JR東海では、東海道新幹線第四世代・700系の運用引退に向けた様々なイベントを実施していました。
あとは3月8日にラストランを実施してフィナーレとなりますが、昨今の社会情勢を踏まえて運休となることが明らかになりました。
実質的に3月1日団臨がラストに
JR東海では、最後の1ヶ月近くの間700系に引退装飾を施し、様々なイベントを行ってきました。
直近では、2月29日・3月1日に団体臨時列車として東京〜新大阪間を走行し、予備編成の回送まで後追いさせるという万全の体制で多くのファンを魅了しました。
残されたラストラン列車として、3月8日にのぞみ315号=最後;サイゴの語呂合わせを臨時列車として運行し、フィナーレを迎えることとなっていました。
しかしながら、社会情勢を考慮し、こののぞみ315号の運休が本日アナウンスされることとなりました。
のぞみ315号のチケット争奪戦を勝ち抜いて楽しみにしていた方にとっては残念ですね。
既に多くの団体臨時列車などが新型コロナウイルス関連で運転を見合わせるなか、臨時列車で運転見合わせという事態は全国的にも異例の判断となります。
歴代新幹線のラストランの盛り上がりを考えれば、人が集まるイベント列車であることは間違いありません。
非常に残念ではありますが、JR東海にとっても苦渋の決断であることは想像に難くありませんね。
ラストランはもう実施済……という珍事に
今回の決定により、700系C53編成・C54編成については廃車回送を行うのみとなってしまいました。
実質的なラストランとなった上り団体臨時列車の利用者も、知らないうちにラストランを迎えた格好となります。
事前告知をしていたら団体臨時列車に本来以上のファンが集まることから、本日の発表というタイミングになったことと思います。
余談ですが、1995年1月17日の阪神淡路大震災以降、山陽新幹線で残存していた0系食堂車36形が営業休止のままラストを迎えたこと、2011年3月12日の九州新幹線全線開業でイベント自粛など、災害を起因としたイベント縮小は今までも少数ありました。
感染症対策としては前例を聞いたことがありませんので、各社とも頭を悩ませたのではないでしょうか。
次の東海道新幹線関連の大きなイベントは7月1日のN700S系デビューとなりますので、その頃には終息していることを願って止みません。
意外と健在!700系の兄弟車たち
今回の決定により、700系は廃車回送だけ行って引退……というイメージがありますが、実はまだまだ活躍している車両たちがいます。
まず、JR西日本管内では16両編成のB編成が臨時列車などでの使用を前提に少数残存します。
4月以降は全席禁煙となりますので、喫煙車自体は3月13日までのひかり441号・444号で楽しめます。
また、同じJR西日本では“ひかりレールスター”700系8両編成が活躍しています。
こちらも去就が気になるところですが、500系がまだまだ活躍していることを考えるともうしばらくは安泰でしょうか。
九州新幹線開業以来、ほとんどがこだま号で活躍しているものの、少数ながらひかり号運用も健在です。
レールスター編成ならではの個室席はひかり運用時しか乗れませんので、機会があればぜひ狙ってみたい列車です。
このほか、事業用車両として923形ドクターイエローも健在です。
当面は活用するとしていますが、検測車だけ加速性能が異なる……という体制となりますので、去就が気になる車両です。
海外に目を向けると、台湾新幹線で700T型も活躍しています。
カラーリングや言語こそ異なるものの、日本の700系にかなり近い車両です。
台湾は日本からのアクセスも気軽な距離ですので、昨今の自粛ムードが落ち着いたら当サイトでも特集したい車両です。
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