【4両減産か】東京メトロ南北線9000系が8両化〜5次車は対象外に

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東京メトロは2023年12月13日、同月16日より南北線9000系8両編成の運行を開始することを明らかにしました。

あわせて既存編成への大規模修繕をすることも示していますが、8両編成化については当初と異なる計画とされている模様です。

遅れと計画変更?迷走する南北線8両化

初期製造車両は大規模修繕を実施済

東京メトロ南北線は営団地下鉄時代に路線の部分開業とその後の増発を行なって現在に至っており、この名残で東京メトロ9000系には20年弱の経年差が生じています。

コロナ禍前の2016年から2019年にかけて最初期に製造された1次車を含むA編成・B編成(9101F〜9108F)を対象に大規模修繕工事が実施されていました。

名称製造年次(年度)該当編成製造名目修繕時期備考
A編成試作車(1990)
1次車(1991-2)
01,03,05,07F1期開業2019年4両で落成
偶数編成電動車で6両化
B編成先頭:1次車(1991-2)
中間:2次車(1995)
02,04,06,08F1期開業(先頭)
四ツ谷延伸(中間)
2016〜2018年4両で落成
新製中間車4両で6両化
C編成2次車(1995)
3次車(1997)
09-13F
14,15F
四ツ谷延伸
溜池山王延伸
2023年〜計画対象
D編成4次車(1999-2000)16-21F目黒延伸計画対象
E編成5次車(2009)22,23F増発・予備確保計画対象外デザイン大規模変更
東京メトロの呼称は上記のA〜Eや2桁番号が使用されているようですが、記事本文は一般的に使用される91**Fで記載しています。

2019年には15編成分の制御装置・30両分の車体の発注予定が明らかになっていました(現在削除済)ので、少なくともこの2019年4月時点では15編成を8両化する計画だったことが確実となっていました。

2021年10月には最初の増結用中間車2両が川崎車両神戸本社(旧:川崎重工業兵庫工場)を出場しており、この時の車号が9409,9509となっていて9109Fへの連結が目的であること、外観から8両編成化と同時期に大規模修繕が実施されることが確実なものとなりました。

その後は9109Fは6両のまま大規模修繕をせずしばらく運用されたのち、2022年秋より新木場CRにて大規模修繕工事と8両編成化工事を実施。2023年10月に出場したのち、各種試験が実施されていました。

2023年12月13日、16日(土)より営業運転を開始することが東京メトロより公開(外部リンク)されたほか、報道公開により各媒体から詳細な仕様が明らかになりました。

またこれに併せ、対象車両が「09編成から21編成」「13編成において同様の車両工事を実施」と明記されており、5次車である9122F,9123Fの2編成が除外されたことが読み取れます。

なお、直通運転先の埼玉高速鉄道では、既存の2000系は引き続き6両編成で運用するとしている一方で、東京メトロ車両ベース・近畿車輛製造へ発注となる8両編成1本の導入が予定されています。

当初報道されていた有楽町線・副都心線17000系ベースでの導入は車両限界の問題から断念したとされています(外部報道)が、9000系増備車両は川崎車両が受注していることから今回の増結車両とも仕様は異なるものとなりそうです。

増備・修繕完了時期は非公表

今回の発表では、9109F〜9121Fの全13編成が大規模修繕・8両化を完了する時期についての明言も避けています。

南北線9000系の8両化が具体的に動き始めた2019年以前は、自社局保有車両の8両化に積極的だった東急電鉄・東京都交通局と消極的だった東京メトロ・埼玉高速鉄道の温度感の違いが注目されていましたが、東京メトロも自社保有車両の過半数を8両化する方針で落ち着きました。

報道では6両編成で大規模修繕を一旦済ませたのちに8両化を実施する編成も登場するともされています(外部リンク)。

予備車確保の観点から新木場CRで1編成ずつ実施されることが想像しやすい修繕工事と、複数編成分の中間車をまとめて搬入した方が輸送コストが抑えられることが明らかな中間車増結……といった事情で修繕工事を先行させることを前提としたメニューとした方が合理的なことも頷けます。

一方で、より積極的に実施したい施策であろう半蔵門線18000系の増備でさえ既存の8000系に追加工事をしてまで遅らせた近年の計画変更を考えると、東京メトロにとっては新木場CRの稼働に都合が良いタイミングで大規模修繕は順次実施しつつ、増結車両受領・増結は後回し……としたい本音も見え隠れしているようにも捉えられます。

1編成のみ8両編成としていても扱い勝手はあまり良くなさそうな印象です。6両,8両共通運用が一部に設けられて順次置き換えられる……といった2022年の都営三田線の事例に近い動きが考えやすいところです。

少なくとも1編成のみ8両編成という現状が次回の中間車落成までしばらく続くことは明らかで、平日1運用固定……などといった活用が想像できます。

再度の計画変更もあり得る動向

東京メトロ南北線を巡っては白金高輪駅から品川駅への延伸計画があり、2030年代半ばの開業を目指しています。

計画通りに進展すれば南北線9000系のA編成,B編成(1,2次車)は新造から35〜40年程度・大規模修繕から15〜20年程度と置き換え検討時期に入るだけではなく、E編成(5次車)も新造から25〜30年程度と未修繕のまま編成ごと淘汰するとすれば適当な時期にも差し掛かってきます。

ただし、近年の東京メトロでは平成初期製造の車両についてかなり長期間の利用を見越している傾向です。9122F,9123Fについては適切な更新時期となる2030年代半ばに改めて増結・修繕や豊住線ピストン用など他用途への転用……などといった選択の余地を残しているとすれば一旦計画から除外するのも妥当な印象を受けます。

一方で、大規模修繕工事のメニューが9108F以前と比較して簡略化されている点も疑問符がつくところです。

リニューアルメニューの簡略化は一般的には延命想定期間が短くなった場合に実施されますが、今回の各種報道ではこれらを類推出来るようなものともなっていません。単純に近年の収支から予算を削減しただけといったなのか、初期車の代替時期に集中的に代替することも考慮に入っているのかも断定は難しい内容となっています。

東京の地下鉄では大規模修繕が“B修繕”で、その間に“C修繕”を挟むことが知られています。次回の“C修繕”でやや省略気味となった内装の改善も行われるかもしれません。

車両増結と既存車の経年差が大きい上に計画が遅れて……といった動きは現在の中央線快速電車グリーン車も同様ですが、東京メトロも計画の遅れとそれに伴う微調整こそあっても8両化自体は今後もゆっくり進行することとなります。

9000系の今後は品川駅延伸はもちろん、豊住線や他路線の車両更新とも関連があり得ますので、社内でもこれら2路線の建設・開業時期が固まるまで様子を見ている……つまるところ本当に文字通り「未定」となっているのが実態でしょうか。

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コメント

  1. 拓美 より:

    中央線G車と同じやり方?

  2. ホロウィツィック より:

    南北線が東京メトロで最も混む路線になってしまった以上、増結しないわけにはいかないでしょうね。
    ただ、2〜4次車で欠車になっているのが4・5号車なのに対し、5次車で欠車になっているのが3・5号車と仕様が異なるために増結を見送ったとすると、来年には5次車用の別仕様の増結車を発注することもあり得るのかも、と思えます。