【ピンク帯が見納め】デビューから2年…上越新幹線E7系“朱鷺色”運行終了か

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上越新幹線では、2019年3月のE7系デビュー以来、2編成が朱鷺色の帯・ロゴマークをラッピングして運行していました。

F21編成とF22編成がラッピング対象でしたが、このうちF21編成が通常カラーに戻されて営業運転に復帰。残されたF22編成についても続くものとみられています。

上越新幹線へのE7系投入とラッピング

上越新幹線ではE2系・E4系といった比較的経年車が使用されていました。

東北新幹線が320km/h運転のE5系を優先投入してきた結果とも言えそうな動きでしたが、2018年度より北陸新幹線に続いて上越新幹線向けのE7系の投入を開始。2019年3月のダイヤ改正よりデビューしており、2021年3月に2年が経過します。

上越新幹線の営業運転では240km/h(速達化工事完了後に275km/h)と特別速達性を求める路線ではないため、最高時速320km/hでの運行をする東北新幹線向けのE5系ではなく、北陸新幹線向けのE7系の投入となったことが推測出来ます。

このE7系は2020年度までに11編成が出揃う計画となっており、E4系を中心に世代交代が進められています。

2019年3月のデビューを記念して、一部編成へ朱鷺色のラッピング・ロゴマークを貼り付けしたオリジナルデザインでの運行が実施されることとなりました(プレスリリース)。F21編成・F22編成の2本にこのラッピングが施されています。

当初の発表では1年程度とされており、現在まで延長について具体的な言及はありませんでした。

長野新幹線車両センター水没とその後

E7系……そしてJR東日本の新幹線車両の計画を大きく狂わせたのは、2019年の台風19号による長野新幹線車両センターの水没があります。

この際に北陸新幹線で活躍していたE7系8編成・W7系2編成が使用不能となりました。

北陸新幹線では営業運転再開後も本数削減を余儀なくされましたが、ちょうど2020年3月改正でE7系を増投入するために増備が続けられている最中でした。

このため、2020年3月のダイヤ改正では上越新幹線の運用は増やされず、本来は上越新幹線のE4系代替用のための新潟新幹線車両センター所属車両を北陸新幹線運用に充てる体制が続けられました。

また、車両数の減少のほか、長野新幹線車両センターで実施されていた検査を金沢・新潟で受け持つこととなった関係で、長野所属車両も上越新幹線に乗り入れることとなりました。

これらの貸し出し運用は通常色の編成が充てられ、ピンク色のF21編成・F22編成は上越新幹線運用に専念してきました。

上越新幹線運用と北陸新幹線運用を見比べると、最高速度・折り返し間合いが長い上越新幹線運用の方が走行距離が短いものと考えられます。このラッピングによる運用制約により、検査計画の難易度が上がっていそうです。

そもそも、先述のように1年程度とされていた朱鷺色の帯・ロゴマークは1年程度とされていたので、少ない車両数で回さなければならないという運用効率だけを考えれば、昨年のうちに通常仕様に戻しておいた方が都合が良かったことは容易に想像が出来ます

本来であれば上越新幹線に充てられる増備車を北陸新幹線に充てることとなり、上越新幹線の世代交代計画が遅れることとなりました。

公式に発表されていないので状況推測の域を出ませんが、上越新幹線ユーザーへのせめてものお詫び・依然少ない本数となるE7系上越新幹線運用の存在をアピール……など、何らかの“思うこと”があって1年間ひっそり延長されたのではないかと考えられます。

2021年3月のダイヤ改正では、本来の新潟新幹線車両センターに配置される11編成に加えてF19〜F31編成と12編成体制となり、定期列車では12本がE7系に代替され、念願の運用拡大が実施されます。

また、検査をして“延命”されていたE4系新幹線も2021年秋ごろに営業運転を終了する計画も示されています。

E7系の今後の活躍に期待するとともに、2階建て16両という圧倒的な存在感を誇るE4系の勇姿を目に焼き付けておきたいですね。

最終的にはE7系に統一の計画だったが……

この長野新幹線車両センター水没以前の計画では、2020年度にE4系を淘汰したのち、2022年度末には上越新幹線全列車をE7系に統一する計画でした。

2021年度の増備計画はE7系10編成120両・E5系1編成10両とされています。既に川崎重工業兵庫工場でF32編成が製造されている姿も目撃されています。

現時点で登場している編成は新潟新幹線車両センターへ配置されており、当初計画の11編成体制に加えて1編成が配置された12編成となります。2021年度に配置される編成が実質的な水没代替分・E2系の代替はそれ以降……といった流れが考えられますが、そのF32編成も引き続き新潟への配置となる模様です。

視野を広げると、2022年度には山形新幹線E8系の量産先行車投入が始まることとなっています。

E8系の最高速度は300km/hとなっており、E2系の275km/hでは性能を持て余すこととなります。

これに関連して、E2系+E3系という組み合わせからE5系+E8系の組み合わせでの運行にシフトするものと推測出来ます。過去の発表順序を辿れば、当初計画ではE2系+E3系→E5系+E3系(2022年度末)→E5系+E8系といった置き換えを計画していたのではないかと予想出来ます。

山形新幹線の世代交代も、E2系・E3系の代替も、全体的に後ろ倒しとなっていれば辻褄が合いそうでうす。

上越新幹線のほか、東北新幹線のつばさ号併結が活躍場所となっているE2系についても遅かれ早かれ代替を進めることとなることは間違いありません。計画変更が加わってどのような動きとなるのか注目です。

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サムネイル素材;イラストAC

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