・「はくたか」の運転時分から日中時間帯は臨時「かがやき」の金沢駅以西への延長も見込めない点は残念な印象です。

つるぎ

中京・関西方面への接続列車である「つるぎ」は富山・新高岡・金沢・福井・敦賀駅停車の“速達タイプ”が富山発着5往復・金沢発着4往復、“各駅停車タイプ”が富山発着13往復・金沢発着3往復、接続の在来線特急がない新幹線区間利用向けの列車が5列車と公表されていました。

・下り「つるぎ」と接続特急(富山→名古屋・大阪方面)

画像を押すと拡大します

・上り「つるぎ」と接続特急(名古屋・大阪→富山方面)

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「しらさぎ」「サンダーバード」両列車接続便を中心に各駅停車タイプ、「サンダーバード」接続便に速達タイプ、「かがやき」「はくたか」と延伸区間途中駅での緩急接続は行わない構成となっています。

名古屋・大阪から金沢・富山へ向かう列車では敦賀駅到着が「しらさぎ」「サンダーバード」の順が基本、金沢・富山から名古屋・大阪へ向かう列車では敦賀駅発車が「しらさぎ」「サンダーバード」の順が基本とされています。

この点は東海道新幹線接続がある「しらさぎ」、JR京都線内の新快速を縫って走る「サンダーバード」双方とも現行パターンを踏襲しています。

また、日中時間帯を中心に定期「サンダーバード」を臨時「サンダーバード」のダイヤに入れ替えるといった変更も納得の内容です。

区間列車は朝・晩に「かがやき」しか運行されいない箇所を補完する構成と、こちらも至極妥当な設定です。

当サイト予想記事とも大枠は合致していましたが、定期・臨時の入れ替え箇所や始終着駅など二分の一を読み外した箇所もありました。

基本的には先述の条件に則ってダイヤが構成されていますが、「つるぎ49号」が金沢駅で「かがやき515号」の待避をする点や、「しらさぎ59号」(敦賀駅18:26着)から「かがやき516号」(敦賀駅18:36発)に乗り継ぐことも可能となっているなど、なるべく避けているものの「つるぎ」での接続が一番速い……の例外が僅かながらにある点にダイヤ作成の苦心を感じます。

特に後者は乗り継ぎ時間10分と余裕があるものの、公表されたリリースの最速達より所要時間が短いことから“無かったこと”とされています。

希望的観測を込めていた始発上り・最終下りの「サンダーバード」に調整を加えて京都・大阪での滞在時間を最大限に確保する……といった構成とならなかった点は少し残念に感じました。拡大するなら事前に告知していたでしょうし、この辺りはアーバンネットワークの列車密度の高さからやむなしといったところでしょうか。

何箇所か疑問点もありますが、臨時「つるぎ」「サンダーバード」が公表される春の臨時列車発表でダイヤ構成の全貌が見えてきそうです。

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