【冬本番】除雪車だけじゃない!霜取り列車・鉄道を守る様々な工夫

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今年の冬はかなり暖冬でしたが、ようやく日本海側では積雪が見られました。

雪国で多く活躍する除雪・ラッセル列車が有名どころですが、雪国の鉄道路線ではこの他にも様々な工夫がされています。

季節限定の特徴ですので、まだ見たことないという方はぜひ足を運んでみてください。

コアなファンから大人気!“カッター列車”

日本国内で積雪が多い地域としては、北海道と日本海側の地域が挙げられます。

これらの地域には非電化区間が多いため、多くの路線では除雪作業が中心となります。

一方で、日本海側では少ない“電車”が走る札幌近郊・新潟地区・北陸本線系統・伯備線などのいくつかの地域では、雪以外にも架線凍結という課題があります。

これは、送電線に付着した雪が氷点下の寒さで固まってしまうことで、列車への送電が出来なくなるというトラブルを防ぐ対策が必要です。

このため、雪国を含めた冷え込みが厳しい地域では、営業用列車が空く深夜帯〜早朝にかけて、始発列車運行前に架線付着の氷を除去するための霜取り列車が運行される例が多いです。

JR東日本で貴重な生き残りとなっているクモヤ145 107が吾妻線で活躍するほか、積雪が多い新潟地区では除雪も兼ねてEF64形電気機関車を使用することが有名です。

初電前に走らせることが目的であるため、撮影難易度はかなり高いですが、架線からスパークが飛んだり、雪をたくさん付着するなど、これらの列車ならではの風景が楽しめます。

特に新潟支社では、センター試験の日には降雪量・気温に関わらず必ず運行する……という慣例がありますので、記録したいファンの方にオススメです。

いずれも単行車両ではあるものの、珍しい車両の貴重な走行シーンとあってファン人気が熱い列車です。

営業車両でも様々な工夫が

このほか、営業用車両を使って簡単な除雪とともに除霜を行う会社・路線も存在します。

先述の新潟地区では、115系・代替のE129系ともにパンタグラフを2基に増やした車両があります。

また、しなの鉄道に導入が発表されているSR1系では、E129系ベースながら全車2パンタとなる模様です。

こういった取り組みは雪国では当たり前びものとなっており、路線によってはこれらのパンタグラフ増設で霜取り列車を廃止できた……という事例もあるようです。

また、駅設備では融雪材に加えて、スプリンクラー設置などの幅広い対策が特徴的です。

雪対策は新幹線にも!

JR東日本とJR西日本では、上越新幹線・北陸新幹線各地でスプリンクラーなどの設備が用意されています。

新幹線車両が水しぶきを上げながら走行するシーンは、なかなかカッコいいと感じる方も多いのではないでしょうか。

このほか、雪深い区間を走る列車としては山形新幹線・秋田新幹線の在来線区間があります。

そのなかでも、最近は秋田新幹線の雪対策が注目されています。

在来線区間ではこまち号の脱線事故という苦い経験があり、それ以来は“予防除雪”という大規模な取り組みが続けられています。

これに加え、従来は盛岡駅で併結作業の合間を縫ってマンパワーで雪下ろし作業をしていました。

秋田新幹線が在来線区間から高速走行にシフトするため、在来線区間で纏った“圧雪”を高速で撒き散らす形となるため、非常に危険です。

そのため、車両に付着した雪の除去作業をしていますが、これを効率化するため、1つ前に行き違いで停車する大釜駅に温水を吹き当てることで雪落としを行う設備が昨年末に設けられています。

人間が5分かけて行なっていた雪下ろしを3分で済ませられるようになる予定だそうで、遅延縮小と効率化に期待が集まっています。

このほか、米原地区の雪対策として、東海道新幹線名古屋駅上り列車でも同様に、雪下ろし作業を見られることがあります

この雪下ろしを実施している日には、作業員安全確保対策として、発車時の汽笛吹鳴が実施される点が特徴的です。

東海道新幹線で積雪時の徐行が発表されている日に見られる可能性が高い作業です。

これらの工夫は東京でも!?

以上のように、雪国では様々な工夫をして大雪の日も安全輸送が出来るような工夫がされています。

一方で、関東で積雪が見込まれる日は大きなニュースとなりますが、もちろん関東の鉄道会社は除雪車はスノープラウなどの雪対策設備はない会社がほとんどです。

そのため、関東圏では普段使用している車両を夜通しで走らせる形で、架線凍結対策としている事例が一般的となっています。

凍結防止の臨時列車が関東で走ることは滅多にありませんが、いざという時にその路線に詳しいごく一部のファンが記録している印象です。

ただし、東急電鉄では、2014年の大雪で列車の衝突事故を起こした辛い経験を有しています。

これの代替車両として製造された5177F,5178Fの2編成については、スカートを一部切り欠いてスノープラウを一体化した独自の形態で登場しています。

これらの車両の製造以降に関東で輸送障害となるレベルの積雪は発生していません。

彼らの除雪シーンを見られるのは来冬以降のお楽しみでしょうか。

動画資料集

Youtube=鉄道ファンの待合室資料館では、上越線(北線)の霜取り列車の様子を記録映像として公開しています。

チャンネル登録・通知・コメント・評価もぜひお願いします。

【上越カッター】氷点下10℃!架線凍結防止列車〜響くブロワー音 EF64 1051号機

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コメント

  1. OER2612 より:

    しな鉄…
    現行の 115も、今はなき 169も2パン改造車は無く、169健在の頃は3本繋いだ9連が霜取り電車として回送で走っていましたね……

    • ときぱて より:

      OER2612様

      閲覧・コメントありがとうございます。
      新型SR1系が2パンタで製造される計画となっている点を記したかったのですが、ちょっと表現が悪かったかなと思います。
      少し加筆させていただきます。
      169系の9連霜取り!!見てみたかったです……