【相鉄直通】12000系に埼京線新宿以北運用が新設!川越は行かず板橋電留線止まり?

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2021年3月改正では、従来朝の6往復に留まっていた新宿駅を跨ぐ直通列車の運行について、平日に限り新宿駅以北への乗り入れ本数が拡大します。

特に注目されているのは定期運用が新宿駅以南とされていた12000系がどこまで乗り入れを拡大するかでしょうか。

ファンの間で様々な憶測が飛び交いますので、情報を整理しつつ相鉄車がどこまで乗り入れるのかを検証します。

特異な体制でスタートした相鉄直通

写真:直通開始前の試運転

相模鉄道では、都心方面への直通列車運行のため、相鉄新横浜線の建設が進められてきました。

同路線では現在運行されているJR線直通のほか、同時に建設が進められている東急新横浜線を経由する東急線直通が並行して運行される予定です。

2019年11月30日、相鉄新横浜線の羽沢横浜国大駅〜西谷駅間の部分開業とともに、JR東日本経由での直通運転が開始されました。

相鉄側としては都心直通によるブランド力の強化がある一方で、一見するとメリットが薄そうなJR東日本にとっても年々混雑が激化する湘南新宿ライン系統の混雑緩和の効果が期待されていました。

両社の狙いが大きく異なり、最終的に(相鉄側の本意ではなさそうですが)この系統は東京・品川方面ではなく新宿・渋谷方面への運行とされています。

これらの事情は現在までの運行体制に色濃く反映されており、全国的に見てもかなり歪な運行体制となっています。

新宿駅以南での折り返し運行の原則

先述のように、JR東日本にとっては、相鉄直通の旨みは新宿〜武蔵小杉駅間の列車本数増加くらいしかありません。

列車本数が過密となっている山手貨物線の新宿駅以北の増便をする必要がないことは明らかな一方で、相鉄線・品鶴線(横須賀線)・東海道貨物線の遅れを複雑な都心部のネットワークに波及させることは好ましいことではないことも容易に想像がつきます。

一方で、朝ラッシュ時間帯の新宿駅では山手貨物線の線路容量を最大限に活用するため、1,2番線で南行・3,4番線で北行を交互発着に近い体制で使用しており、5,6番線は成田エクスプレスやライナー列車が使用しています。

そのため、平日・土休日ともに朝の6往復のみは埼京線へそのまま直通することとされています。

JR東日本では列車と電車が区別されています。相鉄線直通は列車扱い・埼京線は電車扱いとなるため、新宿駅で電車・列車が変わるという一風変わった対処がされました。

埼京線の運行は大宮運転区・大宮車掌区が一手に担っている一方で、相鉄線直通は湘南新宿ライン系統を担う新宿運輸区の乗務列車です。大宮の両区はりんかい線直通で大崎まで運行でき、新宿運輸区は湘南新宿ラインで池袋までは運行できますが、それぞれの乗務範囲は延長せずに対処しています。

これらの事情も相まって、事実上新宿駅の南北で全く異なる運行体制が組まれています。

ただし、12000系の埼京線乗り入れ自体は以前から可能で、ダイヤ乱れ時や試運転で実現しています。乗務員訓練も埼京線・川越線内で行ったほか、大崎駅〜新宿駅間で大宮の乗務員が本乗務・新宿が便乗という列車を設けて技術維持をしています。

写真:直通運行開始前に川越線で乗務員訓練をする12105×10

JR車両のみ“外泊”

この直通系統で使用されている車両は、相鉄12000系が10両6編成・JR東日本E233系7000番台が38編成です。両社とも線内運行も兼ねており、直通列車に使用されるのは相鉄車は4運用・JR車は12運用ですが、先述の朝ラッシュの6往復で車両を全て入れ替えるため、事実上の所要数は6運用相当です。

埼京線の世代交代では、32編成の205系を31編成のE233系で代替しました。この直通運行に向けた増備は7編成(カワ132〜138)となっており、車両仕様に変化がありました。在来車も直通運転に前後して改修が施されています。

車両配置数が大幅に増加することとなった川越車両センターですが、特別の車庫拡大はされていません。これは、増備分のうち6運用を相鉄線内(かしわ台車両センター)での停泊運用としたことが背景です。

一方の相鉄車は全て自社線内停泊となっています。

一般的な相互直通運転では、双方の乗り入れ先での停泊は最小限で互いに同数としている事例がほとんどです。

国鉄分割民営化以前の名残でJR同士で偏った停泊体制自体はあります(しなの号の383系の長野停泊・東海道線のE231,E233系の沼津停泊など)が、近年実施されている相互乗り入れで1社のみが6本も停泊させるのはかなり特異な事例と言えます。

相鉄直通の運行範囲拡大の理由

以上の膨大な特殊事情を理解した上で、2021年3月改正でなぜ相鉄直通の新宿駅以北直通が拡大するのかを考えます。

今回のダイヤ改正では、土休日の新宿跨ぎは引き続き6往復に留まっている一方で、平日に限り北行8列車・南行7列車とされている点が注目ポイントです。

相鉄直通の新宿跨ぎ拡大は公式発表以前より複数の組合資料に記されてきた一方、旅客向けにPRしている様子はなく(相鉄のダイヤ改正プレスリリースで記されるも、見どころとはされていない)、あくまでJR東日本の内部的な事情が色濃い印象です。

そもそも新宿跨ぎ運用が朝ラッシュ時の新宿駅のキャパシティ問題から生まれていることから、やはり遅延対策の色合いが強いものと考えるのが自然です。

9時台には新木場発の池袋止まり〜池袋運輸区or板橋駅電留線に留置となる埼京線列車が複数運行されていました。

新宿駅の折り返し列車を削減しつつ、現在のようになるべく独立した運用体系を維持する方法として、池袋止まりを活用することとされたのではないでしょうか。

改正後のポイントとなる列車をみる

写真:直通開始からしばらくして増備された12106×10

さて、本記事の本題となる車両運用については、これまで明らかにされていたプレスリリースに加えて、各社から発売された時刻表3月号にある程度のヒントがありそうです。

池袋駅止まり=入庫が絡みそうな3列車

主だったところとしては、やはり池袋止まりの3列車がヒントとなります。

海老名駅発相鉄種別相鉄線内新宿以南新宿以北池袋着
7:55特急3134134M4977K9:05
8:12特急3136136M4971K9:21
8:19各停6220220M4973K9:38

埼京線内の列車番号の下2桁は埼京線系統の運行番号を示します。

これまでは01〜が埼京線E233系・61〜が相鉄出庫のE233系・81〜が東京臨海高速鉄道70-000系とされていました。

12000系に相当するものは設定されておらず、臨時回送で埼京線を走った事例では40番台・70番台の使用実績がありました。

対になる出庫列車

直通列車は北行8本・南行7本に拡大しており、単純に考えれば回送〜新宿駅始発で補う必要があります。

新宿発JR線内相鉄線内相鉄種別海老名着
9:36 ①131M3131特急10:47
14:32②251M6251各停15:44

まず、1つめの131Mは新宿駅1番線発で設定されており、同時間帯に1番線に到着する相鉄線からの列車がないことから、池袋→新宿を定期回送としてすぐに始発列車に仕立てていると考えるのが自然です。

134Mの使用車両が流れる場合は池袋か板橋で引き上げ、136Mの使用車両が流れる場合は池袋駅での直折が考えられます。

列車番号だけでは相鉄車がどれかは特定出来ない……かと思いきや、136M〜4971Kについては夕方から再出庫して埼京線での運用(新宿〜1771K〜1870K〜1971K〜2070K〜2171K〜2270K〜新木場)が続いていることから、消去法で4977K〜131Mという車両運用が考えられます。

2つめの251Mですが、そもそも数としては131Mで合致しており、新宿駅の発車番線も日中の2番線です。しかし、日中時間帯に順序通り折り返しをするため、従来は存在していなかった新宿駅4番線着の列車(244M・新宿14:25着)が新たに設定されています。

つまり、日中の新宿の折り返しのタイミングで充てる車両を交換するダイヤが新たに仕込まれたことと分かります。

海老名〜川越〜海老名の往復運用

もう1つ相鉄車が乗り入れる可能性が考えられる列車は、今回改正で新登場となる通勤快速海老名行きです。この列車は末尾が61となっているように、北行最初の新宿跨ぎで川越へ向かい、南行最後の新宿跨ぎで相鉄線へ向かいます。

一見すると、相鉄出庫・相鉄入庫に見られる流れと考えられ、これまで通り2泊連続の停泊を避けるのであれば停泊明けのJR車両ではなく、相鉄車両が充当されるのではないか?という見立てが出来ます。

しかし、この通勤快速で使用される車両については、順序通りに辿っていくと、運用順は下記の通りとなりそうです。

JR相鉄始発時刻種別終着時刻
124M
4761S
3124
海老名6:31特急
通勤快速
川越8:30
4860S
227M

6227
川越8:35通勤快速
各停
海老名10:40
234M6234海老名10:45各停新宿②11:55
241M6241新宿②12:02各停海老名13:12
244M6244海老名13:15各停新宿14:25

海老名で複雑なダイヤが組まれていない限り、先述の244Mで新宿駅4番線に到着する珍列車に繋がります。つまり、ここで埼京線列車として入庫することとなります。

従来新宿駅14:27発の1455Kがパターンダイヤを乱して14:26発に変更されており、この列車の後続で定期回送で北へ向かうものと考えられます。

これらの動向を総合すると、新設される通勤快速海老名行きはE233系を充てるとみて間違いないでしょう

もし相鉄車だと仮定すると、平日は相鉄車・土休日はJR車(61運行に埼京線運用がある)というあまりにもややこしい体制となってしまいますし、車交ダイヤをわざわざ作る意義が見出せません。

また、従来の運用数や、土休日ダイヤの入出庫場所と数を揃えるという大前提が覆されない限り、池袋駅止まりの3列車のうち2列車が相鉄車であることも確実視出来ます

土休日の新宿跨ぎは引き続き6往復で維持されており、過去の組合資料で大規模工事で海老名停泊が続くことへの懸念を記していることからも、引き続きE233系は海老名停泊6運用という前提は覆ることは考えにくいです。

先述のように埼京線の71運用は新木場停泊ですので、消去法で池袋行きで相鉄車が使用されるのは134M・220Mの2列車でしょう。

あとは根拠が薄い推測となりますが、JRの73,75,77,79運用が相鉄の71,72,73,74運行に対応しているとすれば、今回ダイヤ改正でJRの75が欠番となっている理由としても整合性がつきそうです。

これ以上は実際にダイヤ改正を迎えないと断定出来ませんが、だいたいの運用の流れは見えてきました。

相鉄12000系の板橋以北での活躍は、残念ながら引き続きダイヤ乱れが発生した場合のイレギュラーに留まりそうです。

川越車両センターの電略は「ハエ」ですが、編成名としては「カワ(数字)編成」です。この表記は車庫公開や組合資料など、ファンの目に留まるところにも記述されている事例があります。

また、「コツK-01編成」のように所属区+編成名で記すとすれば、ハエ所属のカワ101編成……つまり「ハエカワ101編成」です。

当サイトでは文脈から分かる場合は所属区の表記を割愛していますので、編成名としての「カワ〇〇編成」として記述しています。

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コメント

  1. より交 より:

    きちんと運用を読み込んで考察すれば、見えてくるものだね。

  2. Soha より:

    記事読みました。
    自分も25日にJRとJTB両社の時刻表確認した時に、この記事の通りだと思っていました。
    新宿14:25着のトリックは気付いている方が中々いなかったと思うので、この記事で一気にこの情報が広まったなと思いました。

    相鉄車運用が、埼京線の運用と相鉄線の運番が対応していることは気付きませんでした。