2018年11月3日 川崎駅ホーム拡幅に伴う線路切替工事が実施されました。
・工事期間の路線図
©️ときぱて JRの図は趣味的には分かりにくいので、実態配線に近い図を描いてみました。
趣味的な見どころの事前予想の記事もどうぞ。
・工事の概要
川崎駅では、ホーム上の慢性的な混雑が課題となっておりました。
2017年ごろより、貨物線があった頃の名残であった下りの側線を無くすことで、その分のホーム拡幅となりました。
線路は事前に新規で敷かれており、辻堂駅の拡幅などで採用例のある発泡スチロールではなく、鉄パイプと木材での仮設をしています。
今回の工事では線路1本分スライドするという工事内容となることから、旧線の撤去が必要であるためと推測されます。
・東海道線列車の迂回運行
上記路線図と前回記事を合わせてお読みいただければ幸いです。
事前予想と異なる点としては、今までの品川駅等の改良工事では旅客扱いされることのなかった、武蔵小杉南方〜新鶴見信号所〜鶴見〜東海道線という珍しい経路の列車が何本か選択されました。
迂回普通列車・踊り子号共に一部列車のみ使用となっているので、横須賀線の線路容量だけではなく、東海道貨物線か横浜駅どちらかでの交差支障が発生するバランスで適宜スジが引かれたものと推測されます。
また、プレスリリース外の迂回列車として、湘南ライナー運用戻しを兼ねた185系15両での普通電車が東京→武蔵小杉→国府津(保土ヶ谷・東戸塚停車・戸塚転線)にて終電発表時刻のあとに運転されています。
185系の全区間普通列車が運転されたのは踊り子102号の送り込みの乗り得列車、521Mがあった頃以来のものと思われます。
・スーパービュー踊り子1号→特急踊り子161号
新宿8:30発・スーパービュー踊り子1号は土休日に基本的に設定される半定期列車です。
こちらが185系で運転されるのは、251系の検査入場時以外は突発的な代走の時のみとなります。
今回の運転は、迂回運転の都合で251系が不足するため、185系での設定となっています。
新宿駅発の踊り子号、しかも自由席連結ということで、珍しい切符も買えます。
・臨時踊り子109号の迂回運転
この区間を走る185系自体は湘南ライナーで体験することができますが、明るい時間帯の下り列車と武蔵小杉駅停車シーンは貴重です。
この列車ならではの要素を……ということで、国鉄特急の王道・R27座席のグリーン車に乗車です。
こちらは185系の7両編成でのみ残存している座席で、この座席でこの区間となると、現在湘南ライナー10号で上るだけですので、品川→武蔵小杉間は相当貴重かと思います。
背もたれクッション増強・バケット化・背面テーブル増設・ひじ掛けテーブル撤去とだいぶ変わったものの、これだけでも歴史的な価値を感じます。
横須賀出発が開いているのもこの列車ならではです。
武蔵小杉駅で客扱いをする踊り子号も不思議な光景です。
特急券も武蔵小杉発着で購入できます。
普段はこんな経路の特急券は買えない!!と一部サイトで記述されていましたが、成田エクスプレスでこの区間自体の購入は可能です。
そんな武蔵小杉駅で購入した切符、熱転写式の指定席券売機で発券してみました。
こちらも残りわずかで、今年中に全廃となるという声もあります。
前面展望。
横須賀線迂回をしている臨時列車も西大井駅付近で離合しています。
臨時回送列車も運転されており、10時台の横須賀線は過密・12時台には若干の遅れも出ていたようです。
前面展望撮影するのにグリーン車……
新幹線並走する海側と、転線風景・対向列車が分かる山側を静かに撮影できるロケ車には丁度良かったのですが、ちゃんと運転台のカーテンが開いてたので無駄な心配に終わりました。
・スーパービュー踊り子5号の迂回運転
こちらでは武蔵小杉駅を【通過】するシーン。
毎日運転のスーパービュー踊り子3号・週末運転の同1号は武蔵小杉駅のホーム開業以来停車している一方、通過シーンは夜間のホームライナー小田原23号とその送り込み回送でしか見ることができません。
白昼堂々通過するのは貴重でしょう。
・スーパービュー踊り子2号と7号のすれ違い
通常のSV踊り子2号は東京駅9番線にて折り返してSV踊り子7号として運転となりますが、迂回運転で走行時間が延びるため、別の編成を使用しての運行となっています、
が、上り列車の遅れが推測の3分から5分に伸びてしまい、きれいな離合にはなりませんでした……。
実は、この有楽町駅付近で251系がすれ違う光景自体は3002M~3007Mで1~2年に1回程度、車両交換をする日にも見ることができますが、本記事では割愛します。
(詳細の記載は控えます)
この際も今回の東京~品川間は同じスジを使用しています。
・川崎駅の様子
川崎駅の当日の様子です。
線路・信号機に関してはすでにある程度準備が行われていましたので、ホーム拡幅と線路接続部の変更・架線の位置の変更が行われています。
今回の資材です。
以前の辻堂駅拡幅工事のように、大量の発泡スチロールを並べて仮設→後日、本設化という方法とならなかったのは線路撤去が入る都合と思われます(冒頭に記載)。
バラストの山。
今回は接続部分を人力で移動して準備してあった新線につなげます。
その接続部分用と思われます。
工事車両もここまで並ぶと壮観ですね。
拡幅後初の平日。
結構な規模の拡幅となり、劇的に改善しています。
残念なのは、下り線側の拡幅となったことから、階段等の位置の都合上、朝ラッシュの即日改善とはならなかった点です。
この辺は辻堂駅や横須賀線横浜駅などには劣りますので、今後の工事状況に注目です。
また、線路移設に伴って速度制限がかけられていますが、工事中の一時的なものと思われます。
・東京・横浜駅で折り返し運転
東京駅は常磐線系統が通常運行だったため、その合間を縫っての折り返しとなっています。
そのため、10番線からの上野方面列車など珍しい列車もありました。
また、横浜駅は配線上、通常上りホームとなる7,8番線の島を中心に使用となっています。
それで溢れる分については横浜〜鶴見間を回送で往復させて6番線に送り込む方法が使われ、これ自体は以前の品川駅改良工事でも見られた光景となります。
なお、折り返し列車が7番線となる関係で、迂回の上り特急は8番線となっています(8番線への分岐器速度制限の影響で、上り特急は横浜駅到着時刻が1分伸ばされています)。
・各路線の増発
横須賀線東京以南での増発と、京浜東北線の区間延長・増発が実施されています。
京浜東北線は全列車が臨時列車扱、横須賀線は増発列車が9***Mとして設定されています。
京浜東北線の列車は9000番台に。
横須賀線の増発列車は東京駅折り返しで設定されました。
武蔵小杉、ATOS上は東海道線列車と判定していましたが、これは東海道線が〇〇M、横須賀線が〇〇Sとしているからでしょうか。
コメント
過去記事に対してですが、、、
鶴見での南方への折り返しは配線上不可能です。
折り返す場合は新鶴見(以北)で行う必要があります。