【サフィール踊り子】E261系営業運転開始!〜初日乗車辛口レポート

スポンサーリンク

2019年11月に落成して以来、入念な準備が進められていたE261系“サフィール踊り子号”。

乗車時間が定期列車よりちょっと長いサフィール踊り子5号の初日チケットを入手出来たので、乗車してみた感想をお伝えします。

魅力満点の列車ですので見どころをお伝えするとともに、車内仕様などへの期待値は各メディアが既に報じていますので辛口で気になった点も記しています。

随所に“お初”フラッグシップの本気

全体を通して感じた点として、JR東日本の本気度を随所に感じます。

目につく座席や内装材はもちろん、乗り心地向上、警笛・車内チャイム・乗降促進放送なども全て専用曲を作成しているなど、“お金かかっている感”がヒシヒシと伝わってきます。

バブリーな内装で意欲作だった251系にとって、時代のニーズも取り入れた頼もしい後輩に代替されるのも本望なのではないでしょうか。

“頭がいい”最新鋭機器を搭載

旅客が気にならないところとしては、山手線に続いた伝送装置“INTEROS”搭載のハイテク電車である点が挙げられます。

最新のイーサネットを採用して車両状態の自己診断などを行なっているほか、様々な車内案内などに対応しています。

今回のE261系では、INTEROSの採用が出荷時に明らかにされていますが、三菱電機が受注してきた“INTEROS”を日立製作所が初めて製造しています。

かつて、三菱が集中方式・日立が自立分散方式のINTEROSを開発し、それぞれ試験車”MUE-train”で検証されていましたが、不採用になったかと思われていた日立製の量産品が採用されることとなりました。

運転台モニタ(乗務員支援装置)はディスプレイのデザイン・機能面から、日立製作所開発の“Synaptra”に近いものと思われます。

国内では相鉄20000系・東武20400型で採用事例がある“Synaptra”とも、各社で導入されてきた三菱製“INTEROS”とも異なるシステムですので、今後のメーカーなどの発表で詳細な機能特徴が明らかになるのが楽しみです。

広い運転台設計もあいまって、グラスコックピットの運転台はかなり先進的なイメージを受けますね。

機能が多い反面、設計思想などで従来の電車とは異なる点が多い車両ですので、異常時対応などは苦労しそうです。

乗務員訓練は他形式と同程度の回数でしたので、細かい操作などは各乗務員さんも手探りの様子でした。

プレミアムグリーン車は“シートのみ営業”形式

サフィール踊り子号の象徴的車両は、やはり1号車“プレミアムグリーン車”でしょうか。

通常のグリーン車でも久々の3列シートで広々としているなか、プレミアムグリーン車は2列シートです。

1+1列構成・シートピッチ1,250mmとなっています。

座席の黒い革張り座席・他の号車と異なる黒色の天井パネルが相まって、他の号車と比べるとかなり落ち着いた印象を受けます。

黒系の内装で開放感がある天井高さという電車はかなり独自色が強いので、デザインはかなり好みが分かれそうです。

乗車した初日は生憎の天気ゆえに暗く感じましたが、伊豆方面の繁忙期である夏休みの明るい時間帯などにも乗車してみたいところです。

なお、なんらかの車内サービスに期待する声はありましたが、専任アテンダントさんの配置などは特にありません。

JR線内の料金はA特急グリーン車に1,500円加算・伊豆急行線内の料金は820円加算となり、乗車券・特急券・グリーン券だけでもかなりの金額となります。

当面は一度乗ってみたい層にウケるかと思いますが、話題性が薄れたころにこの車両が吉と出るか凶と出るかは注目したいです。

個室は圧倒的に乗り得?

乗車レポートは別日に行えればと思いますが、途中駅乗車で空いていた個室の写真だけ撮らせていただきました。

4人・6人で乗車する場合は通常のグリーン車と同額で乗車できますので、かなり良心的な価格設定です。

スーパービュー踊り子号の個室は2階建ての1階・4人用のみ・料金体系複雑などと使い勝手はイマイチでしたので、個室に関しては大幅改良と断言できるでしょう。

家族・グループで利用する際にぜひ使ってみたい座席です。

通常のグリーン車はE5系相当?

5〜8号車の通常のグリーン車ですが、座席はE5系の色違い・3列シート・シートピッチ1,160mmとなっています。

JR東日本の現行グリーン車は全形式乗車していますが、在来線サイズで3列シート復活は特筆される点かと思います。

プレミアムグリーン車や新幹線のグランクラスで採用されている革張りシートが苦手な方だと、むしろこちらの方が快適に感じるかもしれません。

また、これらの車両についても1〜4号車同様に天井が高いため、かなり開放感のある車両となっています。

車窓は2階建ての251系スーパービュー踊り子号には敵わない一方で、立ち上がる際に頭上をぶつける・なんとなく感じた圧迫感などが大幅向上しており、先代と比べると好みは分かれるものの、非常に完成度の高さを感じます。

各車両の最前列は新幹線や最近の特急車で採用されている大型のデスク(おそらく同一品)となっており、ビジネスライクな普段使いとしての機能性も高い仕上がりです。

何よりスーパービュー踊り子号同様のA特急グリーン車料金=お値段据え置きですので、普段使いとしてもアリかなと思います。

ヌードルはあっさり目・ボリュームは控えめ

時間帯により区切られた予約制で、4号車カフェテリアが使用できます。

目玉の1つであるラーメンの販売が行われており、半世紀ぶりの食堂車新造と大きな注目を集めています。

これは既に報じられていたので予想通りでしょうか。

既視感があると話題になった蒲鉾もそのまま採用されている他、現地で美味しいものを食べて欲しいからボリューム控え目であることも事前に報道されていた通りでした。

万人受けするあっさり目の醤油ラーメンですが、胡椒が少し強いと感じる方もいらっしゃるかもしれません。

箸袋やマットなどは専用品となっているほか、個室の利用客はカフェテリア利用ではなく、個室へのデリバリーとなります。

観光案内放送も!

小田原駅を通過後、車掌さまの肉声案内を挟んで観光案内放送が流れました。

JR東日本の特急列車としてお馴染みの男声放送ではなく、女声放送で沿線の観光地案内放送がありました。

伊豆方面を代表する観光特急に相応しい内容です。

長年踊り子号系統を使用している者として欲を言えば、茅ヶ崎駅付近・小田原駅付近の富士山や、早川駅〜根府川駅の相模湾・初島などの車窓案内などがあるとなお良いのではないかと感じます。

揺れは大幅改善!!

E261系では、揺れ対策としてヨーダンパ・軸ダンパに加え、フルアクティブサスペンションを全車両に採用しています。

制振効果が絶大なものの、消費エネルギー・システムの大きさ・コスト面の負担も大きいシステムです。

他形式で導入の際には両先頭車とグリーン車のみとされている形式が主流でしたが、最近のトレンドもあってか今回のE261系では全車採用となっています。

E261系の営業運転区間では熱海〜来宮駅間と、新宿駅始発便の横浜駅到着前に複数回のポイント横断がありますが、やはり揺れの軽減効果は大きいと感じました。

特に先代の251系がダブルデッカー・ハイデッカーゆえに立っていると左右の振れ幅が大きく感じましたので、これは嬉しい変化です。

気になったポイントをいくつか……

251系の正統後継者に相応しい、東伊豆の王者の風格漂うE261系

工場出荷の甲種輸送から数々の試運転までE261系を見守ってきた筆者としても感慨深いものがありました。

沿線住民の1人として、開発・製造からデビューまで携わった、関係各社社員さまのご尽力に感謝申し上げます。

私ごとですが、週に1回は東京と伊豆を行き来しているので、今後も時間が合えばなるべくサフィール踊り子号を選びたいと思いました。

最後に、趣味サイトなので強いて言えば……ということで、他の方が取り上げないであろう気になった点を辛口でいくつかお伝えします。

私なりの背景考察もあわせて記していますほか、くれぐれも現場で活躍する乗務員様・アテンダント様へ批判をぶつけることのないようご留意ください。

ハード面はほぼ完璧ですが……

設計には相当な時間を掛けているフラッグシップですので、ハード面については完成度は非常に高い車両でした。

ハード面については粗探し状態ですが、2つだけ挙げます。

改善困難な点としては、4号車ヌードルバー厨房付近の通路の狭さが気になります。

運行初日ゆえに多くの利用者が車内を見学に回っていましたが、乗客同士のすれ違いが困難なほど狭いです。食堂車があった歴代車両でもトップクラスでしょう。

通勤電車同様の拡幅車体なので、壁に寄り掛かればなんとか行き違い可能……といった程度ですが、カフェテリア座席数を確保する観点から見れば、平屋車両では仕方がないところでしょうか。

個室のヌードル等の商品はデリバリーとなりますので、3号車と4号車の行き来をするのは本来、アテンダントさん・車掌さん・プレミアムグリーン車の乗客のみです。

運行開始フィーバーが落ち着けば大きな問題にはならない……でしょうか。

また、ドア付近の立て付けの悪さが気になりました。

運行初日ゆえに大宮総合車両センターの検修さんが乗車されていましたが、やはり雨漏り対応と思われる作業をしていらっしゃいました。

ドアと車体が密着していないのは製造過程での精度が悪いのか、それとも気圧や戸挟み対策などの何らかの事情で意図的に開けているのかは不明ですが、内装材や各種機器類にも拘っている電車ですので、今後が少し心配です。

251系のようなプラグドアは保守性の観点から見送られたかと思いますが、同一設計のE257系以降の車両でもこういったスキマはなかったかと記憶しています。

車両保守は専門ではないので推測の域を出ませんが、ドアのゴム形状を変更するだけで改善可能な範囲かと思いますので、今後の改善に期待したいところです。

ソフト面はスーパービューから退化?

スーパービュー踊り子号と対比して見てしまうと、やはりソフト面のサービスレベルが少し気になりました。

同日デビューの近鉄“ひのとり”が車内販売ではなく自動販売機に留めたように、今後も鉄道業界では人件費が極力少なくなる方向にシフトしていくかと思います。

時代の流れと言ってしまえばそれまでですが、それを差し引いても車内オペレーションには課題を感じました。

まず、スーパービュー踊り子号のグリーン車サービス(ドリンク・おしぼり・サロン室)を考えると、割高感は拭えません。

通常のグリーン車はもちろん、プレミアムグリーン車についてもドリンクサービスなどは一切ありませんので、新幹線“グランクラス”の「シートのみ営業」方式に酷似しています。

人件費を抑えるのであれば1号車後方にプレミアムグリーン車旅客限定でセルフサービス……なども思い浮かびますが、成田エクスプレスグリーン車で普通車旅客の持ち出しが多く途絶えたことを考えると、これも難しかったのでしょうか。

また、“カート”による車内販売が実施される……というアナウンスでしたが、初日に乗車するファン層は事前予約を多くしていたこともあり、基本的には事前オーダー優先となっていたようです。

欲しいものをふらっと頼めないのは使い勝手が良いとは言えません。

また、車内販売メニューに拘っているものの、商品数・積込数を絞り過ぎている印象は拭えません。

温かい飲み物もサフィール踊り子号の専用コーヒーのみとなっており、冬場だけでも温かい飲み物類がもう何種類か欲しいところです。

乗車早々にコーヒーは完売となっており、運行初日のように寒い日だと少し困りました。

インバウンド層の取り込みを多く考えているようですが、中華系の方々を中心に温かい飲み物を頻繁に飲む文化圏のお客様も多くご利用かと思います。

同日デビューの近鉄“ひのとり”がお湯を無料で提供している点と比較すると、ツメが甘いと言わざるをえません(アテンダントさんに声を掛ければ貰えるかもしれませんので、後日確認します)。

伊豆ゆかりの商品ラインナップは興味を惹きますが、一般の特急列車・普通列車グリーン車で必要最小限として売っている“普通”のものさえ手に入らないのは残念です。

そして、ご自慢のスマートフォンから車内販売商品を購入する“サフィールpay”についても、デジタルネイティブ世代の筆者でさえ使いにくく感じました。

日付を入力→列車を選択→号車を選択→席番を選択→メニューと在庫数が表示される……という動作ですが、それぞれ入力する度に次の選択肢がロードされる方式であり、初日ゆえにサーバー負荷が大きかったのか、次の選択肢になかなか移動しません

機能を詰め込んで動作がもっさりしてしまうのはアプリ開発あるあるですが、ハイエンド機種で試してもストレスが溜まる挙動は要改善です。

また、旅客のスマートフォンに頼る運用体系ですが、小田原駅以西ではトンネルが続くため、通信が途絶えてしまいます。

JR東日本フリーWi-Fiを搭載しているものの、日時・列車・座席を入力するものを暗号化されていないフリーWi-Fiで設定する……というのもイマイチです。

ソフト開発コストのみで済ませることが出来るためにこういった対応になったのかと思いますが、E655系などのシートオーダーエントリーと比べると不便と感じられてしまうのも仕方のないことでしょうか。

なお、これをカバーするため、JR東日本・伊豆急行ともに主力商品のヌードル在庫などについては車掌さんが放送を入れることとなっているようです。

調理が電子レンジで行える近鉄特急“しまかぜ”ではレストランの予約は不要ですが、生麺など翌日以降に食材を回せないメニューゆえに過剰な在庫を積まない……という背景でしょうか。

寝台特急の食堂車や、航空業界の空港ラウンジなどからアイデアを得ているものと思いますが、予約枠数の少なさについて、使えなかった利用者からは残念がる声も聞こえてきました。

回転数を増やす・始終着駅での停車時間を長めに取ることで車内準備・撤収を発車前と終着後に行う・当日破棄にならない食材の簡単な料理も提供出来るようにした寝台特急のパブタイム方式の運用など、やり方の改善はいくらでもあると思います。

尤も、しまかぜ号でも常にレストランが満席にはなりませんでしたので、中長期的にはこれでいい……という判断なのかもしれませんね。

細かい点を挙げれば、車内販売オーダー品の茶色い紙袋が少しチープに感じます。

サフィール踊り子号では、最近の環境配慮のトレンドであるプラスチックレスを多く採用していますが、その導入コストから汎用品に落ち着いたのでしょうか。

小ロットではコストが嵩みますが、週末運行の伊豆クレイル号でも専用のお土産袋を用意していたほか、今回のサフィール踊り子号も箸袋などは専用品を用意していますので、使用頻度は高いであろう紙袋もロゴマーク入りの専用品に期待したいところです。

JR東日本サービスクリエーション移管後に様々なチャレンジをしている積極性は面白い試みですが、利用者のニーズとの解離が目立ちます。

不躾な書き方で恐縮ですが、企画立案者の自己満足感さえ伝わります。

車内サービスについては企画段階から再考の余地があると感じました。

サービスレベルアップに期待

車両というハコとしては満点に近い車両だと思いますので、ぜひ1度乗車をおすすめしたい電車です。

一方で、自慢のヌードルバーを含めた車内サービスについての課題はいくつか感じました。

アテンダントさんが慣れてくれば……というだけでは改善できない課題点も多く感じましたので、今後のオペレーションの変化に期待したいところです。

【ミュージックホーン変更】サフィール踊り子号E261系とマリンエクスプレスE259系が最初で最後?の離合・警笛集

関連記事はこちら

コメント