東京メトロでは、老朽化した有楽町線・副都心線系統で活躍してる7000系、半蔵門線系統で活躍している8000系と同数の新型車両17000系・18000系の投入を明らかにしています。
そのうち、2020年内のデビューが明らかにされていた17000系の第一号となる17101Fがメーカーから姿を現しました。
登場経緯をお伝えするとともに、1編成の先行投入となった経緯を考えます。
置き換え対象の東京メトロ7000系の登場から現在
東京メトロ7000系は、有楽町線の部分開業から現在まで活躍する形式です。
1974年のデビュー当時から長らくの間、有楽町線のラインカラーのゴールド(をイメージした黄色)の帯を巻いて定期運用で活躍していましたが、副都心線の開業に伴う改造に合わせて副都心線の茶色・有楽町線の黄色・差し色の白色の3色帯に変更されています。
長年に渡る増備の結果、車齢も編成ごとにまちまちとなっているほか、副都心線対応改造の過程で車両計画が二回変えられた結果、13編成が丸ごと廃車されたほか、大多数の編成の8両化改造が施されました。
現在は10両6編成と8両15編成が活躍しています。
(かなり複雑な置き換えでしたので、いつか別記事で詳しく解説予定です)
それ以降は車内照明のLED化がされるなど、いつまで使い続けるのか……という声もあるほど、第一線で活躍しています。
プレスリリースで発表された17000系の特徴
今回落成した17000系ですが、昨年から情報が小出し小出しとなって、その都度話題を集めてきました。
置き換えの計画が初めて明らかになったのは、中期経営計画「東京メトロプラン2021」でした。
この時点ではイメージ画像と形式名が記載されていました。
次に、車両の調達が出ており、これにより17000系15編成・18000系6編成という数字が示され、多くのファンから波紋を呼ぶものとなりました。
当サイトでも転用を含めた様々な可能性を検証してみましたが、最終的には正式発表にて7000系・8000系同数の投入となることが明らかになりました。
空調の高性能化・座席幅拡大・フリースペースの全車両設置・防犯カメラ・脱線検知装置の搭載などの一通りの最新設備が搭載されています。
各路線で採用されてきた新機軸を多く盛り込んでいる一方で、13000系などで話題となった3画面ディスプレイの採用は見送られています。
副都心線・有楽町線では、東武50070型・東急5050系にて17インチワイドディスプレイを使用しており、既に同サイズのデータを作成しているほか、既に15インチと17インチワイドで2種類のデータを作成しています。
乗り入れ先の都合もあり、わざわざ新たにデータを作り、変更の度に新しいデータを作る手間をかけてまで3画面とする必要はないという判断がされた可能性が高いでしょう(銀座線・日比谷線系統はどのみち新規ROM作成・丸ノ内線は最終的に全編成置き換えとなるためそれぞれ3画面で統一可能でした)。
日立製作所下松事業所から姿を現した17000系を見る
今回登場したのは、10両編成のトップナンバーとなる17101編成です。
付番規則については、先輩格の10000系以降で採用されている、頭2桁が形式名、百の位が号車(旅客に案内している号車番号と逆順=新木場・横浜側から1~)、末尾2桁が編成番号となります。
編成付番については、10000系と揃える目的と推測できます。
一方で、17000系では、最近の東京メトロのトレンドのモーター車両が少ない構成となっているようで、パンタグラフの付いた4両のみが該当する模様です。
17101(10号車) 元町中華街・新木場側
17201(9号車)
17301(8号車)
17401(7号車)
17501(6号車)
17601(5号車)
17701(4号車)
17801(3号車)
17901(2号車)
17001(1号車) 小川町・飯能側
営業運転開始はまだまだ先?
今回、1編成が先行投入されているものの、他の編成については翌年度以降の登場となります。
この経緯については明らかにされていませんが、この路線の複雑な運行系統が背景に考えられます。
17000系の運用範囲は広く、東京メトロ2路線のほか、東武・西武・東急の乗務員がそのハンドルを握ります。
各会社に貸し出して試運転・乗務員訓練をしなければならず、落成後にすぐ使える車両とはなりません。
同系統では、東横線と副都心線の直通運転開始に備え、1年以上の間、試運転や東急保有の全編成で自動列車停止装置の動作確認、更に東急5050系と東京メトロ7000系・10000系については相互に営業運転で「慣らし」を行うなど、入念な準備がされたことがファンの間では有名です。
複雑なダイヤが組まれているため、副都心線系統は乗り入れが絡む運用ばかりです。
今回の17000系についても、各社に長期間の貸出を終えてから営業運転を始める可能性が高そうです。
両端に基地があるという有楽町線の強みを生かして有楽町線内限定運用をする可能性はあるものの、試運転を先に済ませておいた方が異常時対応の面では安心でしょうか。
デビューは当面先となりそうですが、既に期待の声も大きい17000系。
試運転では、通常走らない区間を走行するケースが多々ありますので、今後しばらくは目を離せない存在となりそうです。
YouTubeで甲種輸送の模様を公開!
YouTube=鉄道ファンの待合室資料館では、東京メトロ17000系甲種輸送の様子を動画で公開予定です。
チャンネル登録・評価・コメント・通知ONもぜひよろしくお願いします。
コメント
17000の実車が出てきたということは、そろそろ7000系も危なくなってきたということですね。
千代田線の6000系と同車の全面も見られなくなっちゃうんだなと改めて実感しました。