【4月10日は駅弁の日】135周年〜あったまる?通販も?イマドキの駅弁事情

4月10日は駅弁の日。毎年各社・各駅で様々なイベントを実施していますが、2020年は社会状勢からイベントは大幅縮小となっています。

全国的に駅弁の廃業などもあるなか、鉄道利用者自体が圧倒的に減っている昨今。

何とかこの苦難を乗り越えてもらうべく、改めて駅弁の魅力とともに、昨今の駅弁の進化をお伝えします。

今年で135周年!駅弁の世界・歴史

駅弁の誕生については諸説さまざまですが、日本鉄道構内営業中央会は「1885年(明治18年)7月16日、宇都宮の旅館白木屋が梅干の入ったオニギリにゴマ塩を振りかけ、タクアン2切を添えて竹の皮に包み、当時5銭で販売されたと言われています」という有力な説を紹介しており、多くの場合この説が記されています。

一般的な駅弁の定義としては、鉄道駅・列車内で発売されているお弁当の総称です。

駅構内・ホーム上売店・車内販売・ホームでの立ち売りなどの形態があります。

狭義としては先述の日本鉄道構内営業中央会が調製(製造のこと)しているお弁当の中でも米飯が入っているものを指しますが、この中央会加盟の有無は国鉄が駅構内販売を認める条件となっていたことに関連しているため、私鉄駅の駅弁はそもそもこの中央会に亀井する必要がありませんでした。

長年行われていた国鉄の制度・JR化後の時刻表掲載まで影響を与えており、包装紙に日の丸デザインの駅弁ロゴマークが入っているのは中央会加盟の証となっています。

昨今、駅ナカの充実・列車の速達化・車内販売減少などの様々な背景から業者の撤退も続いています

販売苦戦の中で様々な試みも!

駅弁自体は全体として衰退傾向ですので、廃業する業者さん・仕出し弁当などの別分野のみとした業者さん・サービスエリアや空港、デパートなど販路を広げて収益を上げながらも駅での販売を維持している業者さんと各社苦労が垣間見られます。

最も知名度の高い“峠の釜めし”を販売するおぎのやさんも、碓氷峠の機関車連結作業を生かした販売でしたが、新幹線が開通した現在ではサービスエリア・ドライブイン、更には直接のゆかりはなかった中央線沿線まで事業を拡大しています。

ハマっこの誇り・崎陽軒さんも、デパ地下のイメージが強いのではないでしょうか。

地域が誇る食品産業としての会社運営がメインとなっているか、鉄道会社子会社に吸収合併されているかといった会社が多くなっています。

商品についても地域色を出している者が年々増えているほか、駅弁の弱みであった常温販売を克服するため、紐を引っ張ると温まるお弁当が近年のトレンドとなっています。

キャラクターコラボなどの様々な努力があるなかでも、やはり根強い地元の方・駅弁ファンの旅行をする層からは鉄板商品を購入したいという需要もあり、戦前から経営している会社の一番人気は歴史が長い物が多い印象ですね。

途中停車駅での購入に対応?

ターミナル駅の駅ナカ充実なども魅力的ですが、特に鉄道・旅が好きな方には途中駅のお弁当購入をおすすめしたいです。

特に、単線区間を走る特急列車では、停車時間が長い列車も存在します。

最近話題の列車だと、サフィール踊り子5号が伊東駅でお弁当を購入するのに十分な時間が用意されています。

新幹線も通過待ちのために停車時間が長く取られている場合もありますので、こだま号・やまびこ号などの“ちょっと時間が余計にかかる新幹線”にあえて乗って、数分の停車を生かした“途中駅グルメ”を楽しむ旅も良いかもしれませんね。

何かと逆風の駅弁販売ですが、現在も営業している駅弁業者は歴史・根強いファンが多数の魅力的なお弁当を製造しています。

また、JR西日本・山陽新幹線では、駅弁デリという座席お届けサービスも展開しています。

会員登録が必要ですが、利用者の利便性は高いですので、各社で広まって欲しいところです。

このご時世だけど食べたい!ネット通販している弁当も!?

魅力いっぱいの駅弁。移りゆく車窓を眺めながら、のんびりと旅行を楽しむ……と言いたいところですが、残念ながら世情がそれをあまり良しとしてくれません。

お弁当という特性上、調製から半日程度の消費期限とされているものが多く、ほとんどはネット通販の対応はありません。

しかしながら、ごく一部の駅弁は通販での取り扱いがあります。

前面展望・車窓動画などを見つつ、駅弁頬張りつつ、収束後の旅行計画を練るのも楽しいかもしれませんね。

※ 国内航空便欠航の影響で、配送遅延なども考えられます

独特の形状で有名〜富山駅ほか「ますのすし」


源のますのすし | ますのすし一重

富山県で一番有名な駅弁と言えばこちらでしょうか。

富山を代表する駅弁業者「源」は、この他にも様々な寿司系弁当を販売しており、東京・大阪にも取り扱い駅がありますので、見かけたことがあるという方も多いのではなりでしょうか。お子様に人気のW7系新幹線弁当なども手がけています。

白色の特徴的なパッケージに大きく魚のイラストをプリント

中は葉に包まれており、さらに広げると鮮やかなますが一面に広がります。

東京駅・大阪駅といった拠点駅のほか、北陸新幹線などの車内販売でも扱われていた(現在は終了)など購入機会が多く、私は寿司系駅弁が大好きなので、何度もリピート買いしてきた人気のお弁当です。

送料こそかかりますが、販売価格は1,500円と市販価格に準じています。

翌日配達エリアの北陸・関東・中部・近畿のみの取り扱いとなっていますが、該当地域にお住まいの方ならぜひ取り寄せたい1品ではないでしょうか。

製造から48時間が消費期限・注文翌日午後に届く……といった時間制約が多い形態ですが、常温(夏場は冷蔵)という押し寿司ならではの保存性を生かした、通販という限界に挑んでいるチャレンジ精神旺盛さもポイントが高いですね。

直営通販の強みもあり、二重・特選・ぶりなどの他商品も通販で展開されていますので、食べたことがある方は別商品にチャレンジしてみたり、いろんな種類の食べ比べをしてみるのも楽しそうです。

車内販売で更に有名に〜長万部駅「かにめし」


北海道 かなやの元祖かにめし 6個セット(冷凍)【かにめし本舗かなや】

長万部駅の名物のかにめしは、2019年のJR北海道車内販売営業終了までの間、特急北斗号・スーパー北斗号の車内で予約して積み込み・客席までお届けを行っていました。

長万部駅に立ち寄った人はもちろん、車内販売で購入したことがある……という方も多いのではないでしょうか。

札幌と函館の中間に位置している立地を生かした販売体系で、同様の方式は山形新幹線つばさ号の米沢駅でも実施されていましたが、どちらも車内販売縮小で見られなくなってしまいました。

こちらも通販取り扱いがありますが、このかにめしは冷凍で届けてくれます。

日持ちは製造から6ヶ月とかなり長めに設定されていますので、通販を敬遠される方にも安心の一品です。

複数のセット販売もありますので、家族で食べる・少し保存しておく……といった用途にも便利です。

駅弁ランキング数々受賞〜驚きの形態「有田焼カレー」


第7回『九州の駅弁』グランプリ獲得!有田焼カレー「ねこ柄」

全国各地で創意工夫を凝らした駅弁が発売されていますが、佐賀県有田駅で発売されているこの有田焼カレーは非常に珍しい、有田焼の器がセットになったかわいらしい駅弁です。

干支・市松桜・サンリオコラボ・ねこなど、様々な器のデザインが発売されているので、コレクションにも嬉しい一品です。

大きさも複数用意されていますので、実用品としての利用価値もかなり高そうです。


有田焼幸せのチーズケーキ

中身違いとして、こちらはチーズケーキも販売されていますので、ご家庭でのちょっぴり贅沢にもおすすめです。

有田駅構内の待合室にある有田名品館で発売されています。

有名な「いかめし」〜駅弁は森駅・いかめし阿部商店


いかめし阿部商店元祖 森名物 いかめし 3個セット

北海道・函館グルメであるいかめし。

ネット通販や現地でも様々な場所・メーカーにより販売されていますが、駅弁のいかめしと言えば森駅の駅弁業者・いかめし阿部商店ですね。

こちらも駅はもちろん、催事などでもトップに君臨する人気商品ですが、本来の容器ではネット通販での入手は出来ません。

箱の容器を模した帯が掛けられた真空パウチでの販売となるものの、いかめし阿部商店が製造するいかめし自体はネット通販で入手が可能となっています。

やっぱり本家を食べてみたい……という方も多いと思います。

真空パウチの強みとして、常温で長期保存(製造から90日)が可能ですので、こちらも気軽に楽しめる商品としておすすめです。

駅弁大手・淡路屋が本州・九州に通販展開

このほか、ひっぱりだこ飯などで神戸エリアで人気の淡路屋では、自社直営サイトで全国配送を受け付けています。

エリアなどの制約もあるものの、昨今の事情を受けて5,000円以上の注文・クレジットカード決済で送料無料となっていますので、この機会に使ってみてはいかがでしょうか。

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