運転開始以来、着々と利用者数を増やしている京王ライナー。
専用車両5000系に初の増備車となる第6編成=5736Fが1月12日より運用を開始しています。
外観はほぼ同一ながら、内装が大きく変更されています。
利用者アンケートに応えてドリンクホルダー設置
京王ライナーは、関東大手私鉄の着席サービスとしては比較的新しい2018年2月22日に運行開始となりました。
初年度には下り列車からスタートしたものの、翌2019年のダイヤ改正で朝の上り便の定期列車設定のほか、最近は季節の臨時ライナーも頻繁に運行されています。
使用車両となる5000系は、京王線の路線長の特性からトイレ設備こそありませんが、フリーWi-Fiなどの他社の類似列車で標準的な装備を一通り設置しているほか、トレンドとなっているLEDライトならではの前面デザインや、白色〜電球色と変化できる車内照明など、京王電鉄のフラッグシップにふさわしい力作です。
クロスシート・ロングシート可変座席もさることながら、金色を多く仕様した内装デザインが利用者の目を惹く車両です。
今回、運転開始以来初となる増備車として、5736Fが登場しました。
従来の4運用5編成体制が改められることとなりましたが、今のところライナー増発・車両運用数の増加を裏付ける動きは出ていません。
そのため、今後の定期検査実施時などの長期運用離脱に備えた予備車確保が主目的と考えられます。
今回の増備車では、利用者目線で嬉しい変更として、運転開始後の利用者アンケートで比較的多く声があったと言われている座席背面のドリンクホルダー設置が挙げられます。
これについては、後天的な改造で取り付けることは可能かと推測出来ますので、今後は既存5編成についても増設される可能性が高そうですね。
細かいところでは、5000系の登場以降に描かれた5000系がモデルのマスコットキャラクター・しんごくんが車内に初登場となっています。
こちらについても、ステッカーの貼り替えで対応可能な点ですが、今のところはこの編成の特徴の1つとなっています。
印象をがらりと変えた内装材変更
ファンの予想を超えた変更点として、従来車両では金色を使用した独自の内装デザインとされていたものが、この5736Fでは白一色のものに変更されています。
京王ライナーの特徴的だった金色の豪華な雰囲気がなくなり、印象が大きく変わっています。
車内が明るい印象となった反面、通勤型車両である8000系と似た雰囲気となってしまったのは残念な点です。
在来車でも元々白色の部分があり、今回の変更箇所はドア上の液晶ディスプレイカバーと網棚上の部分の内装材です。
特に照明が白色に設定される列車で目立つこの新しい内装ですが、なぜ変更したのかは気になるところです。
リニューアルを進めた8000系と部品共用とする狙いがありそうですが、主要な走行機器類と異なってそれだけではコスト削減効果はかなり薄いでしょう。
走行機器類のように予備品の共通化でのコスト削減は見込めないどころか、予備品確保を考えればむしろ5000系在来車両と共通にしておいた方が都合が良いはずです。
金色の内装材へ利用者・経営陣・開発者のいずれかから不満の声が上がったか、今後の車両製造計画の都合か。わざわざ変更した以上は何らかの理由があるかと思いますので、今後の動向・公式発表が気になるところです。
内装の変更は今後の製造計画に関係……?
最終増備車が次世代車両の試金石とされたり、他形式と共通部品に変更されたり……といった変更は他社でもたまに見かける事例です。
最近話題の車両としては、武蔵野線に転用が進むE231系B80〜B82編成がE233系部品を多用していることが有名どころでしょうか。
京王電鉄では、今後7000系の初期車から淘汰が進められるものとみられており、既に5000系5編成導入時点で中間車の一部が廃車となっています。
今回の5736Fについても、既存車両の予備車確保やライナー増発検討といったライナー車両としての製造目的だけではなく、通勤型車両に何らかの動きを与えるかもしれません。
一方で、通勤ラッシュに不利な上に製造コストも高いライナー仕様車を増備し続けることは考えにくいので、2020年度以降には5000系にロングシート仕様車が生まれるか、全く別形式になるかのいずれかで置き換えを進める可能性が高いでしょう。
今回の5736Fの内装材変更についても、今後の車両増備を推測するヒントの1つになりそうですね。
関連記事はこちら
画像元ツイート紹介
今回の画像は、1番列車のデビューを記録されたフォロワーのばみゅーだ様(@bermuda_e26)から許可を頂いて掲載しています。
コメント