東武東上線に新種別【川越特急】特急の歴史と復活の背景は?

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画像:東武鉄道公式プレスリリースより引用

東武鉄道では2019年3月ダイヤ改正にて、新種別「川越特急」の設定を行うと発表がありました。

東上線では通勤急行(現在は消滅)、快速急行に続く4文字の種別であることのほか、2008年6月のTJライナー運行開始にあわせて特急が全廃されて以来、11年ぶりの復活となります。

廃止から11年での復活の背景の推測と、東上線特急列車の歴史、同時に川越アートトレイン運行開始とブルーバード号終了についてまとめています。

川越特急新設の経緯


画像:東武鉄道公式プレスリリースより引用

公式発表としては、川越観光=東武東上線 というイメージの深度化を挙げています。公式発表としては、川越観光=東武東上線 というイメージの深度化を挙げています。

後述のように、既存列車の有効活用で川越アクセスの列車を設定できているので、投資としては路線図や駅・車両ROMの更新といった初期費用のみとなっており、なかなかうまいことを考えたなあという感触です。

東上線では以前から川越まつりシーズンの観光PRなどに力を入れていました。

対秩父輸送では西武鉄道に完敗の一方で、雲行きが怪しい西武新宿線の小江戸号の需要を取りに行けるのでは?という点が東武鉄道の狙いでしょうか。

今回は地元とのタイアップではなく、あくまで東武鉄道の独自の企画であることがプレスリリースから読み取れるのも東武鉄道のやる気を感じさせます。

解禁されている情報から推測できること

土休日は下り2本・上り4本。平日は下り2本・上り3本の運行です。

停車駅は過去の特急停車駅の和光市駅を朝霞台駅に変更したもので、武蔵野線沿線ユーザーもターゲットに据えているのでしょう。

副都心線・有楽町線からは設定されてまだ日が浅い地下鉄からの快速急行があることから、需要の棲み分けという点では妥当といえるでしょう。

複々線区間の千鳥停車と、ライナー・快速急行・快速・急行・準急・普通に加えて7つめの種別となり、せっかく通勤急行廃止で整理されたところから逆戻りとなります。

まず上り列車については、既存のクロスシートで運行されている快速急行の格上げというとらえ方が自然でしょう。

となると、平日の下り2本の川越特急についても、2本ある上りTJライナーの折り返し回送を客扱い・区間延長という設定となるでしょう。

既存の運用では上り2列車は同一編成で運行していますが、森林公園~小川町駅間の区間が延長されることから、別編成での運行となるのではないでしょうか。

平日下りの特急/快速急行の運行は寄居行き時代を彷彿とさせるくらい需要は感じられませんが、下り定期回送の有効活用となれば納得です。

残る土休日の下りについても、東上池袋駅からは川越特急・地下鉄からは快速急行という1時間サイクルが組まれるのではないでしょうか。

土休日下りの送り込み列車がクロスシートで運用となれば趣味的に注目される列車が生まれそうです(登場以来ロング→クロスの転換は池袋駅ではやらない方針)。

このほか、自動放送で川越観光についてのアナウンスが実施されるとのことで、50090型のROM更新が行われます。

また、一部列車にはコンシェルジュが乗車して川越観光をPRするようです。

東上線の特急種別の歴史

東上線では有料・無料どちらも運行された歴史がありますが、圧倒的に有名なのは2008年6月まで運行されていた無料の特急でしょう。

池袋~川越ノンストップという気合の入っていた期間も長いほか、6両編成で寄居直通をしていた時期、遡ると秩父鉄道直通をしていた時期、列車愛称がそれぞれにつけられていた時期、フライング東上号が有料特急として走っていた時期があります。

TJライナー新設に伴い、有料のライナーと無料の特急というアンバランスさ(この組み合わせは後年の京阪で実現していますが)からか、快速急行を新設・停車駅増加として置き換えられました。

川越アートトレイン運行開始・ブルーバード号ラッピング終了


画像:東武鉄道公式プレスリリースより引用

今回の川越特急新設にあわせ、東上線で有料特急として運行されていたフライング東上号を模したラッピングをしていた51092号編成が川越アートトレインラッピングに変身します。

川越をテーマにした日本画とのことで、コミカルなイラストがかわいらしい仕上がりになりそうです。

随分と長いラッピング期間だったこの編成ですが、この期間の長さは特急復活に合わせて延長されたのかと推測もできますね。

これにあわせ、ありがとう50090型ブルーバード号の臨時列車の運行と記念乗車券の発売も発表されています。

記念乗車券は東武スカイツリーライン(伊勢崎線)、アーバンパークライン(野田線)も含めた主要駅での発売となります。

臨時列車は池袋10:02→森林公園11:10にて運行されます。

驚異のノンストップ運転(川越市駅で運転停車はありそうですが……)

趣味的な注目点は?

既存の車両には全て「特急」の表示が残存しており、これを流用するか、はたまた新しい方向幕を製造するかが趣味的な注目点といえるでしょう。

現在の方向幕は快速種別が設定されて以降活用されているものの、今回運行の川越特急ではクロスシート配置の50090型が専属で使用されると発表されていることから、50090型以外はROM更新・方向幕新調をしない可能性も考えられます(京急800形のエアポート急行などの例)。

既存のTJライナーでも車両不足時に森林公園~小川町駅間を代走した実績はあるものの方向幕搭載はされておらず、今回もプレスリリースで専用車種が発表されている以上は、同じような扱いと推測されます。

また、廃止まで貫いていた列車番号1レ~については維持されない可能性も高そうです。

これは今回の川越特急が既存の快速急行を置き換える本数と近似しているため、有料列車であるTJライナーを最優等種別と考えるのが自然だからです。


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