【最後の早苗月か】改造進む“武田菱”E257系0番台松本車〜修学旅行臨時列車で運行中

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中央線特急「あずさ」「かいじ」などで活躍した武田菱塗装を維持するE257系松本車。

東海道線転用から外れたグループも機器更新の動きが始まっており、最後とみられるM-111編成の“孤軍奮闘”が続けられています。

あずさ・かいじ撤退後も細々と活躍

E257系0番台は基本9両16編成(M-101〜116)・付属2両5編成(M-201〜205)が製造されており、E351系「スーパーあずさ」とともに中央線特急「あずさ」「かいじ」で甲府・松本方面などへ運行されていました。

2019年7月の一部運用代替・3月のダイヤ改正で定期運用を離脱したE257系0番台の基本編成は順次東海道線転用改造・機器更新が進められましたが、東海道線転用とならなかった3編成(M-105,107,111)がそのままの外観で各地の団体臨時列車・臨時の特急列車などで活躍を続けています。

それまで183系・189系、2013年ごろからは185系が担ってきたこれらの運用を代替することとなりましたが、現時点では185系を使用する団体臨時列車・臨時快速なども一部で残されています。ただし、2022年に完全に引退することが示されており、更なる運用整理が進められることが予想できる状態です。

E257系ではE353に代替された0番台だけでなく、房総方面の特急が年々減少して500番台も余裕が大きい状態が長年続いていました。

5両19編成(NB-01〜19)のうち9編成程度の余剰が発生しており、255系を特急列車で継続使用しつつE257系が様々な臨時列車に使用されていました。東海道線転用では修善寺発着の付属編成としてNB-06,07,13,14の4編成が転用されているほか、189系で残されていた中央線方面の臨時列車代替としてNB-10〜12がかつてのあずさ号のカラーを模したロゴマークに変更されて特急“富士回遊”の臨時便などで運用されています。

このままの運用数で推移すると見られていましたが、東海道線特急への転用改造が終盤を迎えた2021年に入り、0番台のM-105編成が長野へ・房総特急で活躍していた500番台のNB-09編成が秋田へ相次いで入場して動向が注目されていました。

機器更新で“武田菱”見納めか

記事公開日現在では、長野総合車両センターでM-105編成が5000番台OM-91編成として、秋田総合車両センターでNB-09編成が5500番台OM-52編成として緑色基調の塗装に変更されています。

機器更新と同時に明確に波動用編成を明確化することとなり、これらの機器更新・塗色変更の動きが進められるとE257系デビュー時からの“武田菱”塗装は見納めとなることが確実視される状態です。500番台についても“BOSO EXPRESS”のロゴを覆うようにデザインが修正された3編成もこのカラーリングに改められることが予想できます。

東海道線転用では当初の工期が60日・後に80日とされていたことから、内装工事などが省略されてメニューが少ない5000番台・5500番台については1編成あたり2ヶ月強で完成形となることが予想できます。

3月には0番台M-105編成・500番台NB-09編成が、5月には0番台M-107編成・500番台NB-08編成が入場しており、同様に転用改造を受けるであろう0番台M-111編成や500番台NB-10〜12編成も7月前後に新たな動きがありそうです。

単純に考えれば“武田菱”は7月に、旧あずさカラーを模した東大宮・豊田常駐編成も下半期に姿を消す計算となります。ただし、夏の中央線特急・房総特急は観光需要が比較的多い時期で増発が頻繁に実施されるほか、2021年夏の臨時列車ではオリンピック・パラリンピック開催期間のイレギュラーな列車運行もありそうですので、少し期間を空けて施工されるかもしれません。

近々やってくるであろう“最後の日”

願わくば1編成くらい塗装を維持して出場してほしいところですが、新デザインに変更している以上は波動用編成自体の統一感も狙いの1つとなっていそうです。

東海道線転用改造の都合でNA-06編成が機器更新工事をしたものの武田菱塗装という状態があり、この形態の復活に期待する声も聞かれますが、現時点ではその可能性はあまり高いとは言えません。

ゴールデンウィークにファンを賑わせたあずさ号・かいじ号の臨時便について、夏休み期間にも0番台の勇姿が見られるのか否かが大きな注目ポイントとなるでしょうか。

それ以外にも団体臨時列車での運用なども多く設定されていますが、社会情勢により今後の活躍の場が減少する可能性も十分に考えられます。

特に波動輸送は時流の影響を強く受ける列車です。2020年に続き、2021年も修学旅行などの見合わせで直前の設定取り消しも相次いでいます。

E257系0番台がモチーフとしている武田信玄の「風林火山」は、「疾如風、徐如林、侵掠如火、不動如山」ーー戦いにおける心構えを説き、時機や情勢などに応じて動くことの大切さを示している語句です。

E257系“武田菱”塗装は見納めになることは明らかな状態でありつつ、いつまで見られるかは定かではありません。残された期間の乗車・撮影は早めに楽しんでおきたいところです。

商業誌などで0番台の使用と記述されている5月〜6月の修学旅行の集約臨時列車、6月19日,20日に予定されている新宿さざなみ号での運用をしっかりと記録しておきたいですね。

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