【中央線特急】あずさ・かいじ号車掌1名化実施へ・2020年3月改正より

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以前から噂が絶えなかった中央線特急あずさ号・かいじ号の車掌業務の見直しについて、2020年3月14日のダイヤ改正実施にあわせて行路変更が実施されることが複数の労働組合により明らかになっています。

常磐線特急ひたち号・ときわ号に続く1名を基本とする体制へ変更となりますが、利用者への告知は常磐線同様実施されていません。

2019年春から着々と準備が進行

今回注目されている車掌1名化ですが、JR東日本管内で運行される在来線特急で実施されている全席指定席化とセットで実施されています。

自由席を廃止することで、車内での切符発売業務を大幅に軽減、特急列車車掌の業務の大半がなくなることとなります。

中央線特急は、2017年12月から指定席発売状況ランプを搭載したE353系の投入が始まり、在来車が定期便から引退した2019年3月のダイヤ改正よりこの料金制度に移行しています。

しかしながら、常磐線特急同様に、乗客へこの制度が周知される経過期間として車掌配置は従来同様とされてきました。

昨年のダイヤ改正は中央線特急では久々の大幅なダイヤ改正となったにも関わらず、車掌行路はごく一部の持ち替えがあった程度の小変更にとどまっています。

それどころか、新たにかいじ号からあずさ号に延長されたあずさ13号では、甲府駅で新宿運輸区から甲府運輸区に乗り継ぎとなるという無理やり感さえある行路となっていました。

そのため、次回以降のダイヤ改正が車掌行路再編・車掌1名化のタイミングにあるのではないかという推測は以前からありました。

2019年3月のダイヤ改正以降、車掌の検札タイム測定などの水面下の準備が行われていました。

相鉄直通で新宿運輸区の乗務行路が大幅に増えた11月30日がタイミングとしては最適だったように思えますが、やはり1年は移行期間が欲しかったためでしょうか。

相鉄直通により乗務員を新たに異動・養成で集めた新宿運輸区はもちろん、甲府運輸区、松本運輸区。そして定期行路はかいじ1往復のみで、はまかいじ号という活躍の場を失った八王子運輸区、区間乗務とごく一部の臨時列車という小所帯だった立川運輸区と、3支社5運輸区に影響を与える大規模な変更となりそうです。

新たな乗務員構成はどうなる?

新たな車掌体制がどのようなものとなるかは明らかにされていませんが、停車駅が少ない区間は1名、停車が続く区間は従来の混雑区間のような“改札行路”を設定していると考えられます。

また、あずさ3号のように極端に停車駅が多い列車や、乗務員の送り込み・戻りを兼ねて全区間2名乗務となる列車が残っている可能性も捨てきれません。

また、停車駅が多い区間は列車によりまちまちですので、従来は便乗に留まっていた支社跨ぎの混乗が実施されるかもしれません

中央線特急ユーザーなら、支社ごとに放送から検札スタイルまで異なることはご存じの方もいらっしゃるかもしれません。

同じ会社の同じ列車とは思えないほど性格が異なる各支社各乗務員の連携が出来るかも1つの鍵となりそうですね。

JRESC設立と委託業務化で考えるミライ

従来の車内販売は、テナント料を親会社に納める形で営業していましたが、現在のJR東日本の車内販売体制は全く異なるものとなっています。

旅客に向けての案内はされていませんが、2019年3月のダイヤ改正でコーヒー・アイス・弁当・土産物・グッズ類の販売を終了して以降、4月1日からはNRE(日本レストランエンタプライズ=旧・日本食堂)へ委託業務が開始されています。

これにより、JR東日本が車内販売会社に委託料を払う側に逆転しています。

7月1日には列車乗務関連業務を新会社・JR東日本サービスクリエーション(JRESC)に移行しています(会社自体は4月1日に準備会社として設立)。

委託業務の内容は手探りのスタートで、車内巡回をする程度ですが、現在はタブレット端末を持って旅客案内を行うこととなっており、既に見かけたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

JR東海が車内販売パーサーとグリーン車担当&巡回、一部区間の車内放送を担わせていますが、JR東日本もこれに近いことを考えているのではないでしょうか

最終的にこれ以上車掌業務を委託する(切符の取り扱いなど)のか、その場合は簡易的な現在の車内販売を継続するのか

この辺りが利用者には気になるところですね。

なし崩し的に始まった中間ドア扱い

日本の多くの列車では、出発時に車掌がホーム上の旅客と接触しないかを見守りながら出発していく……という体制で運行されていることは、鉄道に詳しくない方でもご存じの方は多いと思います。

ほとんどの鉄道会社が最後部で監視を行っていますが、これ自体はワンマン運転や、車内精算を行う無人駅があるローカル線などで例外もあるように、必須なわけではありません

とはいえ、編成中間では前も後ろも見ることは出来ませんので、好ましくないことは事実です。

そのため、従来は2名の乗務であれば、ドア扱いや車内放送などの列車運転業務を行う車掌が最後部で安全確認を務めていました。

今回、車掌が1名化されることで、

先行事例の常磐線では1編成200メートル、今回の中央線では240メートルもの長さがあります。

もしもマニュアル通りに行うと、先頭車両で旅客案内・切符不所持旅客の対応等をしていても、大急ぎで最後部まで戻らなければなりません。

常磐線では、既に巡回していて間に合わない場合は編成中間(グリーン車)の車掌室からドア扱い・監視をすることがあるようですが、これについても取り決めがあったわけではなく、現実的に不可能だったから…という背景のようです。

このほか、駅間停車などが発生したら、ブザー合図を運転士へ送るためだけに最後部へ戻ります。

今回の中央線特急でこれが行われるかは定かではありませんが、編成両数の長さ・利用客の多さを考えると、繁忙期などはやらざるを得ない状態になりそうです。

立川や八王子といった乗降客数の多い駅でこれらの取り扱いはなるべく避けるかと思いますが、それ以外の駅も特急停車駅ですので、利用客はそれなりに多い駅ばかりです。

ホーム上の駅員配置もほとんど削減されている昨今、事故が起きても社員は誰も気づいていない……といった事態がいつ起きてもおかしくなさそうです。

ホームドアが設置される発表がない駅も多く、安全面の確保に大きな課題が残ります。

また、最終的に行き着く先としては車掌なしのワンマン化がありそうです。

JR東日本は設立当初から車掌レス運行をしたかったのではないかという推測もあり、この春引退するスーパービュー踊り子号がデビュー以来実施してきた、アテンダントによる検札体制もその試験的要素がありそうです

この使用車両251系には、2号車ドア付近と10号車アテンダント準備室にドアスイッチを設けており、当時はアテンダントにドア扱いをさせることも選択肢にあったのでしょうか。

その後は目立った動きはありませんでしたが、最近ではE257系改造車両に同様の座席発売状況が分かるランプを付けていますので、東海道線での全席指定席は発展解消といったところでしょうか。

山手線のドライバレスでは、保安要員のみを乗せるというのが最終目標に掲げられています。

自動運転ではない普通列車・通勤電車も条件が揃えば順次ワンマン化という方針ですので、特急列車についても、最終的には運転士によるドア扱い・アテンダントによる巡回とすることが選択肢にあるのではないでしょうか

批判も大きいけども時代の流れか

まだまだ安全面・サービス面で批判的な眼差しが向けられることが多い乗務員・駅員の削減。

確かに、利用者視点では会社の合理化に過ぎず、利用者からはサービス低下となることは言うまでもありません。

しかしながら、社会情勢を考えれば、どこの会社も真っ先に人員削減を進めており、もはやサービスが……という意見を口にするだけで時代遅れなご時世です。

私個人としては、人件費が嵩むから運賃値上げします……とならないだけマシと思いますが、みなさまはいかがでしょうか。

ただし、利用者には何らかのアナウンスが欲しいとは思います。

車掌が来ないことで困る旅客も居ますし、車掌側も巡回に行けないことで余計なトラブルで困る未来が想像できます。

運輸業全体に広がる自動化の流れは、JR東日本の挑戦で大きな加速となりそうです。

線路の上を走るというシステムの鉄道は、自動車の自動運転よるはハードルが低そうです。

JR東日本は現在も就活生の人気が高い大手企業ですが、経営思想としては同業他社以上に効率化に熱心な会社です。

この他にも駅員は子会社化、車両保守・保線・信号通信など、幅広い職種が積極的に外注・子会社化も進められていますが、これはJR東日本だけの動きではありません

もしこの記事を読んでいる将来鉄道事業者への就職・電車の運転士になりたいという学生さんがいらっしゃれば、定年の頃には乗務員という職種がなくなっている可能性をしっかり考えて欲しいと思います。

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