【アルピコ交通へ?】東武20000系京王重機へ陸送〜“山の方の地方私鉄”譲渡

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東武スカイツリーライン(伊勢崎線)の日比谷線直通で使用されていた20000系列は20400型として4両化とリニューアルが施工されていましたが、20000型・20050型の中間車各4両が譲渡対象と見られる状態で長らく保管されていました。

2021年5月28日深夜、そのうち20000型のモハ24803号と20050型のモハ25853号が渡瀬北留置線から栃木県・埼玉県・東京都を陸送(トレーラーによる輸送)されている姿が確認されています。

8両の中間車が渡瀬で保管

東武鉄道では乗り入れ先の東京メトロとともに、日比谷線・スカイツリーライン直通運転で使用されている車両をそれまでの18mの8両から20mの7両へ代替し、置き換え完了後にホームドア設置を進めることとなりました。

これにより従来使用されていた東京メトロ03系は様々な地方私鉄に譲渡が実現した一方で、東武鉄道では東武宇都宮線・日光線・鬼怒川線など栃木県内で使用されていた8000系・6050型などの代替を行うこととしていました。

この転用では20000型の先頭車2両と20050型または20070型の6両を組み合わせる格好で転用改造がされており、残りの車両は解体とされるのが基本的な動きとなりました。

20000型の21803F,21804Fのパンタグラフ付きの中間車計4両(24803,26603,24804,26804)と、20050型の21853F,21856Fの3扉パンタグラフ無しの中間車2両(25853,25856)が解体対象から外されて渡瀬北留置線にて保管されており、状況から他社への譲渡が実現しそうな状態となっていました。

20000型と20050型では車齢が異なるものの、5扉車のボディの転用を避けるために20000型+20050型の2両1ペアで編成を組むこととされたものと見られます。

2両4編成として転用されることが色濃い状態となったほか、2019年11月の南栗橋車両管区の公開イベントにて東武博物館花上名誉館長より「山の方の地方私鉄」への譲渡と触れられていたことから、同数の3000形(元京王3000系初期車)の置き換えが検討されているアルピコ交通上高地線(長野県松本市)と予想するファンが多い状態となっていました。

2020年に8両の車両が保管されていた当初はファンの間で様々な推測が飛び交う状態でしたが、後に床下機器の一部に「アルピコ」「京王」とチョークでメモ書きされている姿が確認されており、推測の裏付けともなりました。

輸送された車両を見る

今回輸送された車両は、20000型21803Fのモハ24803号、20050型21853Fのモハ25853号の2両です(写真は前者)。

渡瀬北留置線から南下し、埼玉県と東京都で目撃されています。車体表記などの状況を総合すると、最終的な目的地は京王重機整備株式会社の北野事業所となりました。

東武鉄道で活躍している車両は新造時は甲種鉄道車両輸送(貨物列車での輸送)、自社の車両は館林駅に近い津覇車両でリニューアル改造、廃車は渡瀬北で解体となるため、陸送(トレーラーでの輸送)が設定された事例はほとんどなく、非常に珍しい印象を受けます。

他社への車両譲渡も滅多に実施されないため、SL大樹関連を除くと廃車となった後に保存された一部車両程度でしょうか。

譲渡先のアルピコ交通向けの改造か

先述の陸送の目撃情報と表記を加味すれば「京王」重機整備で先頭車化などの改造を受け、「アルピコ」交通上高地線の新型車両となるものとみて間違いなさそうです。

車両が保管されていた時点では部品単位での何らかの譲渡の可能性も否定できませんでしたが、車両の状態をそのままに搬入されており、この可能性は今回の輸送を以って排除できそうです。

京王重機整備では京王電鉄関連の車両改造工事以外にもいくつか受注事例があり、アルピコ交通の現行車両3000形の改造を手掛けた実績やバス事業などで関係性が深いことなどから選定されたものと考えられます。

同時に引退した東京メトロ03系でも改造場所の違いから各社で外観が異なっているように、今回の東武20000系の事例についても従来の東武20400型リニューアルとは大きく異なるメニューが予想されます。特にどのような前面形状となるのかが気になるところです。

カラーリングについては、現行の3000形と同様にアルピコグループ全体で施されている、白地に紫・ピンク・山吹・緑・赤の斜めストライプとなることと予想できます。ただし、3000形も外装のラッピングのみ自社で施工したため、京王重機整備出場時点ではそのままとなるかもしれません。

同所では運転台設置だけでなく、種車の形式が異なることから走行機器などの電装品を再配置、必要に応じて内装リニューアルやワンマン運転対応改造など、改造メニューは非常に多くなることが予想されます。出場はかなり先となりそうであるほか、全編成改造完了までは更に時間を要しそうです。

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画像元ツイート紹介

今回の写真は、フォロワーの保線鉄のいっくん様(@ikkun_train)より掲載許諾を頂いています。

記事内では下記ツイートの別カットを掲載させていただきました。

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