【暫定運用か】伊豆急3000系が営業運転開始!当面は4両編成

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伊豆急行では2021年度にJR東日本から209系2100番台を譲受し、3000系として長らく整備が進められてきました。2022年4月30日より定期運用を開始しました。

出発式・リース付きヘッドマークで“再出発”

2021年7月6日に実施された甲種輸送までその計画がベールに包まれていた伊豆急行の209系譲受計画ですが、それ以降も小出しに情報発信がされており長らくファンの間で楽しみにされていました。

2022年4月29日の試乗会・撮影会ツアーを終え、30日の5633Mの伊豆高原より車両交換を実施する格好で営業運転が開始されました。

伊豆高原駅の2番線では事前発表(外部PDF)通りリースの飾り付けやフラダンスの披露などの出発式が開催され、沿線内外から多くのファンが訪れていました。

発表通り営業列車ではヘッドマークは取り外されている一方で、発車直前に本来の5633M表示から0001表示に変更されました。1番列車であることを示したものでしょうか。

運用はあくまで暫定的?

運転日列車番号始発駅発車終着駅到着
毎日 ※5633M
高原〜
伊豆高原9:51伊豆急下田10:34
毎日 ※644レ伊豆急下田11:00伊豆高原11:49
平日 ※649レ伊豆高原15:29伊豆急下田16:16
平日 ※704レ伊豆急下田16:25伊東17:42
平日 ※661レ
〜高原
伊東18:06伊豆高原18:33
※4/30〜5/15のみ・5/13は8000系

4月30日から5月15日までの間は、日中に伊豆高原〜伊豆急下田駅間を1往復・平日のみ夕方に伊豆高原→伊豆急下田→伊東→伊豆高原駅でのみ走行する限定的な活躍とされています。

入線を済ませている伊東駅には平日のみ乗り入れが設定されているものの、伊東線内での営業運転を避け、かつ4両編成で運用される体制とされています。

現行ダイヤは平日・土休日ともに普通列車の時刻は同一ですが、平日であれば車掌が全区間乗務でき、土休日だとツーマン運転必須の特急臨時便が走る都合で8000系によるワンマン運転(+一部区間で運賃収受を実施)をする必要がある……といった事情が想像できます。

いずれも8000系の運用の一部で使用される体制となっており、これだけでは8000系の所要数削減には影響が出ない状態です。

2022年3月のダイヤ改正では5633Mとして熱海駅から伊豆急下田駅までを1列車として設定されており、あくまで臨時的な車両交換を実施する取り扱いです。

これに加え、各駅ホームの案内表記は8両編成は常設を想定したものとされている一方で、4両編成はガムテープに手書きという短期使用が想像されるものとなっています。

これらの事情から、現在発表分の充当列車については暫定運用であることが確実な動向です。

過去記事では通常運用となり得る列車を記していますので、併せてご覧ください。

5633M表示も暫定運用限定となりそう?

JR東日本でも現車訓練を済ませているものの……

伊豆急3000系を巡っては、4月4日から7日にかけて伊東駅構内で熱海運輸区の現車訓練(実際の車両を用いた構内での訓練)が実施されている姿が目撃されていました。直近のE257系・E261系の訓練日数からも、一通りの乗務員さんが訓練を済ませているものと推測できます。

JR東日本ではE231系・E233系間では構内での訓練のみで済ませている事例があるものの、両区分のみの乗務経験がある乗務員に対して209系を運転する場合は本線上での乗務員訓練も実施しています。直近の事例である中央線の209系1000番台転属では、構内での訓練のみとしようとして現場の反対から本線上での訓練も実施することに変更されたことが労組資料に記載されていました。

一方で、基本的な機器構成は同一であろう相鉄12000系については、乗務を担当する新宿運輸区と、定期運用では乗り入れない埼京線乗務員(大宮運転区・車掌区)も対象に埼京線・川越線内での乗務員訓練も実施しており、現在も大宮運転区では技量維持行路を兼ねて新宿〜池袋〜板橋間の短区間を担当する体制です。

今回の伊豆急3000系の事例でも、伊東線は特急列車を除いて熱海運輸区の乗務とされており、209系または同等車両の運転実績はないものと考えられます。一連の暫定運用は乗務員訓練を完遂しないと伊東線での営業運転が行えない……といった事情がありそうです。

このほか、そもそもの車両譲受時期・ワンマンからツーマンへの変更といった取り扱い差異を考えれば、当初は2022年3月のダイヤ改正に向けて準備を進めていたと考えるのが自然です。

前日夜の撮影会では伊豆急行のハワイアンブルーの帯が掲出されたことなどから、当初は同色で整備をするつもりが「アロハ電車」としての仕様を決定するのに時間を要したことが一番考えやすいところですが、JR東日本からの部品調達や訓練日程の調整に時間を要したのかもしれません。

伊東線を8両で駆け抜ける姿がいつ見られるのか、営業運転では行われないであろう伊東線の4両での走行が見られるのか否かが今後の注目ポイントとなりそうです。

参考:伊豆急3000系のこれまで

リンクが設定されているものは当時の記事に移動できます。

7月6日
〜7月7日
元C609編成 6両
幕張→伊東 甲種輸送
7月7日元C609編成 6両
伊東→伊豆高原 回送
7月25日
〜7月26日
元C609編成 6両
伊豆高原→伊豆急下田 回送
8月28日
〜8月29日
元C609編成 6両
伊豆急下田→伊豆高原 回送
9月8日元C609編成 4,5号車
編成から外される
11月23日
〜11月24日
元C601編成 4両
幕張→伊東 甲種輸送
11月24日元C601編成 4両
伊東→伊豆高原 8000系牽引
12月11日元C601編成 4両
・元C609編成 4両
展示イベントで形式発表
1月28日
〜1月30日
元C609編成 4両
南伊東〜伊豆急下田 試運転
3月3日
〜3月4日
元C601編成 4両
・元C609編成 4両
南伊東〜伊豆急下田 試運転
3月4日アロハ電車 デザイン発表
3月23日Y1+Y2編成 8両
伊豆高原〜伊豆急下田 試運転
4月1日Y1+Y2編成 8両
見学会(伊豆高原・伊豆急下田)
臨時回送 伊豆高原〜伊豆急下田
4月3日Y1+Y2編成 8両
撮影会(伊豆高原)
4月4日
〜4月7日
Y2編成 4両
伊東駅構内 現車訓練
4月29日Y1+Y2編成 8両
試乗会&撮影会
団臨 伊豆高原〜伊豆急下田
4月30日 Y2編成 4両
営業運転開始

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