2019年4月1日11時40分過ぎ、菅官房長官により新しい元号が【令和】と発表されました。
大正駅・昭和駅・平成駅の切符なども話題となっているところですので、各駅の歴史を振り返りつつ、「令和駅」の有無についてまとめました。
各年号の駅名の由来
大正駅
大正駅は、大阪府大阪市大正区にある、JR西日本大阪環状線の中間駅・大阪メトロ長堀鶴見緑地線の始発駅です。
登場は1961年(昭和36年)と昭和に入ってからのことです。
これは、1915年(大正4年)にできた橋が大正橋と名付けられ、1932年(昭和7年)に大阪市大正区が登場したことが地名・駅名の由来となっています。
後述の駅とは異なり、開業の時点ですでにひとつ前の元号という点が特徴的でしょうか。
昭和駅
昭和駅は、神奈川県川崎市川崎区扇町にある、JR東日本鶴見線の中間駅です。
これも駅名の由来は昭和に入ってからのことですが、他の駅とは少し異なる経緯です。
昭和肥料(現在の昭和電工)の工場があったことが駅名の由来となっており、その昭和肥料も1928年(昭和3年)に設立されたものであることから、直接的な命名ではないものの、やはり元号が登場した後の駅名登場となっています。
鶴見線自体が最寄の工場の会社名から駅名が付けられているパターンが多く、偶然の産物とも言えそうです。
昭和55年5月5日にはゾロ目ということで入場券購入者が殺到、普段数百人しか訪れない駅が大繁盛だったようです。
平成駅
平成駅は、熊本県熊本市中央区平成二丁目にある、JR九州豊肥本線の中間駅です。
平成駅は平成への改元で一儲けしていそうですが、大正駅・昭和駅同様、登場は平成に入ってからのことです。
駅としての開業は1992年(平成4年)となっており、こちらも平成に入ってから街びらきが行われたため、地名が平成となり、その地域に出来た駅なので平成駅となっています。
おそらく平成終了までの一か月間、平成駅の入場券などで平成ブームとなることでしょう。
九州という遠さが趣味的な難易度を上げそうで、大正→昭和→平成という乗車をするためには、熊本→神奈川→大阪と移動距離が長くなります。
改元の記念に乗り鉄というのも面白そうですね。
そして、「平成最後の日」の入場券購入を堂々と出来るのも、従来は国全体でお通夜モードだったところ、生前退位という重大な選択をされた天皇陛下の判断のおかげですので、これには本当に頭が上がりません。
令和駅は存在せず!? 今後登場の可能性も
結論から記してしまうと、令和という元号が発表された時点では、「令和駅」は存在しません。
これは、駅名・地名などで既存のものから選定してしまうと特定の地域に利益をもたらしてしまうことから避けられたものと思われます。
似た名称で石和温泉駅や河内永和駅などの惜しい駅はいくつもありましたが、そもそもなかった言葉を万葉集から作った今回の改元では、やはりドンピシャとなる駅・地名はありませんでした。
しかしながら、先述の平成駅のように、令和に都市開発をした地名が令和となり、その周辺に新設された駅に令和駅という駅が建設される可能性は結構高いと思われます。
昭和駅・平成駅の動きはどちらも改元後数年で実現していますので、こちらも早めに実現すると嬉しいですね!
近年の新駅開業は地方私鉄などが頑張っているイメージですが、趣味的にはマルス券で駅名印字が出来る駅だとありがたいということが本音でしょうか。
後日加筆:予想通り、令和の文字を冠した「令和コスタ行橋駅」が福岡県・平成筑豊鉄道に登場しました。平成の文字が入った会社が令和の文字が入った駅を入れてくるという面白い展開ですが、単純な「令和駅」の登場とはなりませんでした。
令和という改元ビジネス(?)の今後にも注目です。
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