東武特急【スペーシア】八王子・那須塩原へ・中央線と武蔵野線に初入線!

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栃木アフターDCとして、特急スペーシア八王子日光号として東武スペーシアがはじめて中央線・武蔵野線を走行して八王子駅発着にて運転されるほか、一昨年大きな話題となったスペーシア那須野号が今年も運行されます。

まだまだ人気の高い東武鉄道のSPACIA、乗り入れの歴史を振り返ります。

JR・東武相互直通特急運転開始とともに乗り入れ開始

気づけば10年以上経過するこの相互直通運転ですが、きっかけは東武鉄道が東京西部の需要を汲み取るためにJRへ打診したことからはじまります。

そもそも、JRとしても日光線があり、かつては対日光輸送でしのぎを削っていた両社。

JR側は敗北で直通列車を無くした一方で、東武鉄道もバブル崩壊後の需要減少で苦しんでいました。

新たな需要の創出として、東武鉄道がJRへ打診。

車両を両社から持ち寄る形式で運行を開始しました。

JR車両は様々な経緯・東武は一貫してフラッグシップの100系

JR東日本からは2編成、東武鉄道からは3編成が用意されることとなりましたが、当初はギリギリの対応が行われていました。

JR側としての手ごろな特急車両は485系と189系しかなく、このうち485系は特急あいづ号に向けて前年にリニューアルを行っていた編成を使用することとし、100系同様のシートピッチとすることで、同社の485系3000番台のリニューアル改造に近いリニューアルが施されました。

しかし、定期1運用の予備車にもう一編成485系を用意することが出来ず、大宮支社で以前から所有していた189系彩野編成を改造することとしました。

しかし、こちらはシートピッチは国鉄標準のままとされ、ただでさえ東武スペーシアより見劣りするJR車のなかでも特にハズレの車両となってしまいました。

JR側としては予想以上の利用があったのか、その後彩野編成は臨時便を多く受け持つこととなりましたが、それでもなるべく定期列車の代走にはスペーシア車両を充てることとなり、この体制は253系置き換えまでの間、日常的に代走が行われていました。

国鉄設計の485系・189系の老朽化もあり、元成田エクスプレス号253系のうち、2002年の日韓ワールドカップ用に増備された200番台を改造した253系1000番台が登場し、2011年に彼らを置き換えました。

その後は代走もなく……と思いきや、年度末に走行距離清算のための代走が何度か設定されています。

一方の東武鉄道側では、一貫して東武の看板特急・スペーシアを充当しています。

乗り入れ対応の改造がされた編成は106-108Fの3編成で、個室車両にグリーン車マークがあるかどうかが外観上の大きな差異となりました。

こちらはスカイツリー開業などでリニューアルがされつつも元気に活躍しています。

……と纏めたいところですが、500系リバティ登場までの間は予備1編成で、JR車両を代走したり臨時運用を持ったりすると予備がなくなるというかなり綱渡りな運用が強いられていました。

実際に、踏切事故での損傷があった際には大宮総合車両センター一般公開での試乗会編成としての使用を断念したり、臨時列車を座席数が全く異なるJR車と代走したりと苦しいやり繰りをしていました。

リバティ登場で予備編成が増えたこと、JR側も253系2編成体制で比較的安定してきたことから、現在では清算運転くらいしか見る機会がなくなりました。

千葉・大船・八王子からの臨時列車も設定・しかしJR車のみの運行

予備車兼臨時列車用として用意された189系OM201編成『彩野』を活用して、はちおうじ日光号のほか、千葉と大船発着も運行されました。

充当された車両は189系ばかりで、これは車両規格や設計が全く異なる東武鉄道車両が走行エリアを拡大するためには試運転・乗務員訓練が必須な一方で、189系は波動用として各地で走行実績を持っていたことに起因します。

485系・189系は253系1000番台に置き換えられたあとも、JR車による運行が続けられています。

大船発着については、上野東京ライン開業で上野・東京経由も運転。

しかしながら、東武鉄道経由の方が圧倒的に安いこともあり、こちらはイマイチな成果となっています。

スペーシアも品川発着に限り実績がある延長運転

延長運転には充てられなかったスペーシアですが、品川駅発着に限り行われた実績があります。

これは、現在の日光21,22号のダイヤが送り込み回送で品川駅に一旦入線するというダイヤを活用したものであり、当初から新宿~品川駅間は走行予定の経路に組み込まれていたためです。

品川~新宿~栗橋以外は緊急時に備えて小山車両センターに入線した経歴があるのみとなっていました。

那須塩原駅・八王子駅乗り入れが設定

『スペーシア那須野号』は一昨年にも運行実績がありますが、これは今回同様の栃木DCに関連したプレDCイベントの目玉列車として運行されました。

筆者もグリーン個室にて全区間乗車しましたが、小山車両センター以北までスペーシアが乗り入れ・それも日光鬼怒川エリアとは縁が少し薄い那須エリアに向けての運転とあり、大きな話題となっていたことを記憶しています。

前回好評だったこの列車が引き続き運行されるほか、通常253系で設定される八王子駅~中央線・武蔵野線~大宮駅を通る『はちおうじ日光号』のダイヤをそのままに『スペーシア八王子日光号』としてはじめてスペーシアを使用して運行されます。

中央線・武蔵野線は初走行となることはもちろんのこと、国立駅~新秋津駅と西浦和駅~大宮操車場の短絡線を私鉄車両が駆け抜けることとなり、かなり注目されます。

北朝霞駅では東上線朝霞台駅をオーバーパスしますので、これまた貴重な光景と言えるでしょう。

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