
鉄道が好きな方なら一度は目にしておきたい「お召し列車」。
日章旗を誇らしげに掲げ、厳戒警備のなか颯爽と走り抜けていくお召し列車はかっこいいの一言です。
2019年夏、令和最初のお召し列車が運行予定と思われる動きが出てきましたので、気になるポイントをまとめてみました。
8/1に東京→伊豆急下田駅間で運転されました。公務のご都合から、夜遅いスジでの運転となりました。
E655系の試運転が始まる
お召し列車が運行される線区では、本運転で使用される専用車両・E655系を使用した入念な乗務員訓練が行われます。
運転士さんは各運転区所のベテラン乗務員さんが担当することが多いですが、普段乗務している車両との微妙な性能の違いがあるため、入念なハンドル訓練を行います。
これとともに、各駅や車両屋さんなども並行して運転に備えた準備が行われ、例えば東京駅では専用の停止位置目標の準備などがされています。
運転区間は伊豆急線方面か
現在行われている試運転ですが、東京駅〜伊豆急下田駅を昼夜合わせて2往復ずつ運行されているため、この区間でお召し列車が運転されるものと推測出来ます。
ただし、この区間で運転された先例では、全て御料車(公務=公式お召し列車で連結される特別車)であるE655-1の連結はされていないほか、今回の試運転も5両編成で行われています。
過去の他路線で行われた、公式お召し列車運転前の試運転では6両編成で行なっていますので、今回のお召し列車運行の動きもTR車なし・日章旗なしの「非公式お召し列車」となる可能性が非常に高いです。
6両編成・御紋・日章旗という正調編成が令和の時代にみられるのはもう少し先となりそうですね。
2019年(令和元年)に茨城県で開催される「いきいき茨城ゆめ国体」(茨城国体=第74回国民体育大会)・「いきいき茨城ゆめ大会」(第19回全国障害者スポーツ大会)では、過去の茨城国体でお召し列車の運行実績があるため、こちらに期待するファンの声もあります。
御乗用列車は昨年まで毎年設定
該当区間では御乗用列車の運転が行われており、現在の天皇皇后両陛下は、皇太子・皇太子妃としてご活躍されていた昨年まで、毎年夏に伊豆・須崎御用邸にて夏季のご静養をされるのが通例となっていました。
往路はスーパービュー踊り子7号(5号の場合も)、お戻りは踊り子114号で、それぞれグリーン車の貸切でのご利用となっていました。
道中では、鉄道ファンからの人気も熱いスジャータのアイスクリームをお召しになったというエピソードも伺います。
那須御用邸や葉山御用邸と異なり、須崎御用邸については、列車移動をされる場合がほとんどです。
今年もこれに倣って設定されたとすると、もしかしたら毎年恒例の運転となるかもしれません。
この場合は、非公式ながらお召し列車が毎年運転されることとなり、ファンには嬉しいイベントとなりそうですね。
余談ですが、現在の上皇・上皇后両陛下は以前から那須御用邸で夏季のご静養をされていますが、こちらについては従来からお車での御移動となっているほか
また、須崎御用邸にもおおよそ4年に1度程度お越しになる際、今回同様の区間での非公式お召し列車の運行実績があります。
運転日を知る方法がある?
これだけテロ対策が入念に行われるお召し列車の運転ですが、官報や宮内庁ホームページなどで天皇陛下の動きを知ることが出来ます。
それらしい試運転が行われている際は、これらの文献と合わせることで、ほぼ確実にお召し列車の姿を見ることが可能です。
そもそも、地元の方には事前告知に近いお知らせが回っていますので、下田やその近辺にお住まいの方なら既にご存知でしょう。
ヘリコプターや露払い列車(予備編成)、パトカーや白バイの事前巡回など、お召し列車の撮影はとても興奮しますし、一生の思い出になること間違いなしです。
もちろん、厳戒警備のなかで運行される列車ですので、警察・警備の皆さまの指示の範囲内で行動しましょう。
橋の上などから「見下ろす」構図などは不敬となりますので警察等により撮影禁止となるなど、お召し列車特有のルールが多数存在します。
※ご指摘もあったのでフォローしておくと、「見下ろす」角度になる場所について、現在は建前としては「警備上の都合」で入れないほか、お車で御移動の際にも近隣の高層の建物はカーテンを閉めるよう警察からの要請が入ります。便宜的な表現として、昔から存在する「見下ろす」角度は不敬という表現をしています。この是非は鉄道趣味サイトのフォローの範疇ではありませんので悪しからず……。
関連記事はこちら
動画資料集
YouTubeチャンネル【鉄道ファンの待合室資料館】にてこの列車についての動画を公開しています。チャンネル登録・コメント・評価もお願いします。
コメント