【EF81-300】海底トンネル専用の「銀釜」ブルトレ牽引・常磐線走行も?

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写真は展示のための臨貨

関門海峡の交直セクション超えを専門として4機のみが製造されたEF81形300番台。

2019年8月10日(土)〜11日(日)と門司港・九州鉄道記念館にて最後の生き残り・303号機が展示されて話題となっています。

銀ガマの愛称とその武骨な形状が魅力の、彼らの生い立ちを振り返ります。

関門トンネルとステンレス機関車

従来から関門トンネルでは海水が漏れてくる高湿度な環境が大きな課題となっており、塩害・防腐対策が必要不可欠でした。

先代のEF30形でもステンレスボディが採用されているほか、その前に活躍していたEF10形の一部が骨組みを生かしつつ外板のステンレス化改造が施されました。

これらの経緯を踏まえて関門の増備車としてステンレスボディで製造されたのがEF81形300番台です

4機のみとなったところに国鉄の苦しい財政事情が伺え、EF30形の代替は0番台改造の400番台にて行われることとなりました。

EF81 301・302の2機については常磐線でトラブル続出のEF80形を置き換えるため、常磐線を担う内郷機関区に転属した経歴があります。

この転用についてもEF81形の万能さとともに、短区間で運転する形式には不釣り合いだったことが挙げられますね。

これらの2機は門司機関区に帰ってからも赤13号塗装が維持されたため、最後まで塗装車となっています。

また、302号機は事故にてコルゲート板の一部を失い、そのままの形態で活躍しました。

EF30形が重連総括で運用されていた一方、このEF81形300番台は単機でブルートレイン牽引をする姿が印象的です。

時間帯・運行区間の短さから撮影が困難ではあったものの、JR化後も牽引実績があり、JR貨物とJR九州の柔軟な機関車運用が魅力的でした。

東日本大震災で緊急登板!

2011年(平成23年)の東日本大震災では、東北本線が壊滅的な被害を受けました。

これらの迂回ルートとして上越線・日本海縦貫線に迂回貨物列車が走ることとなり、EF81-303号機・304号機が急遽、富山機関区へ貸し出されることとなりました。

磐越西線の迂回貨物がメディアで大きく話題となっている一方、はるばる九州から駆けつけた銀釜の存在は、事情もあってあまり知られていませんね。

同年秋には302号機が貸し出されたほか、過去には2008年度(平成20年度)には塗装機である301号機も同路線に貸し出しの実績があるため、4機とも貸し出し・短期間の転属により日本海縦貫線を走行することとなりました

現役機は303号機のみ・先代機同様保存なるか?

現在は関門間の運用は後継機となるEH500形によって行われることとなり、EF81形はED76形の代わりとして九州全域での運用を始めています。

450番台5機・500番台3機というJR製造の若年機に混じって活用されています。

このEF81形に関しては線路等級の都合があり、ED76形→EF81形の置き換えに合わせて路盤・レールなどを改良した経歴があります。

一方で、EH500形の運用にはさらなるグレードアップが必要なため、EH500形は福岡貨物ターミナルまでの運用に制限されています。

他地域からの転入は富山で休車生活を送る600番台くらいしか手玉がないほか、8機の若年機もあるため、大きな動きはなさそうです。

武骨で特異な形態の300番台が1機のみですが残されたのは大変嬉しいところです。

かなりの車齢と、海水を浴びながら走っていた経歴の303号機と同僚たち。

引退後はEF10形、EF30形とともに保存が実現して欲しいところですが、まずは現役のカッコいい姿をしっかりと記録したいですね。

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画像元ツイート紹介

今回の画像は、九州鉄道記念館への送り込み臨時貨物列車という貴重な列車を撮影された、よんいちご様(@JRKYUSHU_415)からお借りしました。

末筆ですがお礼申し上げます。

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