【JR貨物】DD51形が2020年に貨物輸送から引退へ・迂回運転でも大活躍

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国鉄蒸気機関車を一気に置き換え、日本中でその姿を見ることができた非電化区間の標準的な機関車:DD51形。

各地で急速に運用を退く動きが続いており、遂に2020年 大所帯だったJR貨物から姿を消すこととなります。

車両動向から以前よりほぼ確実の状勢でしたが、鉄道貨物フェスティバル in 名古屋の掲示にて明らかになっています。

JR貨物では機器更新も実施

1987年(昭和62年)の国鉄分割民営化の際、JR貨物には137両のDD51形が継承されました。

JR全体での継承数が259両ですので、過半数の機関車は貨物輸送に従事する格好です。

翌1988年(昭和63年)には国鉄事業清算団から4機の保留車を買い増し、141両体制が組まれることとなります。

1994年(平成6年)には北海道地区で機器更新工事の施工がはじまり、エンジン改装・塗色をDF200形に近づけています。

一方、本州での施工は2002年(平成14年)にはじまり、最初は青15号とクリーム1号という国鉄直流電機のようなカラーリングとなりましたが、2004年(平成16年)以降は現在の塗色になりました。

青色のDD51形もその後の定期検査でカラーリングを改めています。

急速に減少する貨物機運用

JR貨物移管後もしばらくは各非電化路線の貨物列車の先頭に立っていたDD51形ですが、比較的近年まで残っていた非電化区間の貨物列車がどんどん廃止されていきました。

主な活躍の場で重連総括運用が多かった北海道では代替機導入がされています。

美祢線美祢駅〜山口線〜山陰本線岡見駅のフライアッシュ輸送”岡見貨物”など、ファンから注目を受ける運用も徐々に減っていきました。

大阪地区でも近年まで残存していましたが、城東貨物線→おおさか東線の直流電化などもあり、現在では愛知機関区所属機が関西線で活躍するのみとなっています。

関西線運用についても北海道のDF200余剰機が順次愛知機関区に改造の上で転入しており、現在では稀に見られる程度の小所帯となりました。

迂回輸送で大活躍!

DD51形にとっては暗いニュースが続いていましたが、ファン以外にも大きな脚光を浴びる機会が訪れました。

2011年(平成23年)に甚大な被害をもたらした東日本大震災に伴う迂回石油輸送にて、DD51形が磐越西線の走行歴があったことから着目されて、短期間ながら各地のDD51形が集結・ガソリン輸送で大活躍を行いました。

先述の余剰がちょうど出ていたタイミングだったことは不幸中の幸いでしたが、この迂回輸送で活躍した余剰機たちは現在は姿を消しています。

その後も着々と淘汰が進められていましたが、2018年(平成30年)の岡山・広島集中豪雨では山陽本線にダメージ。

山陰本線の迂回輸送が行われ、伝説の再来となりました。

これらの活躍には、DD51形の高すぎず低すぎずの性能や、国鉄時代〜JR黎明期に貨物列車の走行実績があったことが突発的な輸送に大きく貢献しています。

これはDD51形でなければ成し遂げられなかった偉業で、今後も多くのファンによって語り継がれていくことでしょう。

貨物機の今後

現在、代替車両としては北海道向けに開発され、一部が愛知機関区に転属して活躍しているDF200形電気式ディーゼル機関車が活躍しています。

このDF200形はDD51形で多く設定されていた重連総括運用を1機で賄えるという強力な機関車ですが、その性能の高さゆえに重量があることから線路等級の低い路線では活用できないというデメリット(軸重制限)も存在します。

最近では構内入れ替え用機関車としてHD300形ハイブリッド機関車が製造されて拠点駅に配備されているほか、本年度に入って本線運用も視野にDD200形の量産が急速に進められています

基本的な性能はDE10形に近づけられており、運転台も構内入れ替えを重視した横向き配置となっていますが、最高速度も110km/hを想定していることから、ローカル線各路線の本線走行でも活躍できる性能です。

災害大国ニッポンで今後何が起きるかは分かりませんので、迂回輸送に備えて様々な路線での入線確認もしておけば……とも思いますが、費用対効果が悪いのも事実です。

圧倒的な強みを持っていたDD51形と同等の機関車ではありませんが、DD200形が今後の非電化区間の看板機関車となるのでしょうか。

旅客会社でも数を減らす動き

旅客会社にも多数のDD51形が継承されています。

こちらについても最近動きがいくつかありましたので、後編記事としてお伝えします。

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