横須賀線・総武線快速電車向けの新造車両として注目が集まっているE235系1000番台。
長らく付属編成のJ-01編成を使用した性能確認試運転が続いていましたが、8月3日からは基本編成のF-01編成の試運転が同時刻・同経路にて始まっています。
長編成が力走する姿が見られるようになり、ファンの期待が集まっています。
E235系1000番台落成後の動き
E235系1000番台は、基本編成のグリーン車が総合車両製作所(J-TREC)横浜事業所で製造されているほか、それ以外の普通車は同新津事業所にて製造されています。
グリーン車を甲種輸送(貨物列車での輸送)により新潟へ運ぶ体制が組まれており、他のJR東日本向け車両同様に、新潟エリアにて公式試運転を実施した後に配給輸送(自社の機関車牽引での輸送)にて鎌倉車両センターへ輸送されています。
6月に入って、基本編成F-01編成・付属編成J-01編成・J-02編成、7月に基本編成F-02編成と相次いで落成しています。
このうち付属編成のJ-01編成に各種測定機器を設置した上で、7月の1ヶ月間の平日に大船→根府川→新鶴見信号場→根府川→大船の経路にて試運転が実施されていました。
基本編成も同様に長期間の試運転?
基本編成では、付属編成とMT比(電動車と付随車の比率)が若干異なるほか、付属編成では省略されている非常時の蓄電池など様々な機構が追加されています。
推測の域を出ませんが、付属編成同様に8月の複数日程(平日のほぼ毎日?)で引き続き同様の試運転を実施する可能性が高そうです。
ファン目線では、短編成での単独長距離走行は珍しい一方で、どうしても迫力に欠く印象も否めません。
基本編成が本格的に動き出したことで、この夏は東海道を行くE235系の記録を狙いたい方もいらっしゃるのではないでしょうか。
付属編成の試運転同様に、10時前に鎌倉車両センターを出発、根府川駅・新鶴見信号場・根府川駅で折り返して夕方に所属区へ戻るダイヤで走行しています。
付属編成の目撃情報を遡れば、具体的なダイヤを知らなくとも記録できることでしょう。平日ダイヤでほぼ毎日走るスケジュールかと思いますので、お近くにお住まいの方は一足先にその勇姿を見ることが出来そうです。
あくまで乗務員訓練は別途実施?
また、最近の試運転の多さから乗務員訓練が既に始まっているのではないか?と推測する声もありますが、そもそもこの東海道貨物線は大船運輸区の通常乗務の範囲外となります。
特に運転士さんは成田エクスプレスで成田空港までの乗務がある一方で、東海道線関連の列車は担当していません。
最近では、2019年秋に215系を大船〜逗子間で乗務員訓練をしたのち、朝の湘南ライナーの回送列車の定期回送を担当(東京〜錦糸町間)する動きがありました(過去記事)。
東海道線と横須賀線は密接に関わる路線であるものの、乗務員さんの担当区所は意外としっかり分けられている印象です。SM分離(東海道線と横須賀線の東京〜大船間の別線化)の歴史が古い関係でしょうか。
以上を考えると、あくまで他形式同様に自社管内で性能確認試運転を続けているのみと考えて差し支えなさそうです。
幕張車両センターへの出入りも開始
このほか、8月3日にはF-02編成・J-02編成を連結した15両編成にて幕張車両センターへ疎開する動きもありました。
幕張車両センター留置編成は日常的にパンタグラフを上げている姿が目撃されており、車両センター内で何らかの訓練が始まっている可能性も考えられます。
8月に入り、試運転などの車両の動きも本格化してきました。
先代のE217系と異なり、平面のデザインの顔立ちが印象的なE235系1000番台。昨今の動きや他形式の過去動向などを踏まえると、一部報道であった10月のデビューが現実的となっています。
安全・快適なE235系1000番台のデビューが待ち遠しいところです。
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